「とのことです」という表現は正しい?使い方と言い換え表現を例文で紹介!

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伝言を仰せつかった時、「〇〇さんが、××とのことです」という事はありませんか。

ビジネスの場で、上司からの伝言や、出られなかった会議での重要事項などを第三者に伝えるときに、使うことができる言葉です。深く考えた事はあまりないかもしれませんが、表現の使い方や言い換えする言葉があるのか等知らない方が多いでしょう。今回は、そんな「とのことです。」に着目していきます。

目次

「とのことです」という表現は正しいのか?

そもそも「とのことです。」は表現として正しいのでしょうか。正解は正しいです。伝言を伝えるときに使用する敬語表現であると思ってください。人から聞いた内容を第三者の誰かに伝えるときに、「とのことです」と使用することができるのです。

「とのことです」は「とのこと」の敬語表現

「とのことです」を分解して考えてみましょう。実は「単語+です・ます」という形で成り立っているのです。「とのこと」という単語は人からの伝聞を表す内容を指し示す意味が含まれています。そこに丁寧語である「です・ます」が付いているので、敬語表現となるという訳です。

「とのことです」は丁寧語

単語+です・ますの形をとる「とのことです」は、敬語の種類としては丁寧語に分類されます。丁寧語ですから、「とのことです」という敬語表現には、丁寧語全般の特徴である、「相手や自分の立場を選ばずに使うことができる」という特徴があります。そこから言えることは、「とのことです」はビジネス上、だれでも使うことができる言葉という訳です。

「とのことです」の敬語での使い方とは?

「とのことです。」は誰が使っても良い丁寧語ということはわかりました。実際にビジネスの場で使うには、どのように使うのが良いのでしょうか。何気なく使っている「とのことです」ですから、間違って使っていることも考えられます。この章では、「とのことです。」の使い方に着目していきます。

ビジネスシーンなどで伝言をする際に使用する

「とのことです」は伝言を伝えるときに使用する表現です。ビジネスの場では曖昧な表現は避ける事が望ましいです。曖昧な表現で伝言することは伝言ではありません。そのため、「とのことです。」という表現は断定的に「電話が欲しい。」「会議が〇〇時に決まりました。」などと伝えることができます。

仕事をする上で報告、連絡、相談が必要とよく言わています。伝言をするのはその一つと言っても過言ではありません。大事なことを伝達するうえで、第三者から聞いたことをしっかり伝えるためにも、ビジネスの上では確定的に、「とのことです。」と伝えることがとても大切なのです。

「とのことです」のメールでの使い方

「とのことです。」という敬語表現は、伝言メモや口頭で伝えるだけではなく、メールで使うこともできます。取引先等から頂いた伝言をそのまま伝える時に、「とのことです。」を使うのをお勧めします。

「××の件、先方より連絡があり、5月初旬にミーティングを持ちたいとのことです。〇〇部長のご都合はいかがでしょうか。」というように、メールで先方からの伝言を伝えることもできます。「とのことです。」を使うことで、より先方から言われている内容だということを意識付けさせることができ、ここでいう部長自身の返信の重要性の温度感をあげることにもつながります。

あくまで、「とのことです。」は、伝言内容をそのまま伝えるのに使える表現ですから、メールで多用しすぎるのは注意することが必要です。第三者から言われた内容のみのメールで自分の責任がないように感じる文章が出来てしまう事があります。そのため、「とのことです。」は、一つのメールに多くても1~2つ程度に抑える方が良いでしょう。

「とのことです」を使った例文を紹介!

口頭で使用する際の例文

「とのことです。」を使って情報を口頭で伝える例文から見ていきましょう。「ニュースで株式会社〇〇と株式会社××が合併を発表したとのことです。」や、「天気予報では明日晴れるとのことです。」のようにある入手した情報を第三者に伝言するときに使うことができます。

「とのことです。」を第三者から言われた事を伝える時に使う例文を見ていきます。「〇〇さんからお電話がありました。折り返しお電話が欲しいとのことです。」や、「先ほど連絡があり、××さんが体調不良でお休みで本日の会議は延期とのことです。」のように使っていきます。第三者が不在でいないので伝言を頼まれ、その内容を伝える時に使える有効な言い回しが「とのことです。」なのです。

メモで使用する際の例文

伝言を伝える時に、口頭で伝えることができることが一番良いですが、席を外しているから伝言を頼まれるという大前提があります。そうなるとタイミングが悪く、口頭で伝言できないこともあるでしょう。そんな時に使えるのが、メモを使っての伝言です。メモでも「とのことです。」のフレーズが大活躍します。

メモで「とのことです。」が使える例文を見ていきましょう。「〇〇様 ご依頼頂きました、文房具注文の件ですが、××さんより在庫が切れているため、3月末到着予定とのことです。」や、「〇〇様 本日××様アポなしでご来社がありました。次回事前にアポの上再来社されるとのことです。」というように使います。

「とのことです」の別の敬語表現や言い換え表現とは?

「とのことです。」という使い方や例文を見てきましたが、「とのことです。」という言葉以外にも他の言葉でも「とのことです。」を示す言い換え表現があります。この章では、「とのことです。」以外の言い回しができる言い換えの表現や例文含め見ていきます。

○○との旨です

「〇〇の旨承りました」と使うように、「旨」という言葉には、内容や意味を指し示す言葉の意味を持っています。そのため、「とのことです。」の「とのこと」に当たる部分が旨と言い換えていると考えて結構です。「とのことです。」の言い換えで「との旨です。」ということができるという訳です。

文章としては同じような使い方をすることができますが、「とのこと」はただ伝言を指し示すことに対して、話の中心を分かりやすく伝えるニュアンスも含まれているのが、「旨」という言葉です。例文としては、「懇親会参加の件ですが、出席との旨です。」とメモの中で使うことが多いのが特徴です。このように、「とのことです」を言い換えした形で使えます。

「との旨です。」は、話の中心のみをまとめるという意味が込められているため、口頭では色々な情報からお伝えしてもさほど問題ではないので、中心をまとめるという意味を込める必要がないことが一般的です。そのため口頭ではあまり使いません。一方でメモでは話の中心しか伝えるしかないですから、「との旨です。」を使うのにもってこいという訳です。

○○そうです

「〇〇そうです。」は、「〇〇そうだ」という言葉を丁寧語にした言葉になります。「〇〇そうです。」は、情報を伝える時につかう言葉になります。そのため、聞いた情報を伝える時の「とのことです。」の言い換え表現として使う事ができます。

「とのことです。」と少し違うのは、会話で使うことが多いという点です。「〇〇そうです。」は第三者から聞いたことを伝聞するという役割を担います。例文としては、「××様は10分程度遅れるそうです。」や、「△△△っていうケーキ屋さんがおいしいそうです。」のように情報を伝聞する使い方をします。「とのことです。」よりも崩した言い方と言っても過言ではありません。

そのため、文章で、「〇〇そうです。」と使う時には、情報の伝達としての役割はあまり果たせないでしょう。むしろ、少し不確実性の高い情報なのではないかと誤解してしまうこともありますから、文章では、特に意識して「とのことです。」をお使い頂くことをお勧めします。

○○という次第です

「次第」という意味には事情やなりゆきといった意味の言葉になります。事情や情報を伝えることが趣旨に使う時の「とのことです。」の言い換え表現として使えます。次第には、「とのことです。」の伝言を伝えるというニュアンスは言葉の中に含まれてはいないのが特徴です。文末につけて事情を説明するのに使っていきます。

事情を説明するのに使うので、「〇時から会議ということについては認識しておりましたが、電車のダイヤの乱れで出席が遅れたという次第です。」というように使っていきます。そのため、「とのことです。」と比べると伝聞ではない内容を伝えることに使用ができるのです。
 

「みたいです」や「らしいです」はビジネスシーンにはふさわしくない

ビジネスのシーンで「とのことです。」という言葉は敬語表現としても使うことができ、大活躍します。一方で、「とのことです。」の言い換えた表現に似たような伝言を伝えることには変わりなくても、ビジネスに不向きな言葉があります。ここでは、そんな「とのことです。」以外の言葉をご紹介していきます。

大前提として、「とのことです。」という言葉の良い所は、伝聞を正確に表すという点で良い敬語表現です。ビジネスのシーンでは曖昧な言葉は好まれません。特に社外の方に対して曖昧な言葉は、責任の所在が不明確で不信感が出てしまいます。いくら丁寧な敬語表現を使っていても、曖昧は表現はビジネスの場では不向きですから「とのことです。」の言い換え表現としては使えません。

代表的に曖昧な表現で使用のお勧めができない言葉が、「みたいです。」という言葉です。「です」と丁寧語の敬語表現は使ってはいますが、「みたい」という言葉は不確実なものにたいして使う言葉になります。確実であるかは分からないけれど、伺った情報を伝言しておきますというような印象を受けます。

例をあげてみてみますと、「折り返しお電話が欲しいとのことです。」という伝言ですと、電話をした相手側は電話が欲しいということは確実であることがわかります。一方で、「折り返しお電話が欲しいみたいです。」という伝言ですと、折り返しのお電話が欲しいという確実な気持ちではない印象ですから、電話が欲しいのか情報はなく、憶測で話していると思われてしまいます。

「みたいです。」という言葉に近いですが、「らしいです。」という言葉もビジネスには向きません。相手の気持ちを憶測で伝えている印象があります。そのため、らしいですも、「とのことです。」の言い換えの言葉として使用することはできません。

例文として挙げると、「折り返しお電話が欲しいらしいです。」という文章になります。憶測でお電話が欲しそうだと考え伝言している印象や、電話が欲しいと伝えてきた人ではなく、又聞きでその伝言を受取り伝えたという印象を持ちます。そのため、伝言をする「とのことです。」とは、確実性という観点で異なっていると考えられるのです。

とのことですを過去形で使うことはある?

「とのことです。」の「とのこと」には、過去に聞いた内容を伝聞するので、過去の出来事の意味が暗に含まれています。そのため、「です。」で現在で伝えているというニュアンスを含んでいるのです。「とのことです。」自身にも色々な使いまわしがありますので、ここからは、「とのことです。」の使い方の言い回しを他にもみていきます。

「とのこと」自身に過去のニュアンスが含まれていますが、「とのことでした。」というように語尾も過去形で使わないということではありません。伝聞内容にその後変化が起きたときは、「とのことです。」ではなく、「とのことでした。」と使います。例文を見ていきましょう。

「〇〇さんへ ××様から連絡があり△△の件至急確認したいとのことでしたので、△△の件資料確認の上、返答しております。よろしくお願いいたします。」というように使います。この場合、至急確認したいという伝聞がありましたが、その後確認をして返答しています。この場合、伝聞のあとに変化がありますので「とのことです。」ではなく、「とのことでした。」が適切ということです。

「とのことでした。」の他の使い方も見てみよう その1

「とのことでした。」の他の使い方として、「とのことでしたが。」と使うこともあります。ある話を伝聞していたが、実際には、こうだったという時に使うことが多い使い方です。「とのことですが」とは少し違った使い方ができます。

例文を見てきましょう。「昨日〇〇様、13時ご来店の予定とのことでしたが、13時過ぎても〇〇様はご来店されませんでした。」というように使います。13時にご来店の予定をお客様から伝聞受けたけれど、実際にはご来店されなかった事実がありました。すべて過去の事について言っている時に使います。「とのことです」は少し現在の意味が入る違いがあります。

他の例文もみてみましょう。「××の商品の仕入れ価格の件、〇〇に問い合わせしたところ、300円とのことでしたが、数量によっては価格調整ができるとのことです。」というようにも使えます。これは仕入れ価格が300円だったという過去があり、結果安くなるかもしれない可能性を含んでいることを伝えることができる文章になっています。

「とのことでした。」の他の使い方も見てみよう その2

「とのことでしたので。」というように使うこともできます。「〇〇という話を聞いたので、××しました。」というように使う敬語表現になります。

例文としては、「〇〇様からお電話あり、本日体調不良で参加できなくなったとのことでしたので、本日のミーティングは改めて行うことにいたしました。」というように使います。伝聞があった内容から、次の行動に動いたことを指し示しています。

他の例文も見ていきます。「在庫の問い合わせをしていた部品の件ですが、現在在庫切れとのことでしたので、現在納品予定を確認しています。」と使えます。問い合わせた過去の時点では在庫は切れていたけれど、現在新しいアクションをしている状態を伝えています。ビジネスの場では使える文章ですので、覚えておきましょう。

「とのことです」の正しい使い方をマスターしよう

「とのことです。」という言葉を何気なく使っていた方も、正しい敬語表現として、そして、ビジネスで使う正しい表現として使えることがわかりました。ビジネス上で、「伝言」はよくあることです。ビジネス上、重要な伝言ですから、正しい情報を確実に伝える必要があります。そのためにも、「とのことです。」をマスターしていきましょう。

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