子どものころに友人から、ちんちくりんなどと馬鹿にされて悔しい思いをしたことはないでしょうか。
もちろん、人を馬鹿にする行為は褒められたものではありませんが、そもそもちんちくりんとはどういう意味で使われているのでしょうか。
今回はちんちくりんの言葉の意味と、ちんちくりんと言われる人の特徴を事例多めで紹介していきます。
ちんちくりんとは?
意味
「ちんりくりん」には二つの意味があります。
ひとつめは身長が低いことを意味します。
この場合に「ちんちくりん」はたいていの場合において、他人の身長が低いことを馬鹿にするときに使われます。
身体的特徴を揶揄する表現ですから、現代では使ってはいけない表現です。
可愛らしい言葉の響きですので、それほどの悪意がなかったとしてもうっかり口をついて出てきそうな言葉ですが、どのようにその言葉を受け取られるのか分からないですから、むやみやたらとこの言葉を使うのは控えた方が良いでしょう。
そして二つ目の意味は、衣服などのサイズが身体にあっていないという意味です。
この場合の「ちんちくりん」には侮蔑的な意味はなく、客観的に衣服が身体にあっていないということを言い表しているだけです。
しかし、ひとつ目のような侮蔑的な意味もある言葉ですから、不用意に口に出さない方が良いことは同じです。
ちなみに、ちんちくりんと言って衣服のサイズがあっていないことを差す場合には、衣類が身体にたいして小さいことを意味することが多いです。
類語
類語で挙げられる代表的なものは「つんつるてん」です。
これは衣類のサイズが身体にたいして小さすぎることを差す言葉であり、身長の低さを揶揄するような意味は含まれません。
したがって、誰かの衣服が小さいことを指摘したいのであれば身体的特徴を揶揄するちんちくりんではなく、つんつるてんと表現しておけば問題ないでしょう。
一億総中流家庭と呼ばれる時代を経た現代では、このように小さすぎる衣服に身を包んだ人をみかけることは少なくなりました。
しかし、戦後間もない時期の貧しい家庭が多かった時代では、身長がどんどん伸びていく子供たちは、その成長の度に衣服を買い与えられることも難しく、つんつるてんの衣類を着ていたことが普通でした。
方言
「ちんちくりん」が特定の地域の方言であるという証拠はないのが現状ですが、愛媛県や広島県などの中国地方では方言として伝わっているようです。
しかし、全国でこの言葉を知らない人が少ないくらいに浸透していますので、現代ではちんちくりんは方言ではないと考えて良いでしょう。
とはいえ、特別に言語を研究しているというわけでもなければ、やはり侮蔑的表現であるこの言葉はあまり使わないでいたほうが無難でしょう。
由来
由来ははっきりとしていません。
のちほど説明しますが、漢字では「珍竹林」とも書かれます。
背丈が低かったり、衣服が身体にあっていなかったりという様子を珍妙な姿ととらえて「珍」という漢字が使われることは分かりますが、その後に続く竹林については、特別にその姿を竹林に重ねているというわけでもありません。
おそらく単純に当て字をしただけだろうというのが一般的な解釈です。
使い方
「そこのちんちくりんが君の探しているこどもだ」や「すっかり成長してもう服もちんちくりんだね」のように使われます。
はじめの例は侮蔑的な表現ですし、続いての例文は衣類のサイズを客観的に指摘している例文です。
漢字や英語
漢字では「珍竹林」とも書かれますが一般的ではありません。
さきほど説明したように単純な当て字であるというのが一般的な解釈です。
英語では背が小さいことを差して「little」と訳されます。
英語では侮蔑的な意味は鳴りを潜めますが、「little」には子供っぽいという意味もありますので、大人に向かって「little」と使われるときには失礼な表現と言えます。
また、衣類の丈が短いという意味では「short」と訳されます。
シンプルに「短い」という意味です。
より詳しく表現するならば「your clothes are too short for your body」とでもなるでしょうか。
ちんちくりんと言われる人の特徴
では、ちんちくりんな人にはどのような特徴があるのでしょう。
ちんちくりんな人には、以下の特徴があります。
- 小さい
- 弱い
- 虚勢をはる
- 不自然
- かわいらしい
- 童顔
- 華奢
- 身の丈に合っていない
- 落ち着きがない
- 鈍重
続いて、それぞれの特徴を詳しくみていきます。
ちんちくりんな人の特徴①: 小さい
「ちんちくりん」は背の低い人を揶揄する言葉ですから、とうぜんにちんちくりんな人は背が小さいです。
繰り返しになりますが、他人の身体的特徴を悪口の対象にすることは許される事ではありません。
悪意があろうとなかろうと、言葉は口に出した瞬間から力を持ちます。
自分が力の強い立場であればあるほどその影響力は強くなります。
不用意に誰かを傷つけるような可能性のある言葉を使わないように注意しましょう。
ちんちくりんな人の特徴②: 弱い
ちんちくりんな人は身体が小さいですから、力も弱いことが多いです。
そのように身体が小さいことから力の弱さを甘くみられるために、悪口の対象とされることが多かったのでしょう。
弱い人にたいしてだけ強く出る、または侮蔑の言葉を投げかけるという行為はとても品のない下劣なことです。
むしろ弱い対象には慈しみをもって接するべきでしょう。
ちんちくりんな人の特徴③: 虚勢を張る
ちんちくりんな人は、自分が小さくて弱い存在だとみられやすいことを承知しています。
それだからこそ、自分をなめてかかると痛い目にあわせるぞという牽制の意味を込めて虚勢を張る傾向にあります。
それはなにも虚栄心や悪意からくるものではありません。
周囲が軽んじることが多いからこその自衛の手段です。
小さくか弱い人が虚勢を張っているのをみたのならば、きっとその人の周囲には心無い発言をするような人がたくさんいたのだと理解して、適切な配慮をもって接するようにしましょう。
ちんちくりんな人の特徴④: 不自然
小さな身体に似合わぬ虚勢を張っている姿は、ちんちくりんのもうひとつの意味である身の丈にあっていない衣服を着ている姿にたとえられます。
そのような見た目と内心の不一致は、やはり周囲の目には不自然なものに映ります。
もし、あなたが心無い人に囲まれていたせいで虚勢を張っているのであれば、一度周囲の人たちを観察してみてはいかがでしょうか。
もしかしたら、あなたのことを軽んじるような人は一人もいないかもしれません。
そうであるならば、虚勢を張るのをやめて自然体で周囲の人と接することで、あなたも周りの人も穏やかな気持ちで日々を過ごせるようになるのではないでしょうか。
ちんちくりんな人の特徴⑤: かわいらしい
背が低く小さいということは可愛いということでもあります。
小動物のような小さい生き物にたいしては人は可愛らしいと感じる傾向があります。
小さく弱い対象とみなされることは心地よいものではありませんが、その特徴にたいして侮蔑的な態度ではなく可愛らしく守ってあげたいという善意を向けてくるのであれば、あえてそれに抵抗せずとも甘んじて善意を受け入れるというのも賢い考え方かもしれません。
ちんちくりんな人の特徴⑥: 童顔
一概に言えることではないのですが、背が小さいということは他人よりも成長が少しばかり遅いということもあります。
そのような場合には、成長速度が人より遅いため、身長だけではなく顔つきも幼いままでいることが多いでしょう。
そのような幼い顔つき、つまり童顔はやはり他人から軽んじられることもありますし、庇護の対象として可愛がられることもあります。
そのいずれかになるかは周りの人次第とも言えますが、あなた自身の立ち振る舞いも影響してきます。
他人の身体的特徴を揶揄することは許されませんが、自分自身の特徴は受け入れるしかありません。
それをどのように利用していくのか、どう折り合いをつけて生きてゆくのかというのは一つの大きな課題でしょう。
ちんちくりんな人の特徴⑦: 華奢
身体が小さいからといって体重も軽いというわけでは、必ずしもありませんが、ちんちくりんと呼ばれる人はやせ形で華奢な傾向があります。
この特徴もやはり軽んじられる原因となりますが、一方で守ってあげたい対象とも思われやすい特徴です。
弱い自分を認めることができないので身体を鍛えるというのも一つの方法ですし、あえてその特徴を活かしてコミュニケーションを有利に進めるということもできます。
配られたカードをどのように使っていくのかという戦略が人生では重要になります。
ちんちくりんな人の特徴⑧: 身の丈に合っていない
これはちんちくりんの二つ目の意味そのものです。
ただし、先ほど説明したように憶病な内面を守るために虚勢を張る姿もやはり身の丈にあっていないという意味でのちんちくりんでもあります。
また、その人個人の性質ではなく、周りの環境や偶然などによって身の丈に合っていない地位や名誉を与えられた人も、やはり不自然な印象があってちんちくりんと称されることになってしまうでしょう。
ちんちくりんな人の特徴⑨: 落ち着きがない
こちらについては必ずしもちんちくりんな人が持っている特性とは言い切れないのですが、やはり体が小さく気が弱い人はどうしても落ち着きがなくなってしまいます。
いつも何かにおびえて周囲の事をきょろきょろと気にしている落ち着きのない様子は、かえって軽んじられる原因にもなりかねません。
虚勢を張れとまでは言いませんが、ある程度はひらきなおって堂々としていたほうが意外と舐められないものです。
ちんちくりんな人の特徴⑩: 鈍重
落ち着きがないのとは真逆になりますが、ちんちくりんと呼ばれる人の中にはその動きや反応が鈍重な場合もあります。
反応が薄く、動きも鈍いその様子からは有能な雰囲気は微塵も感じられません。
そうして、無能と判断されてしまうと、それは軽んじられる原因となってしまいます。
落ち着きなくちょこまかと動くのもまた問題ですが、あまりにも周囲の環境に無関心でいるというのも考え物です。
なにごともバランスが大切です。
常に適切なバランスを保つというのも大変ですが、たまに意識的に気を付けるだけでも周囲の反応は変わってくることでしょう。
ちんちくりんと言われないようにするには?
他人をちんちくりんと呼ぶような人とは積極的に距離をおくべきですが、それでも付き合いを続けなければいけないのであれば、ちんちくりんと呼ばれないような対策が必要です。
背が低いという身体的特徴はどうしようもありませんが、心理的なものは自分の努力で変えることができます。
まずは、自分が周囲に怯えていないか、そしてその怯えをもとに虚勢を張ってしまっていないかを確認しましょう。
そして、背が低い事実など存在しないかのうように、誰とでも対等に自然に接するようにしていれば、誰からもちんちくりんなどと揶揄されることはなくなるでしょう。
ちんちくりんとは?意味や由来、ちんちくりんな人の特徴!のまとめ
ちんちくりんとは、背が低いこと、または衣類のサイズが小さすぎることを意味します。
ちんちくりんは衣類のサイズが合っていないことを客観的に示す以外に、身体的特徴を揶揄する意味のある言葉ですから、その使用は控えるべきです。
ちんちくりんな人は背が低いことが原因で様々な良くない特徴を持ってしまうこともありますが、気の持ちようでそのような事実は無視することができます。
気を強く持ち、自然体で生活していきましょう。