ドッペルゲンガーは「見ると死ぬ」のような都市伝説として知られていて、映画のモデルになることもあります。有名な芥川龍之介自身も見たとの噂があり、エミリー・サジェのドッペルゲンガーを周囲の人が目撃する現象もあったようです。その正体を追求してみましょう。
ドッペルゲンガーとは
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ドッペルゲンガーとは何を意味しているのかご存知ですか。ドッペルゲンガーは様々な映画などの作品で取り入れられているため、一度は耳にしたことがあるかもしれません。ドッペルゲンガーは他にも「ダブル」や「復体」と呼ばれることもあります。このドッペルゲンガーとは一体、どのような意味があるのでしょうか。
まずは、ドッペルゲンガーの意味や都市伝説として知られている項目について、詳しく掘り下げていきましょう。そうすることで、ドッペルゲンガーとは何なのか理解できるかもしれません。
ドッペルゲンガーの意味
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ドッペルゲンガーとは、自分で自分の姿を見ることのできる現象を意味しています。普通であれば自分の姿を確認するためには鏡を使います。しかし、ドッペルゲンガーは生身の人間として自分の前に現れるようです。そのため、ドッペルゲンガーを見ることによって起きる現象が多数あると言われていました。
主に都市伝説や超常現象として扱われており、中には複数現れる場合もあります。また、死ぬ前兆や災いが訪れる前兆としても知られているようです。
現象はバイロケーションと酷似
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ドッペルゲンガーの現象は、バイロケーションと酷似していると言われています。バイロケーションとは超常現象の1つと言われており、同じ人物が多数の場所で目撃できる現象を意味しています。バイロケーションとドッペルゲンガーの違いは自分の意志でコントロールできる点にあります。
バイロケーションは自分の意志でコントロールでき、ドッペルゲンガーは一切コントロールできません。そのため、バイロケーションよりもドッペルゲンガーの方が厄介な存在として扱われているようです。
小説の題材として描かれる
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ドッペルゲンガーは主に小説の題材として描かれることが多いようです。ドッペルゲンガーを題材とした小説は1815年には制作されており、現在では小説に留まらず映画にも登場することがあります。また、ドッペルゲンガーは小説内でその名前だけでなく二重人格や分身と言われることもあるため、様々な見方があるのが分かります。
有名な作家であれば芥川龍之介が挙げられ、1970年に出版した『二つの手紙』で取り扱われているようです。
ドッペルゲンガーの都市伝説とは
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初めにもご紹介したように、ドッペルゲンガーは都市伝説として扱われています。都市伝説とは世間で長年言い伝えられてきた情報しかないため、その真偽は一切分かりません。そのため、これからご紹介する都市伝説についても確かなことは不明です。
ただ、ドッペルゲンガーの噂が流れると言うことは、誰かがその都市伝説を体験した可能性があるということでもあります。では、一体どのような都市伝説が有名なのでしょうか。
都市伝説①本人の行動範囲内に出没
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言い伝えられている都市伝説の中には、ドッペルゲンガーは本人の行動範囲内にしか出没しないとの都市伝説があります。そのため、本人とドッペルゲンガーが遭遇する可能性はとても高く、後にご紹介する都市伝説にも繋がるようです。また、ドッペルゲンガーは自分の意志とは関係なく出現するため、いつ現れるか不明です。
そのため、本人以外の人が目撃する可能性も否定できません。ただ、ドッペルゲンガーは本人とそっくりな容姿をしているため、ドッペルゲンガーなのか本人なのかを他人が判断することはできないようです。
都市伝説②会話はできない
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本人と対話するのであれば会話することはできますが、誰かのドッペルゲンガーに遭遇した時は会話することができません。そのため、いつもはお喋りで自分のことをよく話す人が「今日に限って全く話さない」との現象が起きているのであれば、その相手はドッペルゲンガーである可能性も考えられます。
また、本人がドッペルゲンガーと遭遇した場合でも会話はできないので、気味の悪い体験をすることでしょう。
都市伝説③見ると死ぬ
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ドッペルゲンガーの都市伝説の中でも特に重要視されているのが、ドッペルゲンガーを見ると死ぬという都市伝説です。これは、自分のドッペルゲンガーを見た人に対して適用されると言われています。そのため、他人が誰かのドッペルゲンガーを見たとしても死ぬことはありません。
なぜ死ぬとの都市伝説があるのかと疑問に思う人も多いでしょう。それは、実際にドッペルゲンガーを目撃したとされている人物が死亡したケースが多いからと言われています。
ドッペルゲンガーの目撃事例とは
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上記の都市伝説でも少し触れたように、ドッペルゲンガーを実際に目撃した人がいます。その人物とは複数人おり、ご紹介するのは過去に有名になった著名人などです。そのため、知られていないところで自分のドッペルゲンガーを目撃した人がいる可能性は非常に高いでしょう。
ドッペルゲンガーは主に海外で作品化されることが多かったからなのか、目撃した人が海外の人が多いようです。しかし、中には日本人でもドッペルゲンガーを目撃したのではないか、と謎に包まれた人物もいます。その人物達についてご紹介しましょう。
①リンカーン大統領
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リンカーンはアメリカ合衆国の大統領として有名で、56歳で暗殺されたことにより死亡しています。リンカーンはドッペルゲンガーと遭遇したことに対して「鏡の中に自分の青白い顔が映っていた」と話していました。驚いて再度確認すると青白い顔は既に無くなっていたと言います。そのため、見間違いだった可能性も否定できません。
しかし、若くして亡くなっていることを考えると、ドッペルゲンガーがリンカーンの死が近づいていることを証明していた可能性も考えられるのではないでしょうか。
②ゲーテ
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ゲーテとはドイツで有名な著名人で、馬に乗って正面から向かってくる男性が自分とそっくりだったと話しています。この男性の話については、、服装が全く違ったためすぐに忘れてしまうこととなりました。しかし、その数年後には自分の服を着た友人を道端で目撃します。
家に戻るとその友人がいて、「服が濡れたから借りていた」と話したと言います。ただ、そうなると道端で見た友人はドッペルゲンガーだったのではないか、と疑問が募るのではないでしょうか。その真偽は未だ不明です。
③芥川龍之介
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自身のドッペルゲンガーを目撃したことで有名なのが、芥川龍之介です。芥川龍之介は現在でも芥川賞と呼ばれる賞が作られるほど小説を制作することに長けており、過去にドッペルゲンガーを登場させた小説も書いています。ドッペルゲンガーを登場させたことに対して芥川龍之介は、「自分のドッペルゲンガーを見たのか」と問われました。
その際に「錯覚と言えば解決しやすいです。けれどなかなかそう言い切れないことがあるのです」と述べています。この言葉はとても謎に包まれており、そのまま解釈するのであればドッペルゲンガーと遭遇したと捉えることができるのではないでしょうか。
④エミリー・サジェ
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エミリー・サジェとは、とても有能な教師として有名でした。このエミリー・サジェは他の著名人と違って、他人がエミリー・サジェのドッペルゲンガーを目撃する事態が起こりました。その目撃回数は何と13回にも及ぶとされており、エミリー・サジェの傍にいたとの情報があります。
エミリー・サジェのドッペルゲンガーを目撃したのは生徒たちで、学校内で度々目撃されることから学校内が混乱に陥ります。しかし、エミリー・サジェ本人は一切その姿を把握していなかったことから、ドッペルゲンガーによって転職を19回も強いられることに対して憤りを感じていたのではないでしょうか。
⑤エリザベス1世
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エリザベス1世とはイギリスを治めていた人物です。かなりのカリスマ性を発揮していたため、エリザベス1世がドッペルゲンガーを見たと話した時にはその話を信じた人が多いのではないでしょうか。エリザベス1世はリンカーンと同じで、幽霊のような自分を見たようです。
ただ少し違っていたのは、ベッドにドッペルゲンガーが横たわっていたことです。ドッペルゲンガーを見たと言われている時期は既にエリザベス1世が高齢だったため、老いが原因ということもできます。しかし、その後すぐにエリザベス1世は死亡してしまいました。
エリザベス1世は常識的で幽霊などを信じていない人物だったことから、他の著名人の目撃情報よりもドッペルゲンガーの存在を証明する出来事だったと言えるのではないでしょうか。
考えられるドッペルゲンガーの正体とは
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上記ではドッペルゲンガーの目撃情報や、都市伝説として言い伝えられていることについてご紹介しました。しかし、やはり超常現象と言うのは体験したことのない人が多いので、信じる人は少ないでしょう。そのため、その正体はきちんと解明できる内容なのではないか、との見解が持たれます。
その結果として、「ドッペルゲンガーは超常現象ではなく病気だ」と話す人もいます。実際、ドッペルゲンガーとは一体何なのでしょうか。
①精神疾患
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精神疾患の患者は世界中に溢れており、自分が気付いていないうちに精神疾患にかかっていることもあります。そして、ドッペルゲンガーと精神疾患の患者には深い関わりがあるとも言われているようです。精神疾患の患者はドッペルゲンガーなどの幻覚を見ることが多いため、ドッペルゲンガーは自身の想像によるものだとされています。
②脳疾患
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脳疾患も先ほどの精神疾患と同じで、幻覚などを見ることがあると言われています。特に自分の分身であるドッペルゲンガーを見るため、ドッペルゲンガーとは「勝手に脳が作り出している物体なのではないか」と言われることも多いようです。特に側頭葉と頭頂葉の境目に腫瘍がある場合に多い現象で、自分の体を正確に認識できなくなってしまいます。
③タイムトラベル
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よく見かけるタイムトラベルとは、時空を自在に行ったり来たりすることができる現象を意味しています。映画などの作中でもタイムトラベルが登場していますが、そこではタイムトラベルした先の自分を目撃することができるようです。そのため、ドッペルゲンガーはタイムトラベルしてきた自分の可能性も考えられます。
④パラレル・ワールド
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パラレル・ワールドはタイムトラベルと勘違いされることが多いのですが、意味が少し違っており、時空を行ったり来たりすることを意味しています。ある考えでは世界は1つだけでなく、別の時空で同じ時間を過ごしている自分がいると捉えることができるようです。
そのため、何かが原因で同じ時間を生きている、違う時空の自分を目撃した説が浮上したのではないでしょうか。
⑤超常現象
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上記では4つの可能性についてご紹介しました。しかし、一番ドッペルゲンガーの現象を説明できるのは超常現象なのではないでしょうか。特に、エミリー・サジェのドッペルゲンガーを他人が目撃したことを考えると、病気が原因となっている可能性は低いです。
また、現在では昔からUMAと呼ばれる未確認生物を目撃するなどの超常現象を体験した人もいるとされているため、科学では言い表せない何かが潜んでいるのかもしれません。
ドッペルゲンガーを題材にしたメディア
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ドッペルゲンガーは主に小説の題材として書かれることが多かったようです。しかし、現代では映画のモデルとして使われることも多く、映像は小説よりも自分があたかもドッペルゲンガーの現象を体験したかのように感じることができます。では、ドッペルゲンガーを題材にしたメディアを2つご紹介していきましょう。
映画「ドッペルゲンガー」
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映画である『ドッペルゲンガー』は、その名の通りドッペルゲンガーを題材としています。この映画は日本で作られており、自殺した男性のドッペルゲンガーと暮らしている女性が描かれているようです。また、他にも自分のドッペルゲンガの凶暴性に恐怖を抱いた人物が、ドッペルゲンガーを撲殺するなどの描写もあります。
映画の中にはロボットが登場することもあり、科学が進歩していけばドッペルゲンガーのような人物を作り出すことができることを伝えたかった内容なのかもしれません。
映画「複製された男」
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『複製された男』とは、見ていた映画の中に自分とそっくりな男性を見つけたところから物語が始まります。劇中に現れた男性を調べていくと、自分と生年月日なども一緒だったことが判明します。同じ顔の人物が2人出てくることからドッペルゲンガーを連想させる映画内容ですが、実際は男性の潜在意識を表しており、恋人との愛を証明する内容のようです。
ドッペルゲンガー現象の正体は解明されていない
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ドッペルゲンガーについて、その現象は未だ明らかとなっていません。正体不明なため、「あなたとそっくりな人を見かけた」と言われるとドキッとしてしまう人もいるでしょう。実際に、自分と似ている人は世界に3人いると言われています。この人物がドッペルゲンガーと言えるのかはわかりませんが、その可能性は否定できません。
作品の中では様々な解釈で描かれているため、ドッペルゲンガーの本当の正体を解明できるのはまだ先のことなのではないでしょうか。