現在では怖い話として2chで有名になっているリョウメンスクナ(両面宿儺)は、それが原因だとされ災害も複数起きているようです。その真相は、闇に包まれたままになっています。この記事ではリョウメンスクナ(両面宿儺)の正体や、噂の真相について迫ります。
リョウメンスクナ(両面宿儺)とは
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リョウメンスクナ(両面宿儺)というものをご存知でしょうか。インターネット上で有名な怖い話について検索すると、必ずと言って良いほど話題に上るのが「リョウメンスクナ(両面宿儺)」です。現在では怖い話として2chで広く知られるようになっていますし、とある漫画の題材にも使用されていますので一度は聞いたことがあるという方も多いかもしれません。
まずは、リョウメンスクナが一体どのようなものであるのかについて紹介していきます。
仁徳天皇時代の鬼神
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リョウメンスクナ(両面宿儺)とは、仁徳天皇時代の鬼神だと言われています。『日本書紀』にリョウメンスクナに関する記述が残されていて、そこには体に2つの頭部があり、8本の手足を持つ変怪の人間だと描写されていました。
リョウメンスクナには首が無い状態で体に2つの頭部が付いていて、その顔はそれぞれ反対方向を向いていました。そして頭部はくっついていたために項が無く、体には合計で8本となる手足がそれぞれ生えていたそうです。
もともとは飛騨国に住む宿儺という名前の人間だったようなのですが、顔が両側にあることから「リョウメンスクナ(両面宿儺)」と呼ばれるようになったのかもしれません。リョウメンスクナは『日本書紀』では悪者として記述されていましたが、岐阜県の複数の都市に伝わる民話においては、リョウメンスクナは観音様として崇められている存在のようです。
現在は怖い話として2chでも有名
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インターネット上の匿名掲示板である2ch内に、とある人物によってリョウメンスクナ(両面宿儺)にまつわる話が投稿されました。その書き込みは、投稿者のその後の調査も含めた事の詳細がとても具体的に書かれていて、あまりの不気味さに数多くの2ch利用者の関心を引きました。
そして、この投稿をきっかけとして、リョウメンスクナは現在では怖い話として2chでも広く知られるものとなっていきました。
リョウメンスクナの怖い話
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とある人物によってリョウメンスクナにまつわる怖い話が投稿されたことにより、その書き込みは2ch利用者の間で大きな注目を集めました。どんな内容であったのか、2ch内に投稿された書き込みについて考察していきましょう。
黒ずんだ木箱の存在
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2ch内にリョウメンスクナにまつわる怖い話を投稿した人物は、仕事でとある寺社の解体作業中、蔵から怪しげな黒ずんだ木箱を発見しました。その黒ずんだ木箱はおよそ2メートルの大きさがあり、開けられないように厳重にクギで封がされていたそうです。
また、黒ずんだ木箱はかなりの年代物であったらしく、木は所々敗して崩れ落ちており、表面にくっつけてあった白い紙も風化でダメージが大きかったようです。
呪いの言葉?
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黒ずんだ木箱にくっつけられていた白い紙には何か文字が書いてあったようなのですが、昔の字体であったことと、風化でダメージが大きかったために正確な解読は出来ませんでした。
しかしながら、投稿者がその書かれた文字を何とかして解読しようと見続けていると、その黒ずんだ木箱に何かしらを封印したという内容と封印した生年月日らしきものが書かれているということが分かったそうです。
呪いの言葉のようにも感じられる文字の羅列で、投稿者を含む現場の作業員達は何だか気味が悪く感じたようです。そこで責任者が寺社の関係者に連絡をしたということもあり、その日はとりあえず黒ずんだ木箱は触らずに放置することにしたそうです。
箱の中身は奇形のミイラ
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寺社の関係者から「何が何でも木箱は開けてはならない」と念を押された連絡が来ていたこともあり、作業員達にその事を周知しようと投稿者は次の日の朝早くから黒ずんだ木箱のある現場へ赴きました。しかしながら、ふざけた作業員の2人が夜中の内にその木箱を開けてしまっていたのです。
その木箱の中身を見てみると、なんと頭部が2つ、手足が6本もある奇形のミイラが入っていました。そして開けた作業員の2人はどうにも様子がおかしくなっていたために、そのまま病院へと連れられていきました。
その後到着した寺社の関係者は、開けられてしまった木箱を見て「もう開けた人間はお終いだ」と言ったそうです。そしてせめてもの情けと言って、残っていた現場の作業員達にはお経を読んでお祓いを施したそうです。
開けると災害が起きる
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すぐに木箱を持って撤収しようとする寺社の関係者に引き下がって何とか事情を聞き出した投稿者らは、開けてしまった木箱の中に入っていた奇形のミイラは、リョウメンスクナのミイラだと言うことが分かりました。
そしてリョウメンスクナの呪いかどうかは分からないようですが、木箱を開けた2人は不可解な要因で死亡し、寺社の解体をしていた作業員は、2chへの投稿者も含め何かしらの怪我を負ったようです。
リョウメンスクナが原因で起こったとされる災害
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オカルト話に深い興味があった投稿者は、何とかしてリョウメンスクナの詳細を知ろうと独自に調査を始めました。そして、やはり事情を詳しく知る人物に聞いた方が1番だと言って粘り、寺社の関係者からリョウメンスクナにまつわるさまざまな話を聞くことに成功しました。
その話の中で、驚くべき事にリョウメンスクナが原因で起こったとされる災害が複数存在することが分かったのです。
災害①方城炭鉱の爆発
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リョウメンスクナが原因で起こったとされる災害の1つ目は方城炭鉱の爆発です。これは、1914年に福岡県にあった方城炭鉱で起きた爆発事故で、現在においても国内で最も被害が大きい事故だと言われています。死者は687人とされていて、これは当時方城炭鉱に出入りしていた人数のおよそ97%に及ぶ人数とのことです。
事故原因としては、炭鉱内にメタンガスが溜まり、現場を照らすために持ち込んでいたランプの火が何らかの要因によって引火してしまったためとされています。
災害②函館の大火事
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2つ目の災害は、函館の大火事です。これは、1916年8月2日に函館で起こった大火事で、焼失戸数は1763戸にも上ったとされています。函館では1871年から数年間隔で大火事に見舞われており、1916年に発生した大火事もその内の1つとなっています。
災害③桐野炭鉱の爆発
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3つ目の災害は、桐野炭鉱の爆発です。これは、1917年12月21日に福岡県にあった貝島大之浦炭坑桐野二坑で起きたガス爆発事故で、死者は361人だったそうです。
これら3つの災害は、全てリョウメンスクナが移動した地域で起こった災害なのだとされています。にわかには信じられない事態ですが、寺社の関係者からの話によるとリョウメンスクナが移動した時期と事故が一致しているために、どれもウソだとは言い切れないとのことだったようです。
リョウメンスクナの真相
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リョウメンスクナにまつわる怖い話や災害が存在すると言うことが分かっていますが、それらの真相は一体どうなっているのでしょうか。リョウメンスクナの真相について迫ります。
現実とリンクしている点も…
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2chへの投稿者が寺社の関係者から聞いた話の中にあった災害は、現実とリンクしている点もあるようです。話伝いで聞いた災害の発生した時期や死亡した人数などが、現実に起こった災害のそれらと一致しているのです。
リョウメンスクナが原因だとされる災害は、日本国内で1914年からおよそ10年間立て続けに発生しています。リョウメンスクナが移動した地域で起こったとされているならば、それらの災害発生間隔にも辻褄が合うような気がしてくるのではないでしょうか。
実際は創作話の可能性が高い?
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しかしながら実際は、リョウメンスクナにまつわるさまざまな怖い話は創作話の可能性が高いと考えられているようです。日本は災害大国と言われている国でもありますし、現在よりも昔の時代の方が技術面も劣っているのでさまざまな災害が発生していたはずです。
リョウメンスクナのミイラが作られたとされる時期に発生した災害を羅列すれば、最もらしい信憑性のある怖い話が出来上がります。そのため、リョウメンスクナにまつわる怖い話は、ウソの創作話だとされているようです。
リョウメンスクナはネットで有名な創作の怖い話
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リョウメンスクナ(両面宿儺)は『日本書紀』や岐阜県に伝わる民話にも登場するものであるため、実在した物であるかと勘違いしている人も少なくないかもしれません。しかしながら、リョウメンスクナはあくまでも言い伝えられている物語に登場するだけであり、2chへ投稿されていたような事態が起こるという確証はないようです。
しかしながら、奇形という外見の恐ろしさや書き込み内容の具体性も相まって、リョウメンスクナはネット上で評判な創作の怖い話となっているようです。