シワシワネームとはキラキラネームと対を成す言葉です。古風で美しい名前は、現在、とても人気があります。また、キラキラネーム同様、男女問わず多くの名前が存在しています。そんなシワシワネームについて、人気の名前をランキングと共に、例を交えながら詳しくご紹介します。
シワシワネームとは
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「シワシワネーム」と言う言葉をご存知でしょうか。シワシワネームとは数年前に話題となった「キラキラネーム」の対となる言葉です。キラキラネームがとても個性的で、今までに無い名前であるのに対し、シワシワネームは古風で落ち着いた雰囲気のある名前です。
女の子なら「◯子」や「◯美」男の子なら「◯男」など、読みやすく日本人らしい名前が多いです。そして現在、シワシワネームが流行ってきてもいるようです。そんなシワシワネームについて、詳しく見ていきましょう。
古風で日本人らしい名前
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「シワシワネーム」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「シワシワネーム」とは日本人らしく、少し古めかしい名前を指します。前述の通り、最近よく聞く「キラキラネーム」の反対語と言えるでしょう。時代で言うと、昭和の高度成長頃に流行った名前です。具体的には男性ですと「◯男」女性ですと「◯子」「◯美」といった漢字です。
大きな特徴は読みやすいことです。他にも衰えること無く響きが良い、美しい名前が多いことも特徴といえます。
近年ではシワシワネームが流行
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近年、「シワシワネーム」が流行してきています。その理由は「キラキラネーム」の影響が大きいです。「キラキラネーム」が流行ったのはつい最近のことです。キラキラネームの個性的で奇抜な名前は、話題になりました。
キラキラネームが流行ったからこそ、周りとは少し違う名前を付けたいという気持ちを持つ親が「シワシワネーム」に興味を持ち、シワシワネームの流行が始まります。時代は繰り返されると言いますが、シワシワネームもまた、若いパパ・ママの間で流行りだしているのです。
キラキラネームの弊害も背景に
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キラキラネームは数年前ブームとなり、とても話題になりました。自由で個性的な名前は今までにはあまり見られなかったものです。しかし、それ故の弊害はありました。それは、キラキラネームが就職などで不利になることがある、などの弊害です。それも、「シワシワネーム」を流行らせた一因と言えるでしょう。
読みづらかったり、親の考えに疑問を持たれたり、社風に名前が合わなかったりと、不利になる理由は様々です。しかし、いずれも個人の能力には関係のないものがほとんどです。子供の将来を考える親にとっては、不利にならないようにしたいのは当たり前のことでしょう。そのため、現在シワシワネームが流行っているのです。
シワシワネームの特徴
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シワシワネームは特徴が顕著にあらわれます。古風で力強さを感じられるシワシワネームは漢字一文字であることがほとんどです。読めないような漢字はあまり使われず、よく使用されている漢字であることがほとんどです。しかし、意外にも時代の流行に乗っていたり、平仮名の場合もあります。シワシワネームの特徴をもって詳しく見ていきましょう。
名前の止め字が古風な漢字
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シワシワネームの1つの特徴として、名前の止め字に古風な漢字が使われているというものがあります。名前の最後の漢字が男の子は「◯男」や「◯郎」、女の子は「◯子」というように、力強さを感じるような漢字がよく使われています。止め字が古風なことによって力強く、印象深く感じられます。
一文字の漢字
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漢字一文字の名前もシワシワネームには多いです。漢字一文字だと、力強く印象深くその漢字を捉えられるでしょう。現在でも漢字1文字の名前は多くあります。ですがシワシワネームの漢字は古風な漢字が用いられることが多く、より力強いものとなっています。
漢字一文字の男の子であれば、その子の未来を願う親の気持ちをそのまま読み取ることが出来ます。しかし、現在では2文字の漢字での名前が多く、見かける機会は少なくなりました。
時代に流行した名前
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シワシワネームは古風ですが、意外にも時代によって流行を見ることができるのです。明治時代では「宗光」「利通」などいかにも古風な名前が流行っていました。歴史上の人物の名前などもこの時代のカテゴリに属します。また、大正時代には女性が「千代」「文子」、男性は元号から「正一」「正二」、また「清」という名前もかなり人気がありました。
そして、昭和時代は「和子」や「幸子」といった名前に人気があったようです。このように、元号やその時代の流行から名前を取り入れることもシワシワネームの特徴の1つです。
平仮名の名前
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古風で力強いイメージの強いシワシワネームですが、名前に平仮名が使われることもあります。これは女性によく見らるようです。平仮名は基本的に曲線が多く見られるため、自然と優しいイメージを感じることができます。具体的には「うめ」や「きく」などがあります。女の子らしくなって欲しいという願いから平仮名が使われました。
キラキラネームの特徴
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キラキラネームは数年前に流行し物議を醸しました。とても個性的で、漢字の読みが独特であることが特徴的です。通常、そうは読まない漢字も意味合いや語呂感で読み方が変化します。また、アニメや外国人風な名前もたくさんあります。
シワシワネームがシンプルで読みやすいのに対し、キラキラネームは独特で複雑なものが多いです。それは名前をつける際の今までのルールが寛容になったと捉えて良いでしょう。キラキラネームの特徴を詳しく見ていきます。
漢字の読み方が独特
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キラキラネームは漢字の読み方が独特です。当て字が多いので、見ただけで読み方は見当がつかないことが多いでしょう。具体的には「明日(トゥモロー)」などがあります。漢字が使われていますが、意味を表す語として使われ、そのまま読むという概念は無いことがあります。
その他にも「騎士(ないと)」などがあり、普通では読めないことが多いです。日本語で書いて英語で読んだり、語呂感で読み方を変えたりと、読ませ方は様々です。
個性を重要視している
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キラキラネームは個性を重要視しています。自分の子供にはありふれた名前を付けたくないという親心からか、通常では考えもつかないような名前が多いです。テレビなどでもその読めなさや奇抜さから報道されることが多々ありました。
しかし、あまりにも読めない名前が増えたことから、「将来的に不利な名前である」という意見もあり、世間では物議を醸しました。
アニメからとった名前
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キラキラネームの特徴として、アニメから取った名前が多いのもその1つです。それは漢字の意味に関係なく音読みを組み合わせて読ませたものや、平仮名を交えて、意味合いから全く違う名前に読ませるものもあります。
具体的には「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」「新豚(にゅーとん)」などの名前があります。いずれも読むことが難しく、とても個性的な名前だと言えるでしょう。
外国人風な読みの名前
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様々なジャンルの個性的なものが多いキラキラネームですが、外国人風な読み方のものも有ります。漢字を組み合わせて、その意味を英語で読ませたものです。具体的には「緑輝(さふぁいあ)」「姫星(きてぃ)」や「今鹿(なうしか)」などがあります。どれもそのまま読もうとすると読めないものが多いです。
シワシワネームの人気ランキングTOP5【男の子例】
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男の子ののシワシワネームは1文字の名前が多いです。1文字だからこそシンプルで力強さを感じられるものが多いです。その通りに1位から5位まで全て一文字で、読み方も一般的で、意味も漢字からスムーズに分かります。人間関係や仕事面で成功する姿を願う親心を感じられます。男の子のシワシワネームの人気ランキングを見ていきましょう。
<5位>実
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「実(みのる)」が5位にランクインしました。「努力が実る」「忍耐が実を結ぶ」というように、地道に頑張る姿が伺えます。そして成功を願う親心も伺えます。努力を続けるひたむきなイメージを感じられ、良い名前です。
<4位>進
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「進(すすむ)」が4位にランクインしました。苦難をも乗り越え前進するような強い人間になって欲しいという願いが込められています。他にも人前に立って進むようなイメージも伺えます。同様な意味合いとして「歩(あゆむ)」も人気の名前の一つです。
<3位>清
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「清(きよし)」が3位にランクインしました。その漢字の意味の通りに、清らかに爽やかに生きて欲しいという願いが込められています。他にも、清める正しい心を持って生きてほしいという願いも込められています。
<2位>茂
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「茂(しげる)」が2位にランクインしました。草木が茂ると言うように、人間関係や仕事など、あらゆる分野で広く豊かに茂って欲しいという願いが込められています。
<1位>博
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1位は「博(ひろし)」です。「博」という漢字は、博識、博士といったように知性に溢れるイメージを持たせます。実際「広く行き渡らせる」という意味があり、自身の知識や見聞を分け与えるという賢者に相応しい名前です。
シワシワネームの人気ランキングTOP5【女の子例】
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男の子のシワシワネームの人気ランキングでは1位から5位まで全て1文字でしたが、女の子の場合は1位から5位まで全て2文字です。「◯子」という名前がとても人気です。読みやすく女性らしさを感じることができる名前が多いです。
男の子と同様に普段見たり使っている感じが多く、魅力的な意味を持っています。女の子のシワシワネームのランキングを見ていきましょう。
<5位>恵子
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「恵子(けいこ)」が5位にランクインしました。「恵」は上や貧困に苦しむことの無く物に恵まれる事を意味しています。またその他にも他人に対する思いやりや情けの意味も含まれており、物質的にも人間関係にも恵まれる願いが込められています。
<4位>節子
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「節子(せつこ)」が4位にランクインしました。「節」は節操とあるように、正しい心をあらわしています。この名前は「火垂るの墓」のメインキャラクターに使用された程、主流と言える名前でした。
<3位>洋子
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「洋子(ようこ)」が3位にランクインしました。「洋」は太平洋のように寛大な様子を伺えます。大きな心を持った女性になって欲しいという願いが込められています。
<2位>和子
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「和子(かずこ)」が2位にランクインしました。日本らしさを表す「和」は、なごやかさや日本らしい美しさをあらわしています。優しく美しく、また、穏やかで慎ましい女性になって欲しいという願いが込められています。
<1位>幸子
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1位は「幸子(さちこ)」です。「幸」と言う漢字から伺えるように、幸せになって欲しいという願いが込められています。自身の幸せだけでなく、周囲にも幸せを与えられるような器量の広い子になって欲しいという願いも込められています。
シワシワネームの時代の流れ【男の子例】
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シワシワネームと言っても、ずっと同じ名前の人気が続いているわけではありません。時代が流れるように、名前の流行も変化しています。シワシワネームが古風で男らしい名前という点では変わりませんが、使われる漢字が違ってきたり、1文字だけという固定概念は消失したりしてきています。
昭和時代のシワシワネームから現在に至ってシワシワネームの人気ランキングは大きく変わってきました。詳しく見ていきましょう。
ベビーブーム時代のシワシワネーム
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日本の第1次ベビーブームは1940年台後半に起こりました。現在でいうと70歳位の年齢の方たちがこの時代に当てはまります。その世代のシワシワネームは、先程のランキングでも説明したように、「博」「茂」などの1文字の名前がとても人気でした。
キラキラネームとは違い、漢字の読み方の通りに読む場合がほとんどです。人気ランキングでは10位まで全て一文字なのも特徴的です。
近年人気のシワシワネーム
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近年人気のシワシワネームはベビーブームと比べ少し特徴に変化が出てきています。2016年のランキングだと1位から「蓮(れん)」「大翔(ひろと)」「陽翔(はると)」「湊(みなと)」「悠真(ゆうま)」となっています。「大翔(たいが)」など2文字の名前もとても人気が出てきました。
1文字の名前も人気です。「樹(いつき)」や「蓮(れん)」などが人気で、どれもベビーブーム時代には出てきていないものです。そのまま、読むと間違えてしまう場合が多く、「大翔(ひろと)」と「大翔(たいが)」などのように、同じ漢字を使われていても読み方が違う場合もあります。
シワシワネームの時代の流れ【女の子例】
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男の子はシワシワネームの人気が大きく変わりましたが、女の子の場合はどうなのでしょうか。女の子のシワシワネームも、時代と共に変化してきています。昭和時代ベビーブームの時代は「◯子」が人気ランキングの上位全てを占めていましたが、現在のシワシワネームの人気ランキングでは、「◯子」と言う名前は上位にありません。
女性でも、漢字一文字の名前が人気上位になっているという変化も見られます。女の子のシワシワネームの時代の流れを詳しく見ていきましょう。
ベビーブーム時代のシワシワネーム
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女の子のシワシワネームは先程のランキングのとおりに「◯子」がとても人気で、ランクインしたものは全て「◯子」でした。特徴的な読ませ方をするような名前はなく、どれも古風で和を感じられるものが多いです。「幸子」や「和子」の他にも、「恵美子」や「久美子」などの3文字の名前も人気がありました。
1文字の名前は女の子ではランクインはしていません。
近年人気のシワシワネーム
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近年人気のシワシワネームは女の子では特に大きく特徴が変化しました。2016年でのランキングは1位から順番に「陽葵(ひまり)」「陽菜(ひな)」「結愛(ゆあ)」咲良(さくら)」「さくら」となりました。大きな変化は読み方が難しいことです。日常的に使う漢字ですが、読み方が難しいです。また「◯子」という名前は人気ではなくなりました。
一文字の名前もとても人気が出てきました。また「さくら」などのように、シンプルで平仮名の名前も人気がありました。
シワシワネームは古風な雰囲気を醸し出せる
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シワシワネームはシンプルで読みやすいがゆえに、見たままに込められている願いが分かる素敵な名前です。1940年台後半のベビーブームの時代のシワシワネームと比べると変わった点が少しありますが、基本的には変わりありません。また、男の子の場合は1文字で力強く、男らしさを感じられるものが多いです。
女の子の場合は、「和」で表されるように優雅さや艶美を感じられる、女性らしい名前が多いです。キラキラネームは個性的で特徴的なものが多いのに対し、シワシワネームは落ち着いた名前が多く、いずれも古風な雰囲気で美しい名前が多いです。
名前は、子どもが一生を通して使用する大切なものであり、パパ・ママからの初めての贈り物です。子供の名前を決める際はじっくりと考え、良い名前を付けてあげましょう。