「させていただきたく存じます」の意味と使い方・例文・類語・敬語

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「させていただきたく存じます」の意味と使い方

「させていただきたく存じます」は何らかの行動をさせてもらいたい、ということを伝えるとき使われる表現です。ビジネスにおいては、既に許可や承認を得ているか、許可や承認が期待できる行動をさせてもらいたいという状況で使われます。

謙譲の敬語表現のため、自分や自分の関係者を相手に対してへりくだる言い方になります。使い間違えて相手に失礼な印象を与えてしまわないよう、使い方を押さえておきましょう。

「させていただきたく存じます」の意味

「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語、「存じます」は「思う」の謙譲語です。「させていただきたく存じます」は「させてもらいたいと思う」の敬語表現になります。

メールでの使い方

メールにおいて「させていただきたく存じます」は、自分や自分の関係者が何らかの物事をおこなうことを相手に伝えるときに使われることが多いです。自分の関係者というのはシーンによって変わります。例えば取引先に対してなら、本来自分から見て敬意の対象になるであろう上司の行動に対しても「させていただきます」を用いることがあります。

「今回の式典に参加させていただきます」や「弊社の佐藤が対応に当たらせていただきます」のような使われ方をします。

ビジネスでの使い方

「させていただきたく存じます」はビジネスで使われる機会が非常に多くあります。口頭で使われるときはビジネスメールのときと同様の使い方だけでなく、「今期の新入社員を紹介させていただきたく存じます」や「開会の挨拶をさせていただきたく存じます」のように司会進行のような役割においてもよく使われます。

「させていただきたく存じます」の例文

「させていただきたく存じます」は対象になる物事と行動の内容の組み合わせで、「司会を務める」や「会合に欠席する」など、あらゆるシーンに応用が利きます。

例文では、「ので」や「参加」といった「させていただきたく存じます」とセットで使われやすい表現を取り入れ、より実用に即した文をご紹介します。

ので

「ので」が「させていただきたく存じます」と一緒に使われるのは、「ので」のあとに「よろしくお願い申し上げます」や「ご了承ください」などの言葉が添えられるときです。

「今回から契約内容を一部変更させていただきたく存じますので、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます」のように、「ので」の後に来る依頼したいことの理由説明として「させていただきたく存じます」がよく使われます。

参加

「参加」は「参加させていただくたく存じます」の形で用いられます。何かに参加するかどうかを尋ねられた場合や、招待状をもらった際の返信の言葉とされることが多いです。

「新年会に参加させていただきたく存じます」や「まだ定員に達していなければ、ぜひ参加させていただきたく存じます」のような言い回しをします。

欠席

「参加させていただきたく存じます」の逆で、何らかの出欠席を訪ねられたときの欠席の返事にも、「させていただきたく存じます」で返答できます。

欠席の時は、「欠席させていただきたく存じます」だけでなく、一言お詫びの言葉も添えると、印象を下げることなくお断りすることができます。「せっかくお声がけくださったにも関わらず申し訳ありませんが、今回は欠席させていただきたく存じます」といった例文が考えられます。

ご検討

自分が検討させてもらう側であるので、相手を敬う際に使う「ご検討」ではなく「検討」を使い「検討させていただきたく存じます」とするのが適切です。「ご検討させていただきたく存じます」は誤りなので、注意しましょう。

例文としては「私の一存では決めかねますので、この案件は一度弊社に持ち帰らせていただき、検討させていただきたく存じます」といった表現になります。

「させていただきたく存じます」の類語

「させていただきたく存じます」と同じ意味で使える言葉に、「務めさせていただきたく存じます」や「~いたします」があります。

類語を理解すると「させていただきたく存じます」を伝えたいときにいろいろな表現のバリエーションができるようになりますので、類語も合わせてチェックしておきましょう。

「務めさせていただきたく存じます」

「務めさせていただきたく存じます」も「担当を務めさせていただきたく存じます」のように用いられ、「させていただきたく存じます」とほぼ同義になります。

「させていただきたく存じます」と異なるのは、「誠心誠意務めさせていただきます」といった使い方でわかるように、具体的な行動を示さず何かをさせてもらうという言い方ができることです。

「~いたします」

「いたす」は「する」の謙譲語で、「私が担当いたします」や「参加いたします」のように、「させていただきたく存じます」と同じような使い方ができます。

相手の許可や承認を必要としない行動については「させていただきたく存じます」よりも「~いたします」の方が表現として合っています。

「させていただきたく存じます」の敬語

「させていただきたく存じます」は謙譲表現なので、外部の人に向けて身内や上司などの目上の人を対象にして「○○がさせていただく」という言い方をすることはあり得ます。

基本的には「させていただきたく存じます」は行為をする主体をへりくだる表現なので、目上の人に何らかの行動をしてもらうことを敬語で言い表す場合は「してくださる」が適切です。「先生が演奏のお手本を見せてくださる」のように使います。

「させていただきたく存じます」は二重敬語?

「させていただきたく存じます」は二重敬語で文法的に誤りなのではないかという疑問も感じる人もいるでしょう。しかし、「させていただきたく存じます」は二重敬語には当たらないとされています。

二重敬語は、一語の中に敬語が二回使われている状態のことを指しますので、「させてもらう」と「思う」に分かれている「させていただきたく存じます」は使っても問題ありません。

「させていただきたく存じます」の使いどころ

「させていただきたく存じます」は文法的には誤りでないとされていますが、かなり丁寧な言い回しなので、相手や状況によっては慇懃無礼に感じられてしまうことや、回りくどく感じられてしまうことがあります。

「させていただきたく存じます」は大勢の人の前で話すような公的な場や、かしこまったビジネスメールで使うのに合った言葉です。

「させていただきたく存じます」の間違った用法

「させていただきたく存じます」はいろいろな状況な合わせて使えるので、ついつい多用しすぎてしまいがちです。ところが、使いすぎると本来は適切ではない言葉の使い方をしてしまったり、過剰な敬語表現がかえって嫌味に感じられてしまったりすることがあります。

そのようなことがないよう、ついやってしまうがちな「させていただきたく存じます」の間違いとされている使い方も確認しておきましょう。

「させていただきたく存じます」はかなり丁寧な言葉

「させていただきたく存じます」は「させていただきたい」と「存じます」の二つの敬語から成り立っていますので、使う状況によっては丁寧すぎてしまうということがあり得ます。

メールや会話の内容によっては「させていただきたく存じます」よりも、「させていただきます」や「~いたします」を使い簡潔に表現した方がよいというケースもあります。

「させていただきたく存じます」は相手の許可ありき

「させていただきたく存じます」は相手の許可の許可を得ているか許可が期待できるときに使われるます。自分の裁量で決められることに関して「させていただきたく存じます」を用いるときは使えません。

そのため、「その件については私が承認させていただきたく存じます」のような使い方はあまり適切ではないといえるでしょう。「その件については私が承認いたします」で十分です。

「させていただきたく存じます」をマスター

「させていただきたく存じますの意味と使い方」の記事、いかがでしたでしょうか。「させていただきたく存じます」はビジネスにおいても幅広いシーンで使える言葉なので、覚えておいて損はありません。

反面、相当に丁寧な言い回しなので多用するとくどい印象を与えてしまう言葉でもあります。類語を活用し、ビジネスでも日常的な会話の時はもう少し簡潔な表現を使う工夫をするとよいでしょう。

「させていただきたく存じます」の適切な使い分けをマスターして、表現力を磨いてみてください。

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