声が大きい人は周りにとって迷惑になったりストレスを与える恐れがあり、苦手に感じる人も多いようです。声が大きい人の性格や心理を探りながら、上手な対処法や付き合い方をご紹介します。声が大きいと自己認識されている方は、声が大きくなる原因と改善策を学びましょう。
声が大きい人の心理や性格は?
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話していて思わず眉をしかめたくなるほど大きな声で話す人がいます。声が大きい人はどんな性格や心理を持っているのでしょうか。なぜ声が大きくなってしまうのか、理由に触れながら考えていきます。
心理・性格①自分に注目してほしい
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声が大きいと、単純に他よりも目立ちます。大勢を取りまとめなければならない時や遠くの人に伝言がある時など、大きな声が必要な時は良いですが、普通の会話でも声が大きい場合はどんな心理が働いているのでしょう。
普通は必要以上に大きな声を出せば会話の内容が相手以外にも漏れるため、ちょうど良い音量を心がけるものです。会話が周囲に聞こえることも厭わず大声で話す人は、「目立ちたい」「自分に注目を集めたい」と望んでいるのかもしれません。
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それはちょうど小さな子供が母親に大きな声で話しかける心理に似ています。自分が相手に話しかけていることそのものを周囲にアピールし、自分の存在を確認しているのです。
声が大きい人すべてにその心理が該当するとは限りませんが、声が大きいのだから自信があると思われがちでも、実は自分の存在を誇示しなければならない何らかの心理的な理由を抱えている場合もありそうです。
心理・性格②自分を守ったり相手を威嚇したい
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大きな声を出す理由を動物的に捉えると、自分や縄張りの仲間を守るための牽制や、相手を威嚇し追い払う時の手段だとされています。何か要求がある時に大声で話す人は、自分の要求を受け入れて欲しいという気持ちが強く、相手を従わせようと威圧しているのかもしれません。
声が大きい人を迷惑に感じている人の中には、大きな声が苦手なこと以外に、強制力の強い話の内容がストレスの原因になっている人も多いのではないでしょうか。
心理・性格③相手や周りを考えられない
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声が大きいと「うるさい」と感じます。大きな物音を騒音と呼ぶように、うるさいことは迷惑行為だとされています。声が大きい人が周りに迷惑やストレスを与えていることに気がつけないのはなぜでしょうか。
自分が話していることに対して相手がどんな反応を示しているかがわからない人は、自分が主張したいことを発散できればそれで満足してしまい、会話をするためというよりは要求を通すために話しているのかもしれません。そういった人は、声の音量以外の面でも周囲への配慮に欠ける言動が目立つことが多いです。
心理・性格④元気を出したい時だった
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気分が落ち込んでいる時、それを周囲に悟られないように明るく振る舞う、というのは多くの人に経験のあることではないでしょうか。声が大きい人の中には、何か悩みや困りごとを抱えながら、それを相手に感じさせないパワフルな性格を演じるために元気に振舞っている人もいるでしょう。
本当に幸せに満ちていて嬉しさが溢れ出るように声が大きくなるなら周囲にも自然に映りますが、マイナスの感情を隠すために声を大きくしているのだとしたら、どこかアンバランスな印象を覚えるかもしれません。
心理・性格⑤怒りやストレスの発散
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怒りやストレスを感じたときの反応は人それぞれです。押し黙ることで周囲を拒絶する態度を取る、感情が処理しきれず涙を流す、ひとりきりになって考え込む…など様々ですが、声が大きい人の中には相手へ怒りの感情をぶつける人もいます。
そういう人は、高ぶった感情のまま大きな声で誰かを罵倒したり、「自分はこんなに苦労したが報われない」といったことを喚いて怒りやストレスを他人へ向けてしまいます。ストレスから自分の身を守るために発散しているので、怒ると周囲が見えなくなるような傷つきやすい心を持っているのかもしれません。
心理・性格⑥相手に聞こえてほしい
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自分の話していることの真意を少しでも正確に伝えたいと強く望む人の中には、力む余り声が大きくなってしまう人もいます。話を伝えたければ、本来は分かりやすい順序で話す工夫や、落ち着いて話す努力をする方が効率が良いでしょう。
しかし筋道立てて話すことが苦手であったり、焦りがちな性格を持っていたりすると、「伝わってほしい」という思いが声の大きさに現れてしまうようです。相手に伝わりやすい話し方がなかなかできないため、会話することに苦手意識を持ってしまい、余計に不器用な話し方になっている場合もあります。
声が大きい人と接する時に感じるストレスは、力頼みの話し方が原因の一つになっていることもあるのではないでしょうか。
どうして声が大きい人になる?原因とは
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声が大きい人も、何か悪気があって大きな声を出しているわけではありません。大きな声を出してしまう原因や、大きな声になってしまう理由について紹介します。
原因①元々声が通りやすい
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声の質というものは少なからず声の大きさに影響します。遠く広く響く周波数の声質を持っている人は、声が大きいと思われがちのようです。本人は普通に喋っているつもりでも、声がよく通るので遠くまで聞こえてしまいます。
また、趣味や部活などで歌を歌ったり楽器を奏でたりするために鍛錬を積んだ人の中には、腹式呼吸が身についていて自然と瞬発力のある発声になる人もいます。話したいことがはっきりしている人ほどハキハキと話す傾向があるので、声の通りやすさには性格も影響すると言えそうです。
原因②聴力が低い
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通常声の大きさは、自分や相手が発している声や周囲の音を聞きながら、その場にふさわしい音量に調節されます。声が大きい人の中には、聴力が低いため声の音量調節が苦手な人もいます。相手や周囲の声が聞こえづらいため、大きな声で話さなければ届かないと思い込んでしまいます。
また、聴力の低さだけではなく、特定の周波数の中にいると周りの音が聞こえづらくなる人もいるようです。人混みでだけ声が大きくなる人がいれば、それに該当する可能性もあります。
生まれつき聴力が弱かったり、病気によって耳が聞こえないために声が大きい場合は、無理に会話せず筆談やメールを使うなど、コミュニケーションの手段を変えることでお互いに気持ちよく付き合えるかもしれません。
原因③話し方の癖
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話し方の癖は多くの人が持っているものですが、声が大きい人の場合、話し始めが大きな声になってしまったり、語尾を強調してしまうため段々大声になってしまう人もます。
楽しい会話をしている時気分が盛り上がるにつれて周囲が見えなくなり、声の音量が上がっていくことに気がつけなくなったり、議論が白熱した時など、自分の考えを述べる声につい力が入り声が大きくなってしまう人もいるでしょう。
癖となるとなかなか改善するのが難しい場合もあり、性格が良いのに声が大きい場合は、声が大きいばかりに周囲に迷惑をかけ損をしていることもありそうです。
その他声が大きい人になる原因とは
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声が大きい人は、その人自身の性格や癖が原因となっているだけではなく、外部的な原因も持っていることもあります。性格や癖以外に声が大きくなってしまう原因にはどういったものがあるのでしょうか。
原因①周囲の環境
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人がたくさんいる場所や、音がよく響くホールのような場所、駅のホームといった常に会話以外の音がしている場所などでは、周囲の音に会話が埋もれないように相手を気遣って声を大きくするよう心がける場合もあるでしょう。
また、声が大きい人が育った環境という点では、兄弟の統率を取らなければならない長男や長女だった、クラス長や部長などの団体を取り仕切る立場を経験したことがあるなど、長期に渡って責任のある役割を任されたことが性格に影響し、時間や規律を守らなければという意識が働き、大きな声で呼びかけるように話す人もいるようです。
原因②声が大きくなる相手
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落ち込んで気分が沈んでいる様子の人や、内省的な性格のため小さな声でもごもごと話す相手に対して、声が大きい人は自分がハキハキと話すことで相手にもはっきりと話すことを促そうとすることがあります。
相手を元気づけようとする優しさによってそのように接しているので悪意はないのですが、話しかけられる方は気持ちを乱され迷惑だと感じることも多いようです。
声が大きい人への対処法と付き合い方!
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声が大きいことが迷惑だと感じていても、友人や職場、親戚といったつながりの中でどうしても関わらざるを得ない場合、付き合い方としてどんな方法が考えられるでしょうか。
ガマンして時を過ごす
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声が大きい原因についていくつかご紹介してきましたが、心理や生い立ち等その人の性格に深く関わっていることも多く、声が大きい人を変えようとしたところで根深い問題に触れてしまう可能性もあります。それは、状況を変えようとすると声の大きい人と今以上に関わらざるを得ないということでもあります。
状況は変わりませんが、声が大きいことについての不満は飲み込んでガマンして過ごすというのは最も無難な付き合い方かもしれません。
なるべく関わらない
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声が大きい人と接することがあまりにストレスになるなら、思い切ってなるべく関わらずに済む方法を考えるべきかもしれません。ストレスはその根源を解消しなければ生活のあらゆる面で影響し続けてしまいます。
「明日もあの人と会わなければならない」「また話しかけられるかもしれない」「あの人といるとイライラしてしまう」という風に、関わらなければならない状況をそのままにしておくと憂鬱な気持ちになる頻度が上っていき、その積み重ねが心や体の負担となってしまいます。
連絡手段はなるべくメールにしたり、相談できそうな人に自分の状態を打ち明けて間に立ってもらうなど、なるべく声が大きい人と関わらずに済む方法を探すと良いでしょう。
バレないように耳栓をする
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とにかく声が大きいことが気にかかって仕方ない場合、耳栓をするのも良いでしょう。耳栓の遮音の度合いには種類があり、全く外部の音を通さないものもあればうっすらと聞こえるくらいのものもあります。話しかけられる可能性があっても、うっすらと聞こえる程度の遮音であれば、耳栓を使用できそうです。
ただ、あからさまに耳栓をしていることが相手に分かてしまっては角が立ってしまうと思います。髪で耳を隠したり、耳栓の代用としてイヤホンを使用するなど工夫が要りそうです。
苦手だからと伝える
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声が大きい人とどうしても関わらざるを得ない場合や、声が大きいけれど悪い人ではないしうまく付き合っていきたいと望む場合、思い切って声のボリュームを抑えてもらいたい旨を伝えられれば理想的です。
声が大きい人を傷つけてしまったり、角の立つ伝え方をしてギクシャクしてしまうことなく伝えるにはどのようすれば良いでしょうか。
「周りに会話が聞こえてしまうのが気になるので、もう少し声を抑えてもらえたら嬉しい」「あなたとは気が合うからたくさん話をしたいのだけど、わたしは大きな声が苦手なのでボリュームを下げてもらえないか」というように、声の大きさを非難するのではなく、こうして欲しいという要求をなるべく穏やかに伝えられれば分かってもらえるかもしれません。
声が大きい人の直し方は?
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声が大きくなってしまう癖を直したいと思った時、どんなことに気をつければ良いのでしょう。考えられる原因と照らし合わせながら、声が大きい人との付き合い方や改善の方法を探っていきます。
①自分の声の大きさを知る
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直したいと思っても声が大きいことに気がついていなければ、たとえ周りから注意されても腑に落ちずムッとしてしまうかもしれません。まずは必要以上に大きい声を発していること、そしてそれが周りに迷惑をかけてしまっていることを知ることから改善は始まります。
もし周囲から声の大きさを注意する場合は、実際に大声で話している時に伝えるよりも、折り入って伝えたいことがあると前置きした上で、お互い冷静な状態で伝えるのも良い手段です。
②怒ったときはトーンダウンを心がける
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感情的になると声が大きくなってしまう癖や性格はなかなか直すのが難しいものですが、怒った時にどういう態度を取ればよいかを具体的に考えれば実践しやすそうです。
大きな声で相手に不満をぶつけたりストレスを発散するのではなく、一旦怒りの原因から離れて冷静になれる時間を設ける、思っていることを紙に書くなど、大きな声を出さずに済む方法を考えると良いかもしれません。
③場所に合わせたトーンで話す
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広い公園や人の少ない場所であれば声の大きさを気にする必要もあまりありませんが、人混みや公共機関では悪目立ちしてしまうのでやはり声の大きさは抑えたいものです。自分が落ち着いたゆったりとしたトーンで話すことで、声が大きい人にも同じような話し方を促せるかもしれません。
もしある程度気の置けない仲であれば、声が大きい人との会話を始める前に一緒に周りを見回し、この場所ではこのくらいの声で話そうと示し合せるのも効果的と言えます。
迷惑なほど声が大きい人には適切な対処をしよう!
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どう考えてもおかしいほど声が大きく、注意をしても改善しなければ、周囲や仲間を思いやる気持ちに欠けた、人付き合いに不器用な人だと判断されても仕方のないことです。
声が大き過ぎることそのものへのストレスや、話す内容や大きな態度への苦手意識で疲弊してしまう前に、自分の心と体を優先し、付き合い方を改める対処を取ることをおすすめします。