伊達マスクとは、風邪や花粉症でもないのに、常にマスクを着用していることを言います。伊達マスクを着用することで安心感を覚え、そのまま依存してしまうこともあるのです。伊達マスクに依存したくなる心理を見つめ、伊達マスク離れの為の克服法も探っていきましょう。
伊達マスクとはどんなもの?
伊達マスクとは、本来の衛生上の理由とは異なる目的で常にマスクを着用すること、またはそうのようにしてマスクを着用する人のことを言います。 伊達メガネをマスクに置き換えたものだと思えば、わかりやすいでしょう。目が悪くもないのにメガネをかけるように、マスクをする必要もないのに着用するマスクを、伊達マスクと呼びます。 「風邪でもないのに、なんでマスク?」と思う人を見たことはあるのではないでしょうか。今回は伊達マスクを着用する理由や心理に迫りながら、克服法もご紹介していきます。
伊達マスクを着用する理由は?
伊達マスクをする人には、様々な理由があります。マスクというアイテムの捉え方次第で、いろんな意味を含ませ着用しているのです。伊達マスクがどんな効果をもたらすのか、具体的な理由をみていきましょう。
理由1:あたたかい
伊達マスクを着用する理由の一つとして、あたたかいという物理的な効果が挙げられます。マスクをして、口元を覆うことで肌がや口元が保護されて、外気を避けます。そして自分の吐く息がマスクの内側にこもるので、あたたかさを感じ、更には安心を覚える効果もあります。 伊達マスクのほかにも、マフラーや深めの襟で口元まで覆う人がいますが、同じ理由が挙げられるでしょう。こういった理由で伊達マスクを着用する人は、乾燥や保湿に敏感で、夏場でも伊達マスクを着用することがあります。
理由2:個性のアピール
伊達マスクを、自分の個性と考えている人もいます。個性ということは自分の一部でもあり、自分のトレードマークともいえます。騒いで目立つのはいやだけど、どこかで自分を主張したがる人は色付きの伊達マスクをつけることもあります。 伊達マスクを自分の個性だと考える人は、中二病の考えを持っていることもあります。現実世界に馴染むことが苦手で、漫画やゲームの世界で得た感覚を、そのまま現実世界で体感している節もあります。
理由3:美化させたい
口元を伊達マスクで隠し、自分を美化させたいという理由も考えられます。口元を隠すことで、顔の中で見えるパーツは必然的に目元だけになるでしょう。そうすると、第一印象は目元で決まります。目力を発揮すれば、自分の第一印象は魅力あるものになります。 もともと、おしゃれが苦手だという人の中には、メイクやケアを研究するよりも隠してしまおうと考える人も少なくありません。単純に、今日は肌の調子が悪いから、化粧を忘れたから、という理由でも伊達マスクを着用することはあります。
理由4:ファッションアイテム
自分の外見をごまかすこととは少し違い、敢えて伊達マスクをファッションアイテムだと考える人もいます。「マスクをしている人がかっこいい」という思考のままに伊達マスクを着用するのです。これは、個性の主張とも通じるものがありますが、多くは漫画やゲームが原因でしょう。 伊達マスクをファッションだと考える人は、自分の中で一時的なブームが去れば、依存せずに外すことができるでしょう。伊達マスクを着用している間に他の要因が足されなければ、あっさりと伊達マスク離れは完了します。
理由5:安心感
伊達マスクをすることで安心感を覚えることもあります。あたたかさを感じるとともに、自分のバリアのように思い、外界からの不安を遮断している気持ちになれるのです。口元だけの薄いマスク一枚でも、その人にとっては十分な安心効果が得られます。 伊達マスクで安心を得たい人は、堂々としたバリアを張る勇気が持てません。人から不安がられていることを察知されたくない人は、伊達マスクや伊達メガネなど日常的に使えるもので安心しようとします。伊達マスクなら、「喉を傷めて」などの当然のような言い訳もできるのです。
伊達マスクに依存する心理は?
伊達マスクを着用しているうちに依存してしまい、今度は伊達マスクがなければ落ち着かなくなるということもあります。伊達マスクを着用し始める理由は、人それぞれですが、依存するまでになる心理には、どのようなものがあるのでしょうか。
心理1:コンプレックスがある
伊達マスクでコンプレックスを隠してきた人の中には、改めて素顔をさらけ出すことがいやになってしまい、そのまま伊達マスクに依存してしまいがちです。口元、鼻の形、顎、歯、輪郭、肌など、マスクで覆っている部分のコンプレックスがある人は、マスクをすることで人から見られない安心を覚えます。自分で見ることもないので、コンプレックスそのもを忘れる時間もあるでしょう。 コンプレックスは目に見えるものとは限りません。自分の声や口臭を気にする人も、伊達マスクで隠したがります。隠すことに慣れてしまえば、やはり伊達マスクがないと人前に出られなくなってしまうのです。
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心理2:壁を作りたい
人との間に壁を作りたいという心理から、伊達マスクに依存することもあります。元々はそんなつもりでマスクをしたわけではなくても、マスクが人との面倒な関りをなくしてくれた経験をすれば、そのあとも伊達マスクを壁にしたいと望むのです。 伊達マスクの真意は自分しか知らないので、周囲もマスクをしているというだけで交流を控えてくれます。そこに甘えきってしまい、無理に交流をしようとせず、伊達マスクを壁代わりにして人を遠ざけようとするのです。
心理3:喋りたくない
喋りたくないという心理は、人と関りたくないというだけでなく、言葉通りに、声を発することもいやだという意味があります。気持ちが塞いでしまっているときには、自分の殻に閉じこもりがちですが、外で過ごしているいやでも人と接しなければいけません。その時に声を出すことが億劫だと、すぐに伊達マスクに頼るでしょう。 人と関わることは平気でも、今日は喋りたくないといった人は、伊達マスクでさっさと言葉を発しないように決め込みます。場の空気を悪くしたくないという思いからも、伊達マスクを使い、その場を穏便に過ごしておこうとするのです。
心理4:自分を見せたくない
伊達マスクに依存する人の多くは、自分を見せたくないと思っているのでしょう。見せないというのは、コンプレックスを持っている肉体的パーツだけではなく、自分の内面も覗かせないようにしています。実際、伊達マスクをしていれば、にこにこしているだけで会話がなくてもその場は過ごせてしまいます。 余計なことを喋りたくない、相手を信頼していない、といった場合には余計な情報を発信しない伊達マスクに依存するでしょう。伊達マスクに依存してしまうと、自分の意見の発信の仕方がわからなくなりますが、ネット社会ですからあまり不便には感じないのかもしれません。
伊達マスクのデメリットは?
それでは、伊達マスクというものは自分の不都合や苦手意識をカバーしてくれるなどの、メリットだらけなのでしょうか。自分の目的のための伊達マスクですが、もちろんデメリットも生じます。どんなデメリットが考えられるのか、みてみましょう。
デメリット1:声がこもる
伊達マスクをすることで口元を覆ってしまっているので、当然声はこもりますよね。こもった声は相手には非常に聞きづらく、「え?」と聞き返されることもしばしばあります。会話が聞こえないということは、自分ではなく相手にストレスを与えてしまいます。 伊達マスクでこもった声は、大きめな声で話しても相手の耳に言葉として届きにくいのです。声は聞こえても、言葉として聞こえないのであれば、会話も意思疎通もスムーズに進みません。伊達マスクを外すことができなければ、話すときくらいはマスクを少し摘まんで浮かせたほうがいいでしょう。
デメリット2:コミュニケーションが上達しない
声がこもることで、意思疎通がスムーズにできないとお話しました。意思疎通ができないのであれば、コミュニケーションをとることも難しいでしょう。コミュニケーションで一番大切なのは、やはり会話です。話せばわかることも、伊達マスクのせいでわからないのなら、周りがコミュニケーションを諦める事態にもなりかねません。 伊達マスクが手放せないことを周りも当たり前に感じると、「話しても無駄」と認識されてしまいます。社会で過ごすためには、人とのコミュニケーションが必要不可欠です。コミュニケーションはきちんととっておきたいと思うのであれば、伊達マスク離れも視野にいれておいた方がいいですね。
デメリット3:敬遠されやすい
人は、人と違うことをしている人を面白がったり、ひやかしたりすることがあります。その人の伊達マスクの真意を知らなくても、面白半分で解釈して攻撃してくることもあるのです。そして、風邪でもないのにマスクをしているという事実で、敬遠されてしまいます。 自分の考えをはっきり言える人は、伊達マスクをする人のことを理解できないでしょう。伊達マスクを逃げ道や言い訳だと認識しています。なので、伊達マスクをしている人のことは「伊達マスクに逃げる卑怯者」と感じてしまい、関りを避けようとする傾向にあります。
伊達マスクに依存しすぎを克服する方法は?
伊達マスクに依存している人は、このまま伊達マスクをつけたままの人生なのでしょうか。伊達マスクを着用している本人が「伊達マスクをやめたい」と思うのは、問題点を解決した、または解決する気持ちになっているときです。中途半端にならずに、依存している伊達マスクから離れることができるように、克服する方法を知っておきましょう。
克服法1:外す時間を増やす
伊達マスクをはずすために、まずは外す時間を少しずつ増やしてみましょう。最初に、外す時間をしっかり決めて、その時間を厳守するつもりではずします。外してみて「もう少し頑張れそう」と思っても、最初のうちは決めた時間通りにしたほうがいいでしょう。知らずのうちに無理をして、後からくる反動を防止するためです。 時間が決められない人は、コンビニに行くときは外す、電車の中でははずすなど、条件を決めていくのもいいですね。もちろん、自分で決めた条件は徹底して守るようにします。外す時間に慣れて、目標を達成して次の目標に繋げる努力を大切にしましょう。
克服法2:知らない場所で練習する
外す時間を増やしたくても、自分の日常では外す勇気が持てない人もいます。時間や条件を決めても、実際に守れないこともあります。そんなときは、一度自分の非日常の場所に出向いてみましょう。要は自分のことを知っている人がいない場所にいくのです。 伊達マスクをする人は、人の視線に敏感です。自分の見知った人となると、そこに感情も混ざってきます。人の感情こそ、言葉にしなくても伝わってきて、マイナスに捉えるとどんどん視線が怖くなってしまいます。あなたのことを知っている人がいない環境で、伊達マスク離れの練習は効果的です。
克服法3:自分に自信を持つ
伊達マスクの依存から抜け出すためにも、自分に自信を持つことがもっとも大切でしょう。自分の内面も外見も、自信がないから伊達マスクに身代わりになってもらっているのです。自信をもてば、伊達マスクに身代わりになってもらう必要はありませんよね。 自分に自信を持つこともそうですが、伊達マスクを外すという行動にも自信をもちましょう。「今日は昨日より5分長くマスクを外していられた」と自信をもつことで、マスクが不必要に感じることができるようになります。
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伊達マスクはあなたの魅力までも隠してしまう!
伊達マスクで、自分の過ごしやすい人生を送れていると思えば、それは一時的なものです。そのままで一生過ごしていけるかというと、そうではありませんよね。自分の一部、またはすべてを伊達マスクで隠していかなければいけないことを、憂鬱に思うでしょう。 伊達マスクはあなたの長所や魅力までも隠してしまいます。自分では長所だと思っていなくても、人からすれば大きな魅力なら、それが隠れてしまってはもったいありません。伊達マスクで楽に過ごしているはずが、間接的にでも自分を苦しめていることも知っておきましょう。 どうにか伊達マスクを外したいと思ったら、その時が絶好のタイミングです。自分がなぜ伊達マスクをしているのか、しっかり原因を見つめて、それを克服する方法を考えてみましょう。その時に、今回の記事や他の伊達マスクを克服した人の情報を参考にするのもいいですね。