慎みの心とはどんな心だと思いますか。慎みの心はとても大切なものとされています。どうして、慎みの心が大切なのかを理解して、あなたも慎み深い人になりましょう。ここでは、慎み深い人になるために、慎み深い人の特徴もご紹介します。
慎みの意味とは?慎み深い人ってどんな人?
慎みという言葉には3つの意味があります。まず1つ目の意味は、控えめに振る舞うこと、謙虚でいることです。2つ目の意味は、江戸時代の士分の者に科した、家にとじこめ、外部との接触を禁じた刑罰の一種のことです。今で言う謹慎のことです。3つ目は、一定の期間中、ある種類の日常的な行為をひかえて、穢れを避ける物忌みの意味にです。 慎み深い人とは、他人を大切に思い、大きな愛情を持って相手と接することの出来る人のことです。
慎みの使い方・例文
控えめな態度や謙虚な態度を表すときには、慎みのある態度というように使います。 また、日本には「お慎みの日」と呼ばれる日があり、沖縄終戦記念日の6月23日、広島原爆投下日の8月6日、長崎原爆投下日の8月9日、終戦記念日の8月15日です。これらの日には、天皇皇后両陛下が犠牲者に黙祷を捧げ、犠牲者のことを考えられ、外出などは控えられるそうです。
慎みの類語
慎みの類語には、謙虚、謙遜、遠慮という語が挙げられ、控えめな様子の言葉が使われます。同じ読みをし、ほぼ同じ意味の「謹み」という言葉がありますが、「つつしんで」という形で使うときには使い方が異なります。 「謹んで」は「かしこまる」、「礼を尽くす」、「おごそかな態度で振る舞う」という意味で、相手への敬意や感謝の気持ちを表すときに使います。お礼やおめでたい場合だけでなく、謝罪やお悔やみなどの場合に相手に対して使います。「謹んでお慶び申し上げます」とは、相手に対するおめでたい気持ちを敬意を払って伝えるときに使います。 一方、「慎んで」は「抑制する」「控えめにする」「叱られないよう注意深く行動する」という意味で、自分自身について使います。 「慎んで」は行動や言動を控えるときなど、自分または相手を律する必要がある場合になります。 「軽率な行動を慎みます」とは、自分が軽率な行動をとらないように注意するというときに使います。
慎み深い人の特徴・性格
慎みという言葉の意味がわかったところで、慎み深い人というのは、どんなイメージが沸きますか。では、これから慎み深い人の特徴や性格をみていきましょう。
いつも落ち着いている
慎み深い人は、常に落ち着いていています。それは、どんな時も、一つ一つの動作を丁寧に行うように意識しているからです。 そして、慎み深い人の言葉遣いはとても丁寧で綺麗です。言葉遣いの丁寧さで、常に相手を敬う気持ちを忘れずに、相手と接していることが相手にも伝わります。このような、人との接し方が大人の落ち着いた雰囲気を醸し出しているのです。 また、慎み深い人は、自分の感情をしっかりとコントロールできる人なので、感情的になることがありません。一つ一つの事柄に対して、一喜一憂することなく、いつでも穏やかなので、その様子がとても落ち着いた印象を与えます。
自分の考えや意見をしっかり持っている
慎み深い人は、とても頭がいい人です。周りを良く見ていて、自分の立ち位置をしっかりと理解しています。だから、むやみやたらに自分を主張して前に出たりすることはありません。 しかし、慎み深い人が、自分の考えや意見を持っていないということではありません。しっかりと周りの状況を見極め、場に応じた対応をすることができるのが、慎み深い人の特徴です。言わなければいけない時は、しっかりと自分の意見や考えを伝えます。 ただし、そのときは、相手を批判したりすることはなく、穏やかに感情的にならずにゆったりとした姿勢で伝えるのが慎み深い人の特徴です。
他人と比べない
慎み深い人は、自分と他人を比べることをしません。他人と比べることは意味のないことだということをよくわかっているのです。自分と他人を比べてしまうと、自分の劣っている部分に落ち込んでしまったり、他人を妬む心やひがむ心を生んでしまいます。 妬みやひがみは、決して自分を成長させるものではありません。相手を陥れたり、相手の失敗を望んだり、喜んだりする負の感情を引き寄せます。そんな感情に振り回されるよりも、誰かと比べるのではなく、自分自身を見つめて自分が成長することのほうが大切だと思っているのです。
身なりがきっちりしている
慎み深い人は、清潔感があり、派手ではないTPOに応じた服装を心がけています。アクセサリーや時計などの装飾品も身に付けますが、落ち着いたシンプルな、品がある装いをしています。 また、慎み深い人は、背筋が伸びていて、いつ見てもピシッとしています。姿勢が良く、きっちりとした服装をしている慎み深い人を見ていると、見ている方の気持ちまで清々しくなってきます。
聞き上手
慎み深い人は、相手の話を聞くことを大切にします。慎み深い人は、積極的に自分の話をすることもありません。もちろん、聞かれたら嫌がることなく、丁寧に話をしてくれます。 慎み深い人は、自分のことを話をするのが嫌なのではなく、自分の話を「聞いて聞いて」とアピールすることがないのです。慎み深い人は、相手の「話をしたい」、「話を聞いてほしい」という気持ちを尊重しているからです。
縁の下の力持ち
慎み深い人は、自分が前に出て周りをひっぱるというタイプではなく、一歩引いて、人のサポートをするタイプです。慎み深い人に、頼み事をしても嫌な顔一つせずに引き受けてくれます。 慎み深い人には頭のいい人が多く、細やかなことにまで気を回せるのでとても頼りになる存在です。慎み深い人は、さりげない気遣いができ、その気遣いは押し付けがましくないので、思いやりの気持ちを感じることができます。
慎みの心が大切にされる理由
慎みの心があるからこそ、相手を大切に思い、相手の事を尊重することができます。人の心を大切にすることは、自分自身を大切にすることに繋がっています。優しさに溢れた人は、たくさんの優しさを受け取ることができます。 慎みの心を持つことは、自分自身の生活を豊かなものにします。自分が、謙虚な気持ちを持つと、人を敬うことができるようになり、感謝の心を持って生活を送ることができるようになります。 このような生活のほうが、人の悪いところを見たり、嫌なことばかりに目が行ってしまうより、幸せな気持ちで毎日を送ることができると思いませんか。
慎みの心を持つと、心にゆとりを持って生活を送ることができます。心にゆとりを持つと、他人に優しくなれます。人を認めることができます。他人に優しくなれたり、他人を認めることができる人は、人からも優しくしてもらえますし、人に認めてもらうことができます。 イライラしたり、我慢したり、無理をすることがなくなり、ストレスを感じない、穏やかな日々を過ごすことができるようになります。つまり、心も身体も健康に過ごすことができるのです。
慎みの心が欠けた人ばかりになるとどうなってしまうでしょうか。不平や不満が増え、人を見下したり、人を陥れたり、こんな社会で生きていたら息苦しくて死んでしまいそうになりますよね。人が慎みの心を忘れてしまったら、信頼関係を築くことはできなくなります。 相手を思う気持ちや相手を尊重する心を持つから、人は助け合って一緒に生きていけるのです。その根本が慎みの心です。慎みの心は、人が、社会で生きていく上で忘れてはいけない心なのです。
また、能ある鷹は爪を隠すということわざがありますが、慎しみの心を持って謙虚にでしゃばらずにいるからこそ、その能力が高く評価され、前へ前へ出ない謙虚な人柄が大きな信頼へと繋がるのです。 慎みの心は、人の行動や発言に大きな影響を及ぼします。慎みの心を持つだけで、相手の見え方が変わります。それは、あなた自身の成長にも繋がっています。慎みの心を持ち、たくさんの事に感謝して生活を送ることが、新しい発見や新しい道へと続いていくのです。
日本人は慎みを重んじる
日本には「包む」文化があり、包むことで、中のものが美しく大切なものであることを相手に伝えます。風呂敷や袱紗(ふくさ)が使われるのもこのような理由です。 このような文化が日本にあるのは、日本人が、自分をアピールしたり、自分の感情を表に出したりしない、控えめで、軽はずみな言動をしない、謙虚な姿勢が美徳だと考えているからです。 日本人は、相手を敬う気持ちを持って相手に接することを大切にするので、慎みを重んじるのです。
慎みの心を持つ方法
慎み深い人は、大人の雰囲気を持った魅力的な人だと思ったのではないですか。あなたもそんな素敵な人になりたいですよね。そのためには、慎みの心を持つことが重要です。それでは、これから、慎みの心を持つ方法をご紹介します。
身だしなみを整える
まずは、身だしなみを整えるという形から入ってみましょう。あなたは、普段、TPOに合った服装をしていますか。個性を大切にし、自分の好みの服装をすることは決して悪いことではありません。 しかし、慎みの心を持ちたいのであれば、自分の好みを封印して、品のある清楚な服装をしてみてください。和装をしてみるのもいい方法かもしれません。普段とは違う、清楚な装いをすると、自然と心にも変化が出て、所作が美しくなります。 身だしなみを整えたら、姿勢を正して、視線を上げてください。身だしなみが整っていて、姿勢や所作が美しい、すべて揃うことで全身から落ち着いた大人の雰囲気を作り出すことができます。落ち着いた大人の雰囲気が、あなたの慎みの心を育てていきます。
言葉遣いに気を配る
慎み深い人の言葉はいつも綺麗です。丁寧な言葉を使い、ゆっくりと落ち着いて相手と会話をします。慎み深い人の口からは、悪口や人を蔑む言葉は出てくることはありません。 慎み深い人は、相手に不快な気持ちを与えないように、しっかりと言葉を選んでいます。言葉は使い方を間違えると、相手に誤解を与えてしまう可能性があることをよく知っているからです。 話をするときに、思ったことをすぐに発するのではなく、一度、伝えたいことを頭の中で整理をするようにしましょう。そして、伝える時には、普段よりもゆっくりと落ち着いて伝えることを心がけて見てください。
人の良いところに目を向ける
慎みの心を持つためには、相手を敬うことが大切です。相手を敬う気持ちを持つことで、自然と自分の相手に対する接し方が変わってきます。しかし、誰に対しても敬いの気持ちを持つことはなかなかの難題です。世の中には、自分が好意を持つ人ばかりではないですよね。 自分が苦手と感じたり、嫌悪感を抱くいてしまうと、どうしてもその人の悪いところにばかりが気になってきます。自分が苦手と思っている気持ちや嫌悪感は、隠しているつもりでも些細な言動に表れてしまうものなのです。 その人に対する見方を、一旦、変えてみましょう。その人の良いところを見つけてください。誰にでも、どこか1つは必ず良いところがあるはずなのです。たった1つ見つけられれば、その人への気持ちを変えることができます。人の良いところを認めることが、慎む心を育んでいきます。
助け合う心と感謝の気持ちを忘れない
ささいなことであっても、相手に対する感謝の気持ちを大切にしましょう。そして、その気持ちは、ちゃんと言葉にして相手に伝えることが大切です。言葉で相手に伝えないと伝わらないことがあります。 ほんのささいなことでも、ちゃんと相手に「ありがとう」と伝えられるのは、相手を気遣っているというからできることなのです。そして、その感謝の気持ちは忘れてはいけません。 人は、みんなで助け合って生きているのです。助けてもらうこともあれば、自分が誰かの助けになるときもあります。誰かの助けができるのは、とても素晴らしいことなのです。 助け合うことがとても素晴らしいことだと理解することで、人に対して、寛容で大らかに接することができます。相手を助けることができ、誰かに助けてもらえるという関係にも感謝の気持ちを持つことが大切です。
慎み深い魅力的な人になりましょう
いかがだったでしょうか。慎み深い人がとても魅力的な人だと思ったのではないでしょうか。慎みの心を持っている人は、とても心が美しい人です。そんな人になれたら、今、見ている世界がもっと素敵に見えるはずです。 あなたも慎みの心を持って、魅力的な素敵な人になってください。