どこへ行っても、苦手な人はいると思います。できることなら好きな人とだけ一緒にいたいものですが、そうもいかないのが人間関係の難しいところですね。ここでは、職場や学校で出会う苦手な人との付き合い方について、ご紹介しています。
学校や職場など、いろんな場面で「苦手な人だなあ…」と感じる人に出会うことがあると思います。仲のいい人とだけ、接することができたら、どんなに楽でしょうか。でも、そうもいかないのが人生です。苦手な人とも、上手に付き合っていかなければいけません。 今回は、苦手な人にふりまわされず、上手に付き合っていくための方法を12個、厳選しています。できるだけストレスをためることなく、うまくやりすごすことで、余計な苦しみから解放されようではありませんか。 苦手な人との関係を改善する方法についても、あわせてご紹介しています。参考にしてみてください。
苦手な人ってどんな人?8つの特徴・あるある
では、「苦手な人」とは、具体的にどんな人を指すのか調べてみました。多くの人が苦手な人と感じるのは、これらの特徴を持った人です。
特徴1:いつも不機嫌
特に何があったわけでもないのに、いつも不機嫌をふりまいている人って、いますよね。不機嫌な人のそばにいると、「もしかして怒らせてしまった?」とビクビクして、ふりまわされることも多いですね。 不機嫌な人は、ネガティブな態度をとることによって、周りを自分の思い通りに動かそうとします。一緒にいると心が消耗してしまうので、不機嫌な性格を苦手と思う人は多いと思います。また、急に怒り出すタイプの人も、苦手な人と思われることが多いでしょう。
特徴2:押しが強い
すぐに仕切ろうとしたり、威圧的な態度をとる押しが強いタイプも、苦手な人は多いようです。自分に都合がいいようにどんどん話を進めてしまい、反論を許さないので、付き合っていて悔しい思いをすることも多いですね。 仕事の上司や先輩が押しの強い人だったときには、仕事をおしつけられたり、一見アドバイスのように見えて実は命令…などを次々受けて、心が疲弊してしまうことも多いでしょう。
特徴3:イヤミ・悪口が多い
人のうわさ話や、悪口ばかり言う人も、苦手な人と思われることが多いようです。本人のいないところでいつも陰口を言う人を見ると、「うん」とうなずいていいものかどうか迷います。また、自分も同じように陰口をたたかれているのではないかと、不安になります。 なにより、負の感情に満ちた言葉ばかり聞いていると気が滅入ってしまいます。 なぜかいつも皮肉やイヤミで返してくる人と付き合うのも、つらいものです。たとえば「そんなこともできないの?」という風に。イヤミや悪口を言う人は、自分がどれほど周りの人を嫌な気分にさせているか、気づいていないことも多く、悪気がありません。
人の悪口ばかり言う人の心理とは?特徴と末路・対処法・付き合い方を解説
特徴4:否定ばかりする
こちらが会話をしている時に、「いや」「でも」と、まず否定から入る人も、苦手な人あるあるです。こちらが否定されたような気になってつらいですし、話の腰を折られて会話を続ける気力がなくなってしまうこともあるでしょう。 否定ばかりする人も、特に悪気があるわけではなく、口癖のように言っている場合もあります。でも、自分の方がいつも正しいという態度をされると、イラっとして「苦手な人だなあ」と感じますよね。
特徴5:空気を読まない
その場の雰囲気を察するのが下手で、相手の立場にたって考えられない人も、苦手な人扱いされることが多いようです。相手が忙しそうにしていようが、平気で「これ、やっといて」と言ってしまうようなタイプですね。 自分勝手に見えますし、こちらの都合はおかまいなしなので、一緒にいると心を乱されてしまいます。苦手な人だと感じてしまうのも、仕方がありません。
特徴6:理屈っぽい
細かいところまでこだわり、正論ばかり言う理屈っぽいタイプも、苦手な人は多いようです。自分が納得しなければ気が済まず、臨機応変にできないので、一緒にいる人は疲れてしまいます。 基本的に、自分が正しいと思っており、人の話を聞かないので、付き合うのが非常に難しい相手です。理屈っぽい人も、悪気があるわけではありません。強く注意すれば態度を改めてくれることもあります…が、気の優しい人は何も言えず、ガマンばかりすることが多いです。
特徴7:気分屋
言うことがコロコロ変わり、言動に一貫性が無い人も、苦手な人として嫌われやすいでしょう。自分の気分次第で、やる気になったり、力を抜いたりするので、付き合いづらい相手です。 特に、仕事を一緒にする相手の場合は、ふりまわされることになります。先輩や上司だった場合は、気分次第で違う意見を出されるので、苦しむことにもなりかねません。興味がない態度を見せたり、適当な返事をするので「責任感のない人」ととられることもあります。
特徴8:人によって態度を変える
誰しも、相手によって多少態度は変わってしまうものです。気が弱そうな人には強気で発言してしまうのに、怖そうな人には何も言えなかったりなど…。ただ、態度があからさまに違う人と接すると、いやな気分になります。 目上の人に対しては丁寧で親切にふるまうのに、そうでない人には横柄で不愛想だったり、性別で態度がころっと変わるのを見ると、「苦手な人」だと思いたくなりますね。
苦手な人にふりまわされない付き合い方12選
それでは、苦手な人にふりまわされず、穏やかにやりすごすためには、どんな態度でのぞめばよいのでしょうか。ここでは、苦手な人と付き合う方法を12個、ご紹介しています。苦手な人と一緒にいることでいつもストレスを感じるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
付き合い方1:とにかく距離をとる
最も簡単な方法は、とにかく苦手な人から距離をあける、ということです。クラスメイトとして、あるいは会社の仲間として必要最小限の対応だけして、あとはできるだけ離れましょう。 会話は極力短くする、共通点は持たないなど、接触する時間を短くして、心の安息をはかることです。接する時間が短くなれば、その分苦しむ時間は減ります。 また、直接接することがなくても、共通の友人がいるといやでも相手の情報が伝わってくることもあります。とにかく共通の知人・友人を作らないように心がけましょう。
付き合い方2:目的に集中する
苦手な人が気になって仕方がない、という方は、「今何のためにここにいるのか」を意識することも大切です。あなたは今、何の目的でここにいますか?苦手な人と仲良くするためですか?そうではありません。仕事や勉強など、何らかの目的を果たすためです。 ですから、苦手な人のことは忘れて、自分の目の前にある作業に集中することを考えましょう。頭を冷やして、感情的にならないことです。自分の頭の中にある感情のスイッチを、パチンとOFFにするイメージで、目の前のやるべきことだけに意識を向けましょう。
付き合い方3:自分の感情を認める
「嫌いになってはいけない」と思い続けるのは、つらいことです。ネガティブな感情は、押さえつけようとすればするほど、膨らんでいきます。おさえたり、否定したりせず、「私は○○さんが苦手だ」という気持ちを、認めてあげてください。 誰にでも苦手な人は存在します。苦手な人がいてもいいし、嫌われてもかまわないのです。「苦手だ」「嫌い」「許せない」という自分の感情を認めると、不思議なくらいに気持ちはスッと落ち着きます。苦手な人のことを冷静に観察できる余裕も出てくるはずです。
付き合い方4:味方を増やす
苦手な人を気にすることをやめたいと思うなら、自分の味方を増やすことを考えてみましょう。自分を応援してくれる人や、気の合う人を増やせば、苦手な人のことは目に入らなくなります。 味方を増やすためには、こまめに周りの人に話しかけること、そしていつも親切にふるまうことを意識してください。気にかけてもらえれば嬉しいものですし、助けてもらった人は、次の機会にあなたの手助けをしてくれるはずです。
付き合い方5:自分の内面を磨く
誰かを「苦手だ」と感じるのは、自分の心が影響していることもあります。たとえば、自分に自信がなく卑屈になっている時には、相手のちょっとした言動で必要以上に落ち込んでしまったりします。苦手な人を作らないためには、自己肯定感を高めることが大切です。 自分のできない点ばかりフォーカスして自信をなくすのはやめましょう。ノート等に、自分の長所を書き出してみるのもいいでしょう。日本人は謙虚な国民性であるせいか、自分の至らない点を口にするのがクセになっています。 自分にはこんないいところがある、このままで大丈夫と思うことができれば、苦手な人のことはさほど気にならなくなるでしょう。
付き合い方6:ポジティブにとらえる
自己肯定感と同じく大切なのが、ものごとをポジティブに考えることです。誰かからカチンとくる一言を言われた時に、私たちはつい全否定されたと思いがちです。でも、「たまたま相手が機嫌が悪かったのかも」「悪気は無いんだろうな」と思うだけで、とらえ方は変わります。 ポジティブな思考は、もともとの性格というよりも、考え方のクセです。ポジティブになるためのコツは、「ちょっとバカになってみること」です。相手の言動を深読みしないで、もっと単純に解釈してみましょう。
ポジティブシンキングになる方法!名言やNGポジティブシンキングも紹介
付き合い方7:自然体で接する
苦手な人に対しても、挨拶をする、など最低限のマナーは守らなくてはいけません。嫌いだからといって、相手の意見を何でもかんでも否定することは、避けなくてはなりません。好き嫌いを基準に判断せず、あくまでも自然体に、フェアでいましょう。 もし相手がひどい態度をとったとしても、同じ態度でやり返すことはやめてください。少なくとも、周りの人はあなたの公平な態度に好感を持ってくれるはずです。
付き合い方8:反面教師にする
苦手な人というのは、「自分なら絶対にしないこと」をしてくれる、ある意味貴重な存在ともいえます。いっそのこと、反面教師だと考え、割り切ってしまいましょう。 自分がしないことをする人は、根本的な考え方が違っていたりします。なぜそう考えるのか、なぜそんな態度をとるのかじっくり観察するのもいいかもしれません。苦手な人を見て、自分は同じことはしない、と思うと気が楽になります。
付き合い方9:自分の趣味に没頭する
苦手な人と付き合うことで、どうしてもストレスはたまりがちになります。苦手な人を忘れるには、自分の楽しみを見つけ、それに没頭することもいい手段になるでしょう。 気の合う仲間と会話を楽しむ、美味しいものを食べるなど、自分なりの発散方法を見つけて、積極的に息抜きをしましょう。すでに夢中になれる趣味を持っている人なら、思いっきり好きなことを楽しみましょう。
付き合い方10:受け流す
嫌なことを言われたり、カチンとくることがあったとき、さらりと受け流すのもいいでしょう。「なんでそんなことを言われないといけないんだ!」と反発すると、こちらが苦しくなります。苦手な人とは、同じ土俵に立たないようにしましょう。 苦手な人に腹が立ったときにも、笑顔で「そうなんですよ~」と肯定してしまいましょう。相手は拍子抜けして、態度を変えるかもしれません。ムキにならず、余裕のある態度をとることで、自信にもつながります。
付き合い方11:神目線で見る
当事者として見るから、腹が立つのです。苦手な人に接するときには、神様になったつもりで、上から目線で相手を見てみましょう。 「不安だからあんなことを言うんだな、かわいそうに」「あの性格では、みんなから嫌われてしまうなあ、大変だなあ」と憐みの感情すら湧いてくるでしょう。客観的な視点を持つことで、怒りの感情はやわらぎます。
付き合い方12:自分の人生を生きる
苦手な人にふりまわされ、つらい思いをしていることでしょう。苦手な人がいない場所でも、あまりに憎らしくて、その人のことばかり考えてしまいますね。しかしこれでは、自分の大切な人生まで、苦手な人に支配されてしまっています。 「時は金なり」といいます。自分の時間は、かけがえのない宝物です。宝物を奪われてしまうわけにはいきません。自分の人生は、好きなことや大切なものにこそ使うべきです。苦手な人のことでやきもきして、大切な時間を浪費することのないようにしましょう。 人生の主役は自分自身であり、ほかの人に支配されたり、ましてや苦手な人に奪われるべきものではありません。自分の人生を生きる、という気持ちを忘れないでください。
苦手な人との関係を改善したいときのポイント6つ
苦手な人をなくすために、一番理想的な方法は「苦手な人と仲良くなること」です。できることなら、苦手な人との関係がよくなった方がいいですね。苦手な人から逃げるのではなく、向き合いたいと考える人に向けて、関係改善のためのポイントを6つあげてみました。
ポイント1:苦手な人の長所をさがす
苦手な人の悪い点ばかり目についてしまう人は、長所をさがすことに努力をしてみましょう。欠点だけを持つ人間はいません。どんな人にも必ず、いい点があるはずです。 長所を見つけることができない、という人は、まず嫌だと思う短所について考えてみましょう。短所と長所はコインの裏表のようなもので、見方を変えるだけで長所にも変わります。 自分勝手→意志が強い人、うわさ好き→情報通、自慢ばかり→自信があって堂々としている、など目線を変えてみましょう。悪い点が目につくと、ついそちらにばかり目がいってしまい、先入観を持ってしまいます。頭を柔らかくして、苦手な人の長所にも目を向けましょう。
ポイント2:感情的にならない
誰かを「苦手な人だ」と感じるには、きっかけがあったはずです。もしかすると、1つの出来事だけを見て、「この人は意地悪な人だ」と決めつけていなかったでしょうか。一度苦手だと感じると、その人のすべてが嫌になってしまうものです。 嫌だという感情は、暴走します。妄想が膨らみすぎて、実物よりもひどい人と思い込んでいないかどうか、考えてみてください。自分にも非がなかったか、ふりかえってみるのもいいでしょう。
ポイント3:嫌いなところを具体的にする
なぜその人が、自分にとって苦手な人になってしまったのか、冷静に考えてみることも大切です。人格そのものを否定するのではなく、どこが苦手なのか具体的に洗い出してみましょう。 「ネガティブなところが嫌い→でも、仕事は真面目だなあ…」「強引に話を進めてくる→でも、周りの人に親切なところもある」という風に、気になる点にのみ集中すると、いいところも見えてきます。その人自体に嫌悪感を抱くことはなくなるでしょう。
ポイント4:違いを認める
誰もが、自分の価値観が正しいと信じています。自分の価値観から外れた人を見ると「間違っている」「治してほしい」と思いがちです。ですが、自分と全く同じ考えを持っている人は存在しません。親しい家族や恋人であっても同じことです。 世間にはいろんな価値観が存在します。自分が正義だと思っていることが、必ずしも相手にとっても正義というわけではないことを、理解しておく必要があります。考え方の違いにイライラするのではなく、「そんな考えの人もいるのか」と広い心を持つことが大切です。
ポイント5:相手も苦しんでいることを知る
必要以上に攻撃する人や、見下す人、悪口を言わずにいられない人など、苦手な人が困った行動を起こすのは、なぜでしょうか。それは、「劣等感からくる恐れ」があるからです。自分が他人よりも劣っていると感じ、他者をおとしめて自分の価値をあげようと必死なのです。 苦手な人=彼らには、自己肯定感が低い、承認欲求が強いなどの共通点があります。強がってみせていても、内面は不安だらけで苦しんでいるということです。小さな子犬がキャンキャン吠えている姿だと思えば、怒りの感情も和らぐのではありませんか?
ポイント6:相手の大切な人のことを想像する
私たちが「苦手な人」だと感じる人にも、大切な家族が存在します。自分にとってはわずらわしい人間だとしても、家族にとっては、かけがえのない人なのです。 苦手な人が憎らしく思えたときには、彼らの後ろにいるはずの、家族や友人に思いをはせてみましょう。苦手な人も、その人なりに精一杯生きている、そう思うことで苦手感情は緩和されるかもしれません。
苦手な人への対応でやってはいけないNG行為3つ
苦手な人への対処法についてご紹介しましたが、最後に、絶対にやってはいけないNG行為についてもお伝えしておきましょう。いくら苦手な人だからといって、自分がされたらいやだと感じることは、絶対にしてはいけません。
NG行為1:みんなで無視する
自分が苦手だと感じる人は、ほかの人にとっても苦手な人である可能性は高いといえます。だからといって、示し合わせて無視をする、などのいじめにつながるような行為をするのはNGです。 組織の中でいじめがはじまってしまった場合、事態はこれだけでは終わらないこともあります。ターゲットが次々と変わりいじめが続くなど、負の連鎖が起こりかねません。しないように、またほかの人が始めても加担しないでください。
NG行為2:悪口を言いふらす
苦手な人の悪口を言いふらすことも、絶対にやめましょう。その場の雰囲気が悪くなりますし、いっときは苦手な人の悪口で盛り上がったとしても、「人の悪口を吹聴していい雰囲気」ができあがってしまいます。 また、悪口が本人の耳に入ってしまった場合、深刻なトラブルを起こすことになるかもしれません。苦手な人に対しては、極力無関心でいることが大切です。あえて火種をおこすようなことはしてはいけません。
NG行為3:嫌がらせをする
苦手な人に対して、所持品をかくしたり、ウソを教えたりするなどの、嫌がらせをするのもやめましょう。(したくなる気持ちは分かります) 嫌な気分にさせて、その場はすっきりするかもしれません。でも、子供じみた行為をして後で恥ずかしくなるのは自分です。ましてや、嫌がらせをしている姿を周りの人に見られてしまったら、自分への評価をいちじるしく下げてしまいます。
嫌ってはいけないと思い込まないで!
パナソニックの創業者、松下幸之助氏は、「人間関係は2:6:2の関係である」と語りました。世間はあなたを嫌いな2割の人、どうでもいい6割の人、あなたを好きな2割の人で構成されていて、ほとんどの人は嫌いな2割の人を意識しすぎて、自分らしさが出せていません。 世の中の全員に好かれることは不可能です。キリストやブッダなど、神と呼ばれる人たちでさえ、一部の人には憎まれていたのです。そして、すべての人を好きになることも難しいことです。 「苦手な人だけど、存在していい。私も、存在していい」と割り切りましょう。