暑さが和らいで過ごしやすくなる秋の季節。ふと気が付くと、抜け毛が増えて心配になることはありませんか?
秋は1年の中でも特に抜け毛が増える時期だと言われています。しかし、季節的なものだとそのまま放っておくと、将来の薄毛につながってしまう恐れも。そうならないためにもなぜ秋に抜け毛が増えるのかを知り、しっかりとケアしていくことが大切です。
1 ヘアサイクルを知っておこう
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健康な人でも、髪は1日に約50~100本程度抜けています。毎日抜けているのに髪が完全になくならないのは、髪が抜けるだけではなく、新しい髪が生えてくるという流れがあるためです。
これをヘアサイクルと言います。抜け毛の原因を理解するためにも、まずはこのヘアサイクルについて知っておきましょう。
1-1 成長期
成長期は、髪が抜け落ちて新しい毛髪が生まれ、成長する時期です。髪が抜けると同時に、毛根の奥では毛母細胞が分裂を開始し、新しい髪を作り始めます。
髪が抜け落ちると新しい髪が生え、長く太く成長を続けていきます。一般的に男性なら2~5年、女性なら4~6年ほどこの期間が続きます。健康なヘアサイクルの人では、髪全体の90%が成長期にあたります。
1-2 退行期
毛母細胞が寿命を迎えて細胞分裂が減少し、髪の成長が止まる時期です。髪が完全に成長を止めるまでは2週間~1ヶ月程度かかり、髪全体の約1%がこの段階にあたります。
1-3 休止期
毛母細胞の分裂が停止し、髪の成長が完全にストップした状態です。成長が止まった後の髪は、頭皮表面に向けて徐々に上がっていき、抜け落ちる準備をします。
2~3ヶ月間この状態が続いた後、再び成長期に入り、新たな髪が伸びてくると同時に古い髪が抜け落ちます。髪全体の約10%がこの休止期にあたります。
2 秋に抜け毛が増える理由
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髪にはヘアサイクルがあり、一定量の抜け毛があるのはごく普通のことです。しかし、秋になると特にその量が増えたと感じる方は多いです。なにか問題があるのでは?と不安になりますよね。
しかし、この抜け毛の増量は一時的なもので、冬、春と季節が移り替わると自然と元に戻っていきます。では、なぜ秋に抜け毛が増えるのでしょうか。その理由を見ていきましょう。
2-1 換毛期のため
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周期的に秋は抜け毛が増える時期と言われています。いわゆる換毛期です。犬や猫などのペットを飼っている方はよく分かるかもしれませんが、春や秋などの季節の変わり目になると夏の毛と冬の毛が生え変わり、抜け毛が増えます。
人間は季節によって髪がごっそり生え変わることはありませんが、その名残りとして秋は毛が抜けやすいと言われています。
2-2 紫外線の影響
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紫外線を浴びて体内のさまざまな分子に吸収されると活性酸素が生じます。この活性酸素は、毛母細胞や毛包幹細胞など髪を作る組織を傷つけ、それにより活動が弱くなることで抜け毛が増えてしまいます。
秋は日差しも和らいで紫外線の量は少なくなってきます。しかし、1年の中で紫外線の量が最も多い夏にたくさんの紫外線を浴びて蓄積されたダメージが時間差で表面化してくるのです。
2-3 新陳代謝の低下
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夏の間、暑いからといってしっかり食事をとらず、アイスや素麺など冷たいものや手軽なものばかり食べていませんでしたか?
食事を疎かにしていると栄養不足になります。すると新陳代謝が低下し、髪を新しく作るための機能が十分に働かなくなってしまいます。夏の間は平気であっても、新陳代謝の低下は徐々に悪影響を及ぼし、秋には深刻化してしまうのです。
2-4 頭皮の乾燥
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頭皮の乾燥も秋に抜け毛が増える要因の1つです。
頭皮はうるおっていることで、雑菌などから皮膚を守るバリア機能を備えて健康な状態を保っています。しかし、頭皮の水分が失われて乾燥するとバリア機能が低下し、頭皮環境が悪化してしまいます。結果、抜け毛につながるのです。
エアコンは空気を乾燥させます。夏の間、エアコンの効いた部屋で過ごすことが多かった方は注意が必要です。
2-5 頭皮の汚れ
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夏はたくさん汗をかきます。その分、頭皮にほこりなどの汚れも付着しやすくなります。
頭皮の汚れはしっかりケアしていますか?頭皮に溜まった汚れを放置していると、溜まった汚れや皮脂が毛穴を塞ぎ、頭皮トラブルを引き起こして抜け毛につながってしまいます。
3 秋の抜け毛をケアする5つの方法
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秋に抜け毛が増加するのは一時的なものだとしても、やはりたくさん髪が抜けるのは気になりますよね。また、頭皮環境が悪化したまま放置しているとダメージが蓄積され、将来の薄毛につながってしまうことも。
普段は特にケアをしていないという方も秋の抜け毛対策として取り入れてみましょう。
3-1 シャンプーのやり方を見直す
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抜け毛をケアするためには頭皮を健康に保つことが大切です。まずはシャンプーのやり方を見直してみましょう。
3-1-1 正しいシャンプーのやり方
■ ブラッシング
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入浴前にはブラッシングをしましょう。髪に付着したほこりや汚れを落とすことができます。また、絡まりをほぐすことでシャンプーの泡立ちが良くなり、汚れが落ちやすくなります。
■ 予洗い
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シャンプー剤を使用する前にはお湯で頭皮と髪を洗う予洗いを行います。髪にしっかりと水分を含ませることでシャンプーが泡立ちやすくなります。サッと濡らすだけでなく、最低でも1分程度髪をすすぎましょう。
また、熱いお湯だと頭皮が乾燥する原因になります。38℃程度のぬるま湯を使用しましょう。
■ 泡でやさしく洗う
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シャンプー剤をそのまま頭に乗せてしまうと頭皮への刺激が強いです。手のひらで十分に泡立てましょう。また、爪を立て洗うと頭皮が傷つきます。泡が頭皮全体に行き渡るよう、指の腹を少しずつ動かしながらマッサージするように広げていきましょう。
髪が長い場合には、髪の毛を洗うことに集中しがちですが、毛穴をしっかり洗浄することが大切です。頭皮を洗うことを意識しましょう。
■ しっかりとすすぐ
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すすぎ残しがあると毛穴詰まりの原因となります。しっかりと丁寧にすすぎましょう。
泡を流しただけではシャンプーの成分が髪や頭皮に残っています。洗った時間の3倍程度を目安にして髪だけでなく、頭皮も丁寧にすすぎましょう。耳の後ろから襟足、生え際、耳の上は特にすすぎ残しが起こりやすい箇所ですので注意しましょう。
■ タオルドライはやさしく行う
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ガシガシと荒々しく拭くと摩擦で髪を傷めてしまいます。タオルで髪を包み込み、揉み込むようにしてやさしく拭きましょう。タオルドライを丁寧に行い、余分な水分を取り除くことでドライヤーをかける時間を短縮することができます。
■ ドライヤーでしっかり乾かす
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髪を濡れたままで放置していると水分がどんどん蒸発し、パサつきにつながります。タオルドライの後は必ずドライヤーで髪を乾かしましょう。
長時間ドライヤーの熱をあてることは髪や頭皮に負担となるので、手早く乾かすことが大切です。髪の内側、根元に風をあてると手早く効率良く乾かすことができます。
また、至近距離でドライヤーを使用すると頭皮や髪を熱しすぎてしまうので、15~20cm程度離して左右に揺らしながらかけるようにましょう。
3-1-2 抜け毛ケアにおすすめのシャンプー5選
抜け毛をケアするためには、使うシャンプーにもこだわりたいところです。
おすすめは、アミノ酸シャンプーです。アミノ酸は体や髪を構成している成分でもあり、刺激が少ないので頭皮や髪をやさしくケアすることができます。
ここでは抜け毛ケアにもおすすめのシャンプーをご紹介します。
■ haru / kurokami スカルプシャンプー
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「抜け毛」「白髪」「育毛発毛」のケアが1本でできるオールインワンシャンプーです。100%天然由来の成分を配合している頭皮にやさしいアミノ酸シャンプーで、シリコンや石油系界面活性剤、香料、着色料などの余計な添加物が配合されていません。リンスやコンディショナーが不要なので時短ケアをしたい方にもおすすめです。
販売価格:¥3,960(税込)
内容量 :400mL
※編集部調べ
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■ ハーブガーデン / さくらの森シャンプー
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100%天然由来成分を配合したノンシリコンのアミノ酸シャンプーです。7種類の南阿蘇産オーガニックハーブウォーターを使用し、頭皮や髪を健康な状態に導きます。石油系界面活性剤、合成香料、保存料、シリコン、防腐剤は一切不使用でありながら、独自処方によって高い洗浄力、安全性、泡立ち、保湿力を実現しています。
販売価格:¥2,900(税込)
内容量 :300mL
※編集部調べ
■ 凜恋 / スカルプシャンプー ミント&レモン
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頭皮へアプローチし、抜け毛悩みをケアするスカルプケアシャンプーです。髪と頭皮にやさしい、ふんわり泡立ちます。甘草、ドクダミ、ミツイシ昆布などの生薬や8種類の国産植物成分を配合し、植物の力を活かしてケアします。無添加で肌にもやさしく、安心して使用することができます。
販売価格:¥2,035(税込)
内容量 :400mL
※編集部調べ
■ ボタニスト / ボタニカルシャンプー スカルプクレンズ
出典:Amazon
アミノ酸系洗浄成分を配合し、やさしく洗い上げるスカルプケアシャンプーです。ボタニカルマイクロプロテイン、ホワイトバーチ(白樺)ウォーター、シルバーライムエキスをはじめ、5つのボタニカルエッセンスが髪の内部まで浸透補修して、植物のうるおいを髪にしっかりと届けます。シリコン、パラベン、サルフェート、合成着色料不使用の安心処方です。
販売価格:¥1,540(税込)
内容量 :490mL
※編集部調べ
■ いち髪 / ナチュラルケアセレクト モイストシャンプー
出典:Amazon
アミノ酸系洗浄成分を使用したノンシリコンシャンプーです。厳選された和草エキスなど90%以上天然由来成分を使用しています。外部ストレスに敏感な地肌や髪をいたわりケアし、毛先までうるおうまとまる髪へ導きます。合成着色料&サルフェート不使用、パッチテスト済みの安心処方です。
販売価格:¥1,045(税込)
内容量 :480mL
※編集部調べ
3-2 頭皮マッサージを行う
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マッサージで頭皮の凝りをほぐすと血行が良くなり、抜け毛を予防することができます。長時間行うと頭皮の負担になるので、5分程度を目安に取り入れましょう。
■ 血流に沿ってマッサージする
耳を包み込むように手を置き、指で円を描くようにしてマッサージします。頭皮の血行は下から上へ流れています。血流に沿って下から上へ徐々に位置を変えて行うと効果的です。
■ ツボ押し
耳からまっすぐ頭頂部に向かった線と顔から伸びた線が交差する点にある百会(ひゃくえ)というツボがあります。このツボは、血行促進やストレス緩和に効果があります。両手の中指と薬指で押して5秒程度、3回を目安に刺激しましょう。
3-3 バランスの良い食事をとる
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頭皮に十分な栄養が行き届くように1日3食バランスの取れた食事を心がけましょう。その上で、髪に良い栄養素を取り入れるのがおすすめです。
3-3-1 たんぱく質
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髪の約90%以上はケラチンというたんぱく質でできています。肉や魚、卵、大豆、乳製品などを食べ、髪を作るのに十分なたんぱく質を摂取しましょう。
3-3-2 ミネラル
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ケラチンを生成するにはミネラル分が不可欠です。牡蠣や豚レバーに多く含まれる亜鉛、まぐろやほうれん草、ひじきに多く含まれる鉄分、生姜や日本茶、シソに多く含まれるマンガンなどのミネラル分を食事に取り入れましょう。
3-3-3 ビタミンB2、B6
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ビタミンB2やB6には、細胞の代謝を促す働きがあります。また、頭皮の皮脂量をコントロールする役割もあるので、皮脂分泌をサポートして乾燥から頭皮を守ります。
納豆、ひよこ豆、アーモンド、モロヘイヤ、にんにく、ピスタチオなどに多く含まれています。
3-3-4 ビタミンC
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ビタミンCには、抗ストレスホルモンの分泌を促す働きがあります。また、亜鉛の働きをサポートしてケラチンを生成します。
ビタミンCが豊富に含まれる食材は、パイナップル、いよかん、ほうれん草、じゃがいも、はっさく、ぽんかん、キャベツなどです。
3-3-5 ビタミンE
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ビタミンEには血行を促進させる働きがあり、髪を育てるのに欠かせません。かぼちゃやサーモン、アーモンドなどに多く含まれています。
3-4 良質な睡眠をとる
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髪は寝ている間に育ちます。就寝中に成長ホルモンが分泌され、細胞が活性化されるのです。睡眠直後3時間が最も成長ホルモンの分泌が高まります。この時間に深く質の良い睡眠ができるように心がけましょう。
3-4-1 体を温める
就寝前に体を温めるとリラックスできるだけでなく、入眠しやすくなります。
■ 湯船につかる
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38℃程度のぬるま湯に5~30分ほど浸かりましょう。就寝2時間前までに入浴を済ませると、眠る頃には深部体温が下がるので入眠しやすくなります。熱いお湯だと体の負担も多く、体を覚醒させ逆効果になりますので注意しましょう。
■ ホットドリンクを飲む
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コップ1杯程度の量のホットドリンクを睡眠30分前に飲みましょう。安眠効果のあるトリプトファンやカルシウムが入っている牛乳を使ったホットミルク、カモミールやローズウッドなどリラックス効果のあるハーブティー、胃腸に負担をかけずに体を温めることができる白湯などがおすすめです。
コーヒーなどカフェインが含まれるものは脳を覚醒させる作用があるので避けましょう。
3-4-2 目や脳を休める
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ブルーライトは眠気を誘うホルモンであるメラトニンの分泌を崩し、安眠の妨げとなります。就寝2時間前からはパソコンやスマートフォンの使用を控え、目や脳を休めましょう。
3-5 適度な運動を行う
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髪に十分な栄養を運ぶためには頭皮はもちろん、全身の血行を良くする必要があります。そのためには新陳代謝と心肺機能を高めましょう。水泳ウォーキング、ジョギングなど軽~中程度の負荷を継続的にかける有酸素運動が効果的です。
しかし、急にハードな運動を取り入れると長続きしません。無理なく続けられる範囲で取り入れましょう。運動する時間をとる余裕がないという方も日常生活で歩く機会を増やしたり、階段を使うようにするなど意識してみましょう。
4 時期的な抜け毛か危険な抜け毛かの見分け方
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抜け毛は自然な現象だといっても、なかには注意が必要な場合もあります。特に秋は抜け毛が多いといっても、その量は1日200本程度で通常の2倍くらいです。いつもより3~4倍と明らかに抜ける量が多すぎたり、触るだけでどんどん抜け落ちる場合には、何らかのトラブルや病気の可能性があります。
また、根元が細くなっている抜け毛は「萎縮毛」と呼ばれ、毛根が痩せて薄毛が進行しつつあることを意味しており、髪の毛全体が薄くなる「びまん性脱毛症」の可能性があります。
さらに、抜け毛に毛根が見当たらない、すごく小さいという場合はヘアサイクルが乱れ、十分に育つ前に抜け落ちていることが考えられます。自然な抜け毛ではなく脱毛症などが原因の抜け毛である可能性があります。
このような症状が表れている場合は、なるべく早めに医療機関を受診するようにしましょう。
5 まとめ
秋は抜け毛が増える季節です。一時的なものだとしてもやっぱり気になりますよね。抜け毛のケアは特別なアイテムが必要なものではありません。日頃の生活で取り入れることができる簡単なものばかりです。抜け毛が気になったら、ぜひ取り入れて疲れた頭皮をケアしてあげましょう。