「その通りでございます」の敬語での使い方
「その通りでございます」を違和感のない使い方で会話の中に取り入れるためには、 言葉の意味についてしっかりと把握しておく必要があります。そのため、これから「その通りでございます」の意味と使い方について紹介します。
「その通り」の意味
「その通りでございます」の前半部分である「その通り」には「その内容が正しい」「的を射ている」という意味があります。つまり「その通り」は相手が意見を言っている状況に限って使用することのできるフレーズであることがわかります。
相手の意見を聞いた後に、その意見に同調することができるのであれば「その通り」というフレーズを使用することができます。もちろん、相手の意見に反対したいのであれば「その通り」ではなくて他のフレーズで自分の意見を表現しなければなりません。
「ございます」の意味
「その通りでございます」の後半部分の「ございます」には「である」「です」という意味が含まれています。それでも「ござる」という言葉に加えて、丁寧語の「ます」が使用されているため、深い敬意も表現することのできるフレーズです。
実際の使い方
意味を理解すると「その通りでございます」の実際の使い方についてもわかりやすくなるのではないでしょうか。
「その通りでございます」には「その内容は正しいと思います」という意味を伝えているため、相手の意見に同調することのできる場合に使用できるフレーズになります。
しかし「その通りでございます」では正しい敬語表現が使用されているため、目上の人と会話をしている時にも使用することのできる表現です。
むしろ、かなり年下の人に対して「その通りでございます」を使ってしまうと堅苦しい表現から違和感を与えてしまう可能性があるので注意しましょう。
「その通りでございます」の類語
「その通りでございます」を会話の中で使用することができるようになったら「その通りでございます」の類語についても学んで言葉のバリエーションを増やすことができます。「その通りでございます」の類語について詳しく紹介します。
類語も「その通りでございます」と一緒に覚えておくと便利です。
おっしゃる通り
「その通りでございます」の類語の一つに「おっしゃる通り」というフレーズを上げることができます。「おっしゃる通り」というフレーズも「その通りでございます」とほとんど同じ意味を伝えているため、両方使い方は一緒です。
しかし「おっしゃる通り」を会話の中で取り入れることができるようになれば、同じ意味であったとしても複数のフレーズで表現することができるようになるため、あなたの会話を聞いている人は心地よく感じるはずです。
「その通りでございます」の使い方
「その通りでございます」の使い方を場面ごとに理解するのは大切なことです。それぞれの場面によって独特の注意点があるからです。
メール
「その通りでございます」 をメールの中でどのようにして使用することができるのか詳しく紹介します。特に、メールの中では話し言葉と違って書き言葉の形で自分の考えを伝えなければならないため、独特の難しさがあります。
そのままで使うのは注意が必要
メールの中で使用する文章は会話とは違った難しさがあります。例えば「その通りでございます」をメールで使用して相手に文章を送ったとしましょう。メールを受け取った相手は「その通りでございます」の意味について正確に理解することができるでしょうか。
自分が同意したい意見がはっきりしているのであれば 「その通りでございます」でも相手を理解することができるはずです。
しかし、相手がすでに送ってくれたメールの中にいくつかの意見が表現されているのであれば「その通りでございます」では不十分です。
なぜなら「その通りでございますって言うけど、どの意見に賛成しているのかな」とメールの受け取っている人は疑問に感じてしまうからです。
確実なのは内容を繰り返すこと
自分の送っているメールの内容を相手に正確に理解してもらいたいのであれば「その通りでございます」だけではなく、同調している内容を繰り返すことが大切です。
「先日言及してくださいました案件についてですが、その通りでございます」というフレーズを作成できます。
何の内容について「その通りでございます」と言っているのかはっきり理解することができるため、メールを受け取っている相手も理解しやすく感じるはずです。メールのやり取りをしている時にはなるべく誤解を防ぐフレーズを使用することがおすすめです。
ビジネス
ビジネスの場面で「その通りでございます」を使用するのも気を使うことです。ビジネスの場面では取引先の人のような重要な人物と会話をしなければならない場合もあるからです。「その通りでございます」のビジネスでの使い方について紹介します。
「ご指摘」で言い換える
ビジネスの場面で取引先の人と会話をしている時に「その通りでございます」を使ったとしても違和感はありません。「その通りでございます」には正しい敬語が使われているため、不快に感じる人もいないことでしょう。
しかし「その通りでございます」ではなくて「ご指摘の通りでございます」というフレーズで言い換えることも可能です。「ご指摘」という言葉には「全体の中から特定の事実を取り上げて示す」という意味が含まれています。
相手が自分の会社の欠点を指摘してくれたのであれば、そのことに対する感謝を示すために「ご指摘の通りでございます」で対応することができます。
「その通りでございます」と「ご認識の通り」の違い
「その通りでございます」と「ご認識の通り」の違いについて説明します。二つのフレーズの意味の違いについて理解して、それぞれのフレーズを上手に使いこなすことができるようになるためです。
違いは同意している内容
「その通りでございます」というフレーズは相手が言っていることに対して同意することができます。しかし「ご認識の通りでございます」では相手が認識していること、つまり「理解するところ」に賛同や同調をしていることになります。
同じような意味を伝えているものの同意している内容が少しだけ違います。相手が考えていることに対して同意したい場合は「ご認識の通りでございます」で対応した方が適切ということができます。
「その通りでございます」の例文
「その通りでございます」が使われている例文を詳しく理解すれば、例文をそのまま会話の中に取り入れることができるようになります。「その通りでございます」を会話で上手に使うことができるようになるためにも例文について詳しく紹介します。
相槌として使うのが良い
会話は一方的にするものではなくて、二人以上の人が発言し合うことによって成り立ちます。相手が何か重要な意見を述べているのであれば、その意見に耳を傾けることによって敬意を示すことができます。
しかし、話を聞くだけではなく相槌を上手に打つことによっても、相手に対する敬意を示せます。
会話をしている相手の人がなにかの重要な意見を述べている時に「はい。その通りでございます」というフレーズを使用すれば「私はあなたの意見に賛成です」という意味を伝えることができます。相槌として「その通りでございます」を使うことをおすすめします。
「その通りでございます」で会話が上手になる
「その通りでございます」を使用することができなかったとしても周りの人との会話を成立させることはできます。しかし「その通りでございます」が使用することができる人は、会話が上手の人が非常に多いです。
なぜなら「その通りでございます」で相手の話を注意深く聞いている事を表現することができるからです。「その通りでございます」が使われている時には、会話をしている人が気持ちよく話をすることができるはずです。
「その通りでございます」を使いながら会話が上手になることを目指していきましょう。