開き直ると聞いて、どんな印象を持ちますか?開き直りを使う人は、悪いことをしたのに反省しないような悪い印象をお持ちでしょうか?でも開き直るということは、時に気持ちを楽にする技にもなります。開き直りをうまく使って、暮らしを少し楽にしてみませんか?
開き直れることは強さなの?弱さなの?
悪いことをしたのに開き直っている人を見ると、自分の問題から逃げて弱い人だな…と感じると思います。逆に、悪いことをしてしまったのに、堂々としていてすごいなと感じるときもあると思います。 また、悩んだときに「もう開き直っちゃえばいいじゃない」とアドバイスされることもあると思います。それは弱い気がして嫌だと思うときと、そんな強くはあれないと思うときがあると思います。開き直りには二通りあることをご存知でしょうか? 今回は、開き直りとはいったいどういうことか、そして開き直りの上手な使い方を紹介します。上手に開き直りを使って、すっきりした気持ちで毎日を過ごしましょう。
そもそも開き直るの意味とは?
開き直るとは、急に正面切った(強気の)態度になることを言います。「居直る」というのも同じような意味として使われます。つまり言われたことに対して認めた上で「だからどうだっていうの?」と強気に出ることを開き直ると言います。
すぐ開き直る人の特徴・性格
何か指摘されると、すぐに開き直る人っていますよね。そういうすぐに開き直る人の特徴や性格はどういったものなのでしょうか?
面倒くさがり
すぐに開き直る人は、面倒くさがりの人が多いです。何か言われたことに対して、言い訳をしたり相手が納得してくれるように説得を続けたり。そういった作業を面倒くさいと感じるときに、開き直ります。 身の潔白をなんとしても証明したいとか、絶対にわかってもらいたいという気持ちが強い人は開き直りはしません。そういう時は、時間がかかっても頑張って言い訳や説得を続けることでしょう。開き直る人というのは、そういったことが面倒くさいのです。
感情的
すぐ開き直る人は、感情的という特徴を持っている人もいます。何かを言われたことに対して、感情的に反応をしやすいのです。感情的になってしまうと、相手の意見に対して理路整然と説明をすることが難しくなります。 例えば浮気を指摘されたとき。冷静な人は上手に嘘をついたり、浮気していないと証明できることを淡々と述べます。すぐに開き直る人は、感情的になってしまい、うまい説明が浮かばなくなり、手っ取り早く開き直りを使うのです。
後先考えない
すぐ開き直る人の特徴として、後先考えないというのもあります。開き直っている人は、開き直った後どうなるかは、ほとんど考えていません。とにかく今出す手が他にないから開き直っているのです。 逆に物事を深く考える人は、開き直るのが苦手です。色々考えてしまうと、開き直ることで生じるデメリットが見えやすくなります。また、その時に周りがどう思うのかなど余計なことがどんどん頭を占めてきます。 デメリットよりもメリットが大きかったとしても、デメリットが見えると開き直りにくくなるものです。すぐ開き直る人は、デメリットが見える前に開き直っているのです。
不安になりにくい
不安になりにくいのも、すぐに開き直る人の特徴です。今指摘されたことを認めてしまったら、いったいどう思われるのだろうか。そういった不安を、すぐに開き直る人は、あまり感じません。そういったことは、特に問題にしていないのです。 つまり、すぐに開き直る人は、周りの目をあまり気にしない性格ということです。すぐに開き直る人は、「誰がどう思おうと、自分は自分だ」と常に自信をもって生きている人なのです。
堂々としている
すぐに開き直る人は、ある意味でとても堂々としています。自分自身によくない点があったとしても、堂々としています。人間は完ぺきではありません。ミスすることもありますし、性格もいい面があれば悪い面もあります。 すぐに開き直る人は、そういった悪い部分を持っていても、それを卑下したり隠そうとしたりしません。「あなたの言うとおりだけど、だからなんだっていうの?」と、とりあえずは意見を受け止めて投げ返してきています。
ポジティブ
すぐ開き直る人は割とポジティブな人が多いです。「別にいいじゃない」と、軽く色々な物事を受け流すことが得意な人が多いのが特徴です。あまり深く考え込んだり、クヨクヨと悩んだりすることがありません。 深く悩むことがそもそも出来にくいため、すぐに開き直ってしまうという側面もあります。つまり思慮深く考えることができないため、どのように返答するのかを考えたり、深く傷ついて悩んだりということが難しいのです。だからすぐに「開き直り」という方法を出してしまうのです。
開き直るときの心理とは?
では開き直るとき、どのような心理がはたらいているのでしょうか?
自分を不安から守りたい
人間は、相手に痛いところを突かれると、不安になります。不安になったときの反応はそれぞれですが、開き直りを使って解消することもできます。開き直る人は、自分を不安から守ろうとしています。 開き直りとは、相手からの攻撃を、相手に跳ね返す行動です。「あなたの言ってることは確かにそうだけど、だから何?」と自分に向かった攻撃を、瞬時に相手に向け直しています。そうすることで不安な気持ちを跳ね返そうとしているのです。 相手を責めようとしたのに、開き直られると責めにくくなりませんか?例えば「浮気してるでしょ!?」と謝ってほしくて詰め寄ったとします。相手が「したけど、だから何?」と言ってきたら、困りませんか?少し後の言葉に詰まりますね。 このように、開き直るときは、「自分を不安から守りたい」という心理がはたらいているのです。
メンタルが強い
開き直る人は、ある意味メンタルが強い人が多いです。なぜかというと、開き直ると相手が怒る可能性もあるからです。相手が怒っても別に気にしない、そういうメンタルの持ち主が多いのです。 また開き直った時点で、とても気持ち的にはスッキリしています。もう悪い点があったことは認めてしまっているので、特に言い訳を考えたり相手の機嫌をうかがったりする必要もないからです。 そもそもメンタルが強い人が使いがちな技ではありますが、使うことによって、さらにメンタルが強くなるという心理的効果もあるのです。
自信がある
開き直る人は、自分に自信があります。別に悪いところがあっても構わない、気にしないというスタンスです。またそれで相手が自分から離れていってしまうとも思っていません。自分は魅力があり、価値のある人間であると自覚しているのです。 少し傲慢な感じもしますが、自分が価値のある人間であることを自覚していることは、少なからず必要なことです。開き直る人は、その自覚ができているので、開き直ることが可能なのです。 よく芸能人の浮気の会見で、開き直っている人を見ますね。笑いに変えてしまう人もいます。それは自分に自信があるからこそできるのです。浮気というレッテルがあっても自分の魅力が落ちないことを、ちゃんと知っているのです。
どうでもよくなった
開き直りをするということは、張りつめていた糸が切れたような状態になったということです。「もう別にいいや」「気にしないでおこう」「どうでもいいか」と力の抜けた状態であるということです。 言い訳を考えたり、説得したり、平謝りしたりするのは、まだなんとかしようとあがいている状態です。開き直りは、それに疲れてしまったということです。開き直っている人は、前のめりの姿勢から、脱力したような姿勢に変化します。姿勢でも「どうでもいい」を示すのです。 つまり開き直りとは、「どうでもいいや」という一種あきらめの心理状態に入ったということです。ここで無理にしがみついても仕方がないと感じたからこそ、開き直ることができているのです。
攻撃し返したい
開き直りをする人の中には、攻撃し返したいという心理が働いて開き直っている人もいます。そういう人は「だったら何?」と開き直った後で相手を攻撃してきます。それは、指摘をされたことで傷つき、怒りの感情を持ったからです。 怒りの感情のやりどころを相手に向けるために開き直りを使っています。こういう攻撃的な開き直りが、世の中の「開き直り」へのイメージを作っています。
気持ちを切り替えたい
開き直るとき、気持ちを切り替えようとする心理がはたらいています。開き直るときは、「クヨクヨしていても仕方がない。もう少し先のほうを見てみよう」と足元だけではなく一歩先を見ようとする行為になるのです。 例えば、相手がいないときも、開き直りは使えます。 自分の見た目がどうしても嫌でたまらない時に「開き直る」ことで気持ちがうまく切り替わります。「別にかっこよくなくてもいいや。別のところを磨こう」というように、開き直ることで、別の部分に目を向けようとすることも可能なのです。
開き直ることの6つのメリット
では開き直ることで、どんなメリットがあるのでしょうか?
気持ちが落ち着く
人から指摘をされたときというのは、少なからず動揺します。でも開き直ることで、その動揺した気持ちが一気に落ち着くというメリットがあります。先ほども言った通り、姿勢も脱力するくらい体全体の力が抜けるのです。 体に入っている力の状態と気持ちは連動します。相手になんとか弁解をしようとしているときは、肩に力が入ると思います。でも開き直って、「そうだよね」と受け入れると力が抜けます。そうすることで気持ちが落ち着いていくのです。
メンタルが強くなる
メンタルが強い人というのは、自分の悪い部分も受け入れています。そのため別に誰かから何か指摘されても、それほど強い動揺は起こりません。開き直りをするということは、自分の悪い部分も受け入れるということです。 つまり、開き直る術を持つことで、少しずつメンタルが強くなります。人から指摘されるたびに、クヨクヨしたり落ち込んだりすることが減っていくというメリットがあるのです。
余計なことを言わなくて済む
開き直ると、余計なことを言わなくて済むのもメリットのひとつです。言い訳をしようとしたり、なんとか取り繕うとすると、人は余計な言葉をどんどん重ねてしまいます。人は言葉数が増えるほど、いらないことを言ってしまうのです。 例えば、「あなたって空気読めないよね」と言われたとします。開き直らないと、自分がいかに空気が読めるのかを必死にアピールしますよね。でも必死に話をしていると、「ほらそういうところだよ」とさらに指摘されるということが起こります。 でも開き直るとどうでしょうか。そこを取り繕う必要もなく、言い訳する必要もなく、クヨクヨする必要もない。「まあそうかもね」の一言で済んでしまうのです。余計なことを言う必要がなくなるのです。
それ以上傷つけられにくい
開き直るということは、それ以上の傷つきを防ぐというメリットがあります。誰かに指摘されたときに、開き直ると、相手はそれ以上は指摘しても仕方ないと感じます。 例えば、「あなたってこういうところあるよね」と指摘されたときに「ほんとそうだね」と開き直る。すると、相手はそれ以上指摘を続ける必要がなくなってしまうのです。 一方、開き直らずに「いやいやそんなことはないよ」と返すと、「でも、こういうところもあるよね」と、さらに追い打ちをかけられます。つまり、開き直ることで、それ以上傷つけられないというメリットがあるのです。
引きずらない
開き直ることで、長くクヨクヨと引きずらないというメリットもあります。開き直ってしまうと、その場のことで終えることができるのです。それは一度自分で指摘されたことを受け入れているからです。 人は、自分で受け入れていることに対しては、悩んだり落ち込んだりしません。受け入れにくいことに対して、クヨクヨ長く悩んでしまうのです。開き直ることで、自分の気持ちにけりをつけてしまっているのです。
視野が広がる
開き直ることで、視野が広がるというメリットがあります。それは、クヨクヨしている状態から、開き直ることで一歩前に出るからです。視野が広がると、物事が上手に動きますし、自分自身をグレードアップすることもできます。 例えば、「モテない」とクヨクヨしているよりも、「モテるタイプではないな。じゃあモテる仕事につこう」と考えることができます。このように、開き直ると次のステップにすすめるというメリットがあるのです。
良い開き直りと悪い開き直りの違い
開き直りには二通りあると言いました。傍目には同じように見える開き直りですが、実は良い開き直りと悪い開き直りがあるのです。その違いはいったいどこなのでしょうか? 一番の違いは「そうだよね」と認めた後の言葉です。良い開き直りは「まあ仕方ないよね」「そういうこともあるよね」「悪い癖だよね」など相手を責める言葉はつけません。一方、悪い開き直りは「だからなんだっていうの?」と相手を責める言葉を最後につけます。 開き直ることに悪いイメージがつきがちなのは、後者の相手を責める言葉をつけての開き直りのほうが印象に残りやすいからです。実際は良い開き直りを使っている人がたくさんいます。
また良い開き直りをする人は基本的にモテます。なぜかというと、指摘した時に笑顔で受け入れてくれるからです。「こういうところダメだよね」「ほんとだね、あはは」と笑って返してくれます。良い開き直りをする人は、他者にいい印象を与えます。 でも悪い開き直りをする人は、モテない人が多いです。何かを指摘すると、「自分は悪くない」と言わんばかりに指摘した人を攻撃してしまうからです。そうなると、とてもみっともなく見えてしまい、他者に悪い印象を与えます。 つまり、良い開き直りと悪い開き直りは、引き際が全く違うのです。
良い「開き直り」をするためのポイント
ではどのようにすれば、良い「開き直り」をすることができるのでしょうか。良い「開き直り」にするために押さえておきたいポイントは4つあります。
攻撃し返さない
「そうだよね」と開き直ったあとで、相手を攻撃してしまっては、悪い開き直りになってしまいます。「だったら何?」と言ってしまうと、好戦的な印象を持たれ、下手をすると喧嘩になってしまいます。 開き直るときに、相手を攻撃する必要はないのです。それ以上言われないためには、「そうだよね」と指摘を受け入れてしまうだけが一番有効なのです。
「別にいいや」と思う
良い開き直りは「別にいいや」という気持ちが背景にあります。悪い開き直りは「別にいいや」と思えていないので相手を攻撃し返しています。つまり、良い開き直りにするためには、開き直る前に「別にいいや」と思うことが大事なのです。 クヨクヨ悩んでいるときに「開き直っちゃえば?」とアドバイスされるのは、この「別にいいや」という考え方をしてみては?ということです。言いたい人には言わせておけばいいや、ということです。
開き直る理由を忘れない
そもそも開き直りをしようとしたのは、それ以上言われて傷つかないためです。そこを忘れないようにすると、良い開き直りができます。相手を攻撃し返してしまったら、ますます攻撃されるだけです。それでは本末転倒ですね。 行動をするときは、なんのためにその行動をとるのかを意識すると、行動がブレません。つまり自分がなんのために開き直るのかがわかっていれば、余計な攻撃に走らずに済むのです。良い開き直りは、相手への攻撃は伴いません。
本当にそうだと思う必要はない
開き直りは、相手の指摘を受け入れることだと言いました。ただ、それは相手の指摘がその通りで、自分はそうなんだと思うということとは少し違います。 例えば「あなたって、本当につまらない人だ」と言われたとします。それは相手の価値観であり、あなたのすべてを表すことではありません。「つまんないよね」と相手の価値観は受け入れる。でも自分は、誰から見てもつまらない人間であると思う必要はないということです。 これは良い開き直りの一番大事な部分です。開き直るということは、いちいち相手の価値観に振り回されるのをやめるということでもあります。その人にとってはつまらない人でも、面白いと感じる人は必ずいるのです。
ただし、これは相手の指摘が主観的なものである場合です。事実を指摘されたときに、開き直るのであれば、きちんとそうなってしまった経緯を説明をしましょう。その場合も、相手への攻撃は禁忌です。
良い開き直りを使いこなそう!
良い開き直りは、自分自身をとてもポジティブにしてくれます。人の指摘にいちいちクヨクヨしてしまう人は、一度思い切って「確かに、そういう面もあるね」と言ってみてください。たとえそう思えていなくても、言葉に出すことが大事なのです。 言葉に出すことで、なんとなく気持ちがスッキリするのがわかると思います。すると開き直りの良さに気が付くと思います。最初は、なかなかうまく開き直れないかもしれません。でも、慣れてくると、だんだん上手に使えるようになってきます。 良い開き直りが出来る人は、とても人生を軽やかに生きています。人からの指摘に振り回されることなく、クヨクヨ悩む時間も少ないです。
いつも人からの指摘にクヨクヨしてしまって、気持ちが重くなりがちの人は、ぜひ一度良い開き直りを試してみてください。きっと今までにない気持ちの軽さを体感できることでしょう。