モノクルは片眼鏡とも呼ばれる片目専用の眼鏡です。ヨーロッパでは長年人気を博してきました。モノクルの付け方の説明からモノクルがトレードマークの歴代有名人、怪盗キッドやドラクエ10のキャラクターなどモノクルが印象的な架空キャラクターまで取り上げました。
モノクル(片眼鏡)って知ってる?
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モノクルという眼鏡をご存知でしょうか。モノクルは日本語では片眼鏡と呼ばれます。日本では最近見かける事はなくなりましたが、明治時代に流行した事がありました。モノクルは元々はヨーロッパ発祥の眼鏡で、19世紀には貴族の間で流行しました。もしかしたらテレビの中のキャラクターがモノクルをしているところは見た事があるかもしれません。
果たしてモノクルとはどのような眼鏡なのでしょうか。この記事ではモノクルについて取り上げます。
モノクルとは
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モノクルとは日本語で片眼鏡と呼ばれ、その名の通り片方の目に付ける眼鏡です。モノクルは多くの場合、一枚の丸いレンズの周りに細いフレームが付いていて、フレームには通常は鎖やひもを通すリングが付いています。リングに通した鎖やひもを首からかけるようにできています。モノクルは左右どちらの目に付けても構いません。
特に老眼の人が老眼用のモノクルを付けた場合、近くと遠くがどちらも鮮明に見えるという利点が挙げられます。しかし遠くと近くを同時に見る事はできないので、モノクルを使うのには慣れが必要と言えるでしょう。
ヨーロッパ発祥!モノクルの歴史とは
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モノクルの発祥は元々ヨーロッパです。18世紀から20世紀のヨーロッパでは幾度のなくモノクルが流行してきました。特に19世紀に上流階級の間で大流行した記録が残っています。モノクルの細いフレームと首からかけるスタイルはどこか上品さを感じさせるものです。
そのためモノクルの流行は大抵の場合、視力矯正器具としてよりもエレガントなファッションとしての側面が強かったのです。現代でも、当時のヨーロッパを感じる骨董品として愛好する者もいます。
執事や怪盗のイメージとして人気に
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日本でモノクルというと執事や怪盗が付けているというイメージが定着しているかもしれません。実際にイギリスなどでは、優雅なイメージを持たせるために執事がモノクルを付ける事がかつて流行していました。怪盗がモノクルを付けているイメージは、何と言ってもアルセーヌ・ルパンからきていると言って良いでしょう。
これは1907年刊行の『怪盗紳士ルパン』の表紙の絵でアルセーヌ・ルパンが付けていたモノクルのイメージが定着したためです。実は本文にはアルセーヌ・ルパンがモノクルを付けていたという表現はされていません。
日本人には不向き?モノクルの付け方を紹介
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モノクルは片目に付ける眼鏡ですが、初めてモノクルを見る人はその付け方に疑問を持つでしょう。モノクルはフレームの付いた一枚のレンズにひもや鎖が付いているだけです。鼻にかけるブリッジが付いている場合はありますが、通常の眼鏡に付いている耳にかけるつるはいっさい付いていません。ではモノクルはどうやって付けるのでしょうか。
ここではモノクルの付け方を詳しく説明します。
目のくぼみか鼻にはめ込む
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モノクルの最も一般的な付け方は目の窪みにはめ込む方法です。人間の頭蓋骨には眼窩(がんか)と呼ばれる眼球が収まる穴が開いています。モノクルは眼窩の上にある前頭骨と、眼窩の下にある頬骨でレンズフレームを挟んで支える形で装着します。また鼻にかけるブリッジが付いているものはブリッジを鼻の上部の鼻骨に引っかけて装着します。
日本人には不向き?
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モノクルはやはり日本人には不向きと言えるでしょう。日本人は欧米人とは骨格が違うからです。モノクルは眼窩にはめて装着するので、骨格の彫りが深い人の方が付けやすいと言えます。欧米人に比べて顔の彫りが浅い日本人はなかなかモノクルを装着する事ができません。鼻にかけるタイプも鼻が高い人でなければ難しいでしょう。
明治時代に流行したモノクルが本当に浸透する事がなかったのも、日本人の骨格に合わないからといえます。最近ではつるとブリッジをつけたモノクルもありますが、鼻が低い日本人にはなかなか使いづらいかもしれません。
付け方は多用で人それぞれ
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モノクルの付け方にはいろいろと種類があり自分の好みの付け方を選べます。まず装着する目は右でも左でも構いません。眼窩にはめ込むタイプとブリッジで鼻にかけるタイプが選べます。多少は日本人向きと言えるつるが付いたタイプも近年出てきています。また眼窩にレンズをはめずに、虫眼鏡のように手で持って使う方法もあります。
気になるモノクルの疑問を検証
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片眼鏡ことモノクルについて取り上げていますが、この記事を読んで初めてモノクルを知る方もいるでしょう。使ってみたり、どのようなものか試してみたりしたくなった方もいるかもしれません。またモノクルの事はご存知の方でも、普段から頻繁に目にするものではないので、さまざまな疑問が生まれるでしょう。
モノクルに興味を持った方のために、モノクルの疑問について調べてみましょう。
モノクルって高いの?
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モノクルに関しての疑問としては、そもそも今手に入るのか、そして値段はいくらぐらいなのかという事があるでしょう。まずモノクルは現在でも購入できます。たとえばamazonでは、廉価なものであれば1000円以下のものもあり、10000円を超えるものもあります。取りあえず試してみるのであればお手頃と言えるでしょう。
モノクルって今も人気なの?
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ヨーロッパでは長年の間に流行を繰り返してきたモノクルですが、現在でも人気はあるのでしょうか。まずイギリスではこの10年、久しぶりのモノクルブームが訪れています。イギリスでは19世紀にモノクルの大ブームがありましたが、第二次世界大戦でドイツ軍がモノクルを使用していた事もあり、その後の人気は衰退していました。
しかし近年、昔のファッションを真似してみたいという若者の間でモノクル人気に火が付いたのです。また、ハロウィンが年々盛大になってきている日本では、コスプレのアイテムとしてモノクル人気が出てきています。コスプレ用にフレームに装飾を施したモノクルも人気です。
モノクルって作れるの?
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それではモノクルを作る事はできるのでしょうか。モノクルを作るのにはいろいろな方法があります。手軽に作りたいのであれば、100円ショップの眼鏡を半分に折ってつる付きのモノクルの出来上がりです。チェーンなどを付けるとより本格的になるでしょう。
コスプレ用のモノクルを作る人は、懐中電灯のプラスチック部分をレンズに使い、粘土でフレームに装飾を施す事もあります。また例えば東京の青山にある眼鏡店カムロではモノクルのオーダーメイドに対応しています。チェーンも含めて18000円でオーダー可能です。
気になるモノクルの実態を検証
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モノクルの疑問について更に取り上げてみましょう。モノクルという言葉は、ブランド名や店名などにも使われています。その名前と片眼鏡のモノクルとはどういう関係があるのでしょうか。また、モノクルに似た気になる小物が人気アニメに登場します。それは果たしてモノクルなのでしょうか。
ドラゴンボールのアレもモノクル?
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モノクルに似た小物が登場するアニメは『ドラゴンボール』です。『ドラゴンボール』に登場するサイヤ人がモノクルに似たレンズのような小物を装着しています。これは敵の戦闘力を測定できる「スカウター」という装置で、モノクルではありません。作中ではフリーザの仲間にはほぼ全員に支給されていました。
ただしスカウターはモノクル型電子機器という事で、モノクルがモデルになった装置です。
雑誌のモノクルもある
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イギリスから発売されている『モノクル』という雑誌も存在します。『モノクル』は2007年に創刊されたビジネス情報誌です。ビジネスや国際情報などの気になる流行を取り上げています。日本のホテルやレストランなどの情報にも詳しく、外国人の目で日本の流行を見るのには良い雑誌と言えるでしょう。
片眼鏡のモノクルとは直接関係はありませんが、ビジネスシーンで活躍する英国紳士のイメージを表す言葉として「モノクル」が選ばれたのかもしれません。
東京にあるカフェとの関係とは
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東京の有楽町阪急には『モノクルカフェ』がありました。『モノクルカフェ』は雑誌『モノクル』とコラボしたカフェです。雑誌『モノクル』の編集長がオススメする料理を出していましたが、『モノクルカフェ』は2019年1月で一度閉店しました。カフェのホームページでは別の場所でリニューアルオープンすると書かれています。
雑誌『モノクル』は他にいろいろなコラボ企画を行っていて、渋谷区にブランドショップがあったり、吉田カバンやコムデギャルソンとコラボした商品もあります。
モノクルを付けている人まとめ【有名人編】
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モノクルは約200年もの間、主に欧米で流行を繰り返してきました。歴代の有名人の中にも、モノクルを愛した有名人が多数います。ここではモノクルがトレードマークとなっていた有名人を取り上げ、その経歴などを紹介しましょう。
有名人①ジョセフ・チェンバレン
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モノクルを愛用した有名人の一人目はジョセフ・チェンバレンです。ジョセフ・チェンバレンはイギリスの政治家で、バーミンガム市長として名を挙げ、国政に進出して植民地大臣を務めました。社会主義と帝国主義を合わせた社会帝国主義の政治家として知られ、イギリスの発展に貢献しました。
ジョセフ・チェンバレンの写真の多くには右目にトレードマークと言えるモノクルがはめられています。父と同じ政治家の道へ進み、同じくモノクルを愛用していた息子のオースティン・チェンバレンはノーベル平和賞の受賞者です。
有名人②ヘンリー・チャップリン
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モノクルを愛用していた貴族としてヘンリー・チャップリンを挙げましょう。ヘンリー・チャップリンは19世紀から20世紀初頭のイギリスの貴族です。ヘンリーの最初の娘はロンドンデリーの第七公爵と結婚して慈善家として活動しました。弟のエドワード・チャップリンは政治家として活動しました。
ヘンリー・チャップリンの肖像には、右目にフレームが特徴的なモノクルがはめられています。シルクハットが特徴的な彼の風刺画にもモノクルが描かれていました。
有名人③サー・ルイ・ナポレオン・カソール
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モノクルをかけていた有名人として最後にサー・ルイ・ナポレオン・カソールを紹介します。サー・ルイ・ナポレオン・カソールはカナダのケベック州で活躍した政治家で裁判官です。サー・ルイ・ナポレオン・カソールは20代で法律を学び40代で法律の学位を取得、晩年は10年間ケベック州の最高裁判事を務めました。
サー・ルイ・ナポレオン・カソールは左目に細いフレームのモノクルを装着していました。
モノクルを付けている人まとめ【キャラクター編】
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片眼鏡ことモノクルと、モノクルをトレードマークにしていた有名人を紹介してきました。しかしモノクルをかけているのは実在する人物ばかりではありません。モノクルは独特な雰囲気を作り出す小道具として、アニメなどのキャラクターにも良く使われます。最後に、モノクルが印象的なキャラクターをいくつか紹介しましょう。
キャラクター①怪盗キッド
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モノクルが印象的なキャラクター、最初は怪盗キッドです。怪盗キッドこと黒羽快斗は『名探偵コナン』における江戸川コナンのライバルで、別漫画『まじっく快斗』の主人公でもあります。怪盗キッドはいかなる金庫も突破する魔術師で、宝を盗む様子は『平成のアルセーヌ・ルパン』と呼ばれました。
イケメンでキザな風貌から、悪者でありながらファンがたくさんいます。江戸川コナンの敵としてコナンの正体を知っているという設定です。本家アルセーヌ・ルパンを連想させるモノクルをかけています。
キャラクター②怪盗ルパン
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モノクルがトレードマークのキャラクターと言えば、やはり怪盗キッドのモデルにもなった怪盗ルパンです。怪盗ルパンことアルセーヌ・ルパンは、フランスの小説家モーリス・ルブランが生み出したキャラクターです。『アルセーヌ・ルパン・シリーズ』は数々の長編と短編からなる人気シリーズで、犯罪予告や変装で知られています。
日本でも『アルセーヌ・ルパン・シリーズ』に影響を受けた作品は多く、主人公がアルセーヌ・ルパンの孫とされる『ルパン三世』や、怪盗ルパンが形を変えて登場する江戸川乱歩の推理小説などがあります。怪盗ルパンは本の表紙の挿絵からモノクルのイメージが定着しました。
キャラクター③ドラクエ10のキャラ
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モノクルが印象的なキャラクターとして最後に取り上げるのがドラクエ10のキャラクターです。ドラクエ10こと『ドラゴンクエスト10』はファミコン時代から続く『ドラゴンクエストシリーズ』では初のオンラインゲームです。ドラクエ10ではモノクルは装備品の一つとして加えられ、攻撃力、回復力、呪文暴走率を上げるアイテムとなっています。
魔法使いや賢者にはなくてはならないアイテムと言えるでしょう。モノクルを入手するには、アモデウスの転生モンスターである「まかいしつじ」を狙うのがコツです。
歴史あるモノクルは時代を超えて今も人気
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この記事ではヨーロッパ発祥の片眼鏡ことモノクルについて取り上げてきました。かつては貴族の優雅さの象徴とされ主に欧米で愛用されてきたモノクルですが、第二次世界大戦後は急激に廃れてきました。しかし近年イギリスなどでは、モノクルが持つアンティークでエレガントな雰囲気に魅力を感じる若者が増えてきています。
また日本でも、ハロウィンの盛り上がりやコスプレの流行とともに、モノクルは仮装用の小物として注目を浴びています。モノクルは新しいファッション文化の中でこれからまた新たな需要を生み出していくでしょう。