「煽る」とは風をおこしたり、人を焚きつけたりすることをいいます。特に人が人を煽るという行為は日常でよく目にします。では「人を煽る」とはどのようなことをいうのでしょうか?煽る人の特徴や性格、自分が煽られた時にすべき対処法を考えていきましょう。
人を煽る迷惑な人にイライラ!
友人や会社の同僚、親類、ご近所関係など、なにかと人を煽ってくるような言動を繰り返す「煽る人」はいませんか?不用意に煽られると嫌な気持ちになりますし、そういう人とのお付き合いは避けたくなりますよね。 でも、なかには避けたくても避けられない関係性で困ってしまうことも多いはず。 そんなときにどうしたらいいのか、今回は煽る人の見つけ方、煽る人の特徴や、煽る人への対処法をご紹介していきます。
煽るの意味とは?
「煽る」とは人を刺激して行動を起こさせることをいいます。この時に、相手が自分の思い通りの行動を起こすように仕向けることもあります。 また、うちわなどで風を起こし、火の勢いを強めることを言います。 それでは、「煽る」の意味を一緒に探っていきましょう。
煽るの読み方
「煽る」とは「あおる」と読みます。 難しい漢字なので、漢字よりもひらがなで目にすることが多いかもしれませんね。
煽るの使い方・例文
よく使われるのは「怒りを煽る」という文章です。これは相手が怒りを感じているときに、さらに火に油を注ぐようなことを言ったりしたりすることを表します。 他にも、必要以上に他人を怖がらせることを「恐怖を煽る」といった表現をします。
煽るの類語
煽るの類語に「挑発」があります。実際にはほとんど同じ意味で使われていますが、それぞれ少し意味が違ってきます。 「挑発」は相手の気分を興奮させるという意味では同じです。しかし「挑発」は何もない状態から相手を一気に意図した気分にさせます。 「煽る」は小さな火をうちわで風をおこして大きくさせる。「挑発」は火をおこす。このようなイメージでいるとわかりやすいと思います。
煽るの英語表現
「煽る」は英語で「fan」や「incite」と訳されます。 「fan」は風で何かを煽られたり、うちわを煽いで風をおこしたりするときに使います。 「incite」は相手を刺激したり、そそのかしたりするときに使う言葉です。 日本語では「煽る」の1つの言葉で複数の意味を持ちますが、英語だと意味ごとに単語を使い分けなければいけません。
煽る人の特徴・あるある
「煽る」の意味や使い方について見てきましたが、「煽る人」とはどんな人なのでしょうか?不必要に煽られたら気分が悪いものです。 ときには周りが悪乗りをしてしまうこともあります。 では煽る人の特徴を紹介していきます。あなたの周りで当てはまる人はいませんか?
特徴1:落ち着きがない
煽りをする人は行動に落ち着きがありません。常に変化や刺激的なことを求めているので、ゆっくりとした穏やかな時間を過ごすことができません。 貧乏ゆすりが多かったり、頻繁に時計を確認したりします。会話をしていても誰かの話をじっと聞き続けるのには苦痛を感じてしまいます。 また、何かをしていても1つのことに集中できず、あちこちに気が向いてしまいます。
特徴2:場を盛り上げようとする
よく煽る行動をとる人は、テンションが高いことが多いです。そのため場が盛り上がっていることを好みます。これは周りから見て、良い時と悪い時があります。 ミーティングやディスカッションをした際に、意見が出なくて困った経験はありませんか?参加者の発言が少ないと、ミーティングやディスカッションも活気が出ません。そんなとき煽る特徴の人がいると、積極的に発言したりして有意義な時間作りに貢献してくれます。 一方で飲み会などお酒の場で煽る行為をされると、途端に迷惑行為になってしまいます。煽る人にとっては、「場を盛り上げたい」という根本的な心理は一緒なのです。そのため、お酒を飲まないといけないような雰囲気に煽ることもあります。
特徴3:競争心を煽る
負けず嫌いな人は煽る人である可能性が高いです。負けず嫌いということはつまり、自分が相手より優れていないと我慢できないのです。 自分は相手より優れているということを見せつけないと気が済みません。自分の優秀さをアピールするために相手の競争心を煽るのです。 あなたに対してやたらと煽る人がいたら、それはあなたを見下しているのかもしれません。
特徴4:ネットで煽る
ネットの掲示板やSNSのコメント欄を見ていると、ときどきひどく相手を煽るような発言をしている人を見かけます。また、オンラインゲームを楽しんでいると、プレイヤー同士でチャット形式のコミュニケーションをとることもあります。 これらの時、やたらとこちらを煽る発言をしてくる人っていますよね。このような人たちは日常生活よりも、特にネット上で煽る行為をはたらきます。 ネット上で煽る行為をする人は、普段はおとなしい人と思われていることが多いです。しかしおとなしそうな人にだってストレスは溜まります。インターネットという匿名性の高い場所で自分以外の誰かをターゲットにし、ストレス発散しているのです。
特徴5:嫉妬心を煽る
彼氏や彼女がやたらと元カノや元カレの話題をだしてくることはありませんか?じつはそれも煽る人の特徴です。 あなたにとって恋愛のライバルにあたる相手をほのめかすことで、あなたの嫉妬心を煽っているのです。嫉妬心を煽るというのはあなたに好意をもっている証拠です。それと同時に深い執着心も持っています。 深すぎる執着心はあなたの行動を制限したり、あなたのことを自分が管理したいという屈折した想いに変わっていくこともあります。恋愛をしていると周りが見えなくて盲目になりがちですが、そういった煽る人とのお付き合いは、一度冷静になって考え直してみてください。
特徴6:他の車を煽る
近年社会問題になっている「煽り運転」。名前の通り、走行中に他の車を煽ることをいいます。この煽り運転が原因で死亡事故に発展することもあります。 あなたが普段から車を運転するなら、運転中に他の車から煽る行為を受けた経験はあるかと思います。事故には繋がらなくても、煽る行為は珍しくありません。
「ハンドルを持つと人が変わる」とは昔からよくいわれている表現です。普段は穏やかな人が運転をすると、運転中に口が悪くなったり、舌打ちをしたりします。そしてそういう人は運転が荒っぽいです。 このような人は煽る人の要素を含んでいます。普段は内に秘めて他の人からは隠している部分が出てきてしまっています。
煽る人に多い性格
では次に、煽る人はどのような性格の人が多いのでしょうか。
性格1:気が強い
常に自信に満ちあふれていて負けん気が強い気の強い人は、煽る人になりがちです。他者が違う意見を言ってもそれを聞き入れず、決して自分の意見は曲げません。自分が正しいことを示すために、相手を口で言い負かそうとします。 気が強く、簡単に流されないというのは素敵なことですが、限度というのがありますね。煽る人はこの限度を見極められないことが多いです。
性格2:自己中心的
煽る人は自己中心的な人が多いです。どんな場合においても自分が1番であることを当然のことと考えています。そのため、自分中心で物事が進まないことには腹立たしささえ感じてしまいます。 自分のミスを指摘されたりすると途端に不機嫌になったり、自分の価値観やマイルールを当然のごとく相手に押しつけてきます。そしてそれを非常識とは認識していません。だって、自分中心であることが「当然のこと」だからです。
煽る人になる心理的原因
ではどうして煽る人になってしまうのでしょうか。煽る人になる心理的要因を解説していきます。
心理的原因1:競争に負けたくない
常に誰かと競い合って、自分が優位に立ちたいと思っています。負けたら自分が劣っていることを認めなければならないからです。 そもそもなぜ煽るかというと、自分がカーストの上位にいることを他人にしらしめるために煽るのです。それなのに自分が負けたら本末転倒です。 煽る行為は、なにがなんでも負けたくない!という強い気持ちから生み出された行動なのです。自分の方が成功していると実感したくて、他人の成功を妬んでしまいます。
心理的原因2:物事に満たされていない
自分が満たされていないと感じている人は、充足感を得るために他人を煽ります。煽る相手はおもに自分より劣っていると認識している相手になります。 自分が認めてもらいたい相手に認めてもらえない、相手にしてもらえないなどのマイナスの感情が他人を煽ることに繋がるのです。認めてもらいたい相手と言うのは、親や恋人、パートナーなどが多いです。 そうすると煽る相手として選ばれるのは、友人や後輩、部下などにあたります。ときには、昔親に認めてもらえなかった気持ちがくすぶり続け、自分の子供に煽る行為を向けてしまうこともあります。
心理的原因3:不安を抱いている
不安を抱いていてその不安を自分一人で抱えきれなくなった時、他人の不安を煽ることで巻き込もうとします。同じ不安を抱える仲間ができれば、不安なのは自分だけじゃないと安心感を得ることができるからです。 一方で相手が不安な気持ちを抱えているとき、その不安を無責任に煽ることもあります。自分が不安な時には一緒に不安を抱えてほしかったのに、自分の不安が解消されると相手が不安がる様子を見て面白がります。 自分が煽ることで不安が増す様子をみて、ストレス解消までしているのです。
煽ってくる人の対処法
では、煽ってくる人にはどのように対処したらいいのでしょうか。対処の方法をご紹介します。
対処法1:平常心を保ち冷静に対処する
煽る行為を自分にぶつけられた場合、まずは冷静になりましょう。冷静になるよう努めないと、ついつい相手の煽りに乗ってしまいます。そうすると煽る人の思惑どおりです。 あなたを煽ることに成功したら「この人は煽るとすぐにのってくる」と思われ、次回以降も煽る行為のターゲットになりやすくなります。煽られているなと感じたらすぐに反応を返すのではなく、一呼吸置いてみましょう。 ぽんぽんと反応をすぐ返してしまいがちですが、あえて言葉を飲み込んで軽く深呼吸してみてください。そうすると相手が自分に対して煽る行為をしていることに気がつくことができます。 煽る行為に気がつければ、不思議と平常心が保てて冷静な切り返しができるようになります。
対処法2:相手にしない
煽る人はあえて相手にしないようにしましょう。自分の意識から外すようにしておきましょう。特に人は自分に近しい存在に煽る行為をされると、冷静ではいられなくなります。 なので煽る行為をする人とは親しい人間関係を築かないでいれば、あなたの心の平穏は保たれます。もし親しい関係の人が煽る人であった場合、「また私を煽るのか」くらい気楽に受け流せるようにしておくといいでしょう。
煽る行為をされてムキになってしまうのは親しい人だけでもありません。いわゆるあなたのライバルにあたる相手もそうです。ライバル関係なら何かと煽る行為を向けてくることは多いでしょう。 ライバル関係の相手が煽る行為をよくしてくるなら、その相手をライバルから格下げしてしまいましょう。お互いを高め合う本当によいライバル関係を築ける相手ならば、わざわざ煽る行為を仕掛けてくることはありません。 煽る行為を仕掛けてくるなんて、その程度の実力の人なんだなとあなたの認識も変えてしまいましょう。
対処法3:自分に自信をもつ
煽る行為にまんまとハマってしまうのなら、それはあなたが自分自身に自信がないせいかもしれません。煽る人もあなたが自分に自信がないことを見抜いているから、わざわざあなたに煽る行為を向けてくるのです。 また、自信がない人は情報の真偽を自分で判断することもできません。そのため物事を自分で決断することができなくて、他者に決断をゆだねてしまうのです。 まずは自分で自分を認めてあげましょう。自分のことを好きになってあげると、自然と自分に自信が持てるようになります。
煽る人との付き合い方とは?
煽る人に関して、さまざまな角度から解説をしてきました。あなたの身近に思いあたる煽る人はいましたか?世の中にはたくさんの人がいるので、そんな相手とも上手くつきあっていく必要がありますね。 大切なのはあなたが煽られたときに適切な対処ができるかどうか。まんまと煽りに乗ってしまい、煽りを助長しないことです。 また、意識していないうちにあなたが誰かを煽ってしまっていることはありませんか?「人の振り見て我が振り直せ」とはよくいったものです。他者の言動を見て、自分に置き換えてみましょう。そして良くないところは直しましょう。 自分の行いを見返し正すというのは、恥ずかしいし勇気のいることです。しかしそれができれば、あなたはいま以上に素敵な人になることができますよ。