「乾いた笑い」という表現を見聞きしたことがある方も多いでしょう。皆さんは「乾いた笑い」について考えた時、どのような笑い方を想像しますか?今回は「乾いた笑い」の意味や使い方を分かりやすく解説。また、そんな乾いた笑い方をする人の特徴や心理もご紹介いたします。
乾いた笑いが聞こえる時
「乾いた笑い方をするよね」と、誰かに言われたことはありませんか?例えば、友人の面白くない話に付き合っているとき。もしくは、考えごとをしていて、相手の話をよく聞いていなかったときなど。 でも、「乾いた笑い」って何でしょうか?「乾いた笑い」の意味について、誰かにきちんと説明することはできるでしょうか? 「乾いた笑い」の意味をもっと掘り下げてみましょう。
乾いた笑いの意味とは?
「乾いた笑い」とは、冷たい笑い声や笑い方のことです。また、人間味やあたたかみ、優しさや喜びを感じさせない笑いのことをいいます。 ぬくもりを感じられない冷たい笑いですので、しばしば他者の気分を害し、不愉快な気持ちにさせてしまいます。
乾いた笑いの使い方・例文
「乾いた笑い」という言葉は、実は文章でよく使われる言葉です。「乾いた笑い」は名詞として使うことができます。また、「乾いた笑いを浮かべた」といったように、動詞として使うこともできます。 「乾いた笑い」の例文を以下に二つほどご紹介します。 「同僚の失敗に対し、先輩はバカにしたようすで乾いた笑いを浮かべた。」 「父親がダジャレを言うと、姉は乾いた笑いを漏らした。」
乾いた笑いの類語
「乾いた笑い」の類語をご紹介します。 「冷笑」は「乾いた笑い」の類語です。「冷笑」はさげずみ、他者を見下し笑うことです。 「あざ笑う」もまた「乾いた笑い」の類語となります。人をバカにして笑うことです。
乾いた笑い方をする人の特徴
「乾いた笑い」の意味や使い方などを解説してきました。 しかし、一体どういう人たちが「乾いた笑い」をするのでしょうか?やはり、性格に問題がある人たちが「乾いた笑い」をするのでしょうか? ここでは、「乾いた笑い」をする人たちの特徴を詳しく解説していきましょう。
コミュニケーション能力が低い
「乾いた笑い」をする人には、コミュニケーション能力が低いという特徴があります。 コミュニケーション能力が低い人たちは、人とコミュニケーションを取ることが苦手で、一人で過ごすことを好む傾向があります。それゆえに、人との関りにあまり慣れていません。また、他者を信じることがなかなか出来ないことがあります。 そういった人たちが他者と関わる際には、どうしても緊張してしまいがちです。その結果、笑顔が「乾いた笑い」になってしまうことがあります。周りの人たちはそういった乾いた笑いを不自然に感じてしまうこともあるでしょう。
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考えごとをしている
誰かと会話している最中、うっかり考えごとをしていて「乾いた笑い」をしてしまうことがあります。何か他のことを考えており、相手の話をちゃんと聞いておらず、とりあえず笑ったら「乾いた笑い」になってしまった。 そういった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか? しかし、「乾いた笑い」は他者にあまり良い印象を与えません。また、相手にも話を聞いていなかったことは伝わってしまうものです。時々は仕方がないですが、頻繁に「乾いた笑い」をしないようにしましょう。
深刻な悩みや問題を抱えている
どうしても頭から離れない深刻な悩みや問題を抱えており、「乾いた笑い」になってしまうケースがあります。 人生山あり谷あり。時として、心をひどく掻きむしられるような、そんな悩みを抱えてしまうこともあります。それは、誰にでもあり得ることです。そのような状況ですと、相手の話をしっかり聞くことや、自然な笑いをすることは難しいでしょう。 あまりよく知らない相手がそのような状況におちいっている場合、なかなかそれに気づくことは難しいです。しかし、よく知っている相手なら、なんとなく察してくれる可能性もあります。
シニカルな性格
「乾いた笑い」をする人には、シニカルな性格という特徴があります。 いわゆる、「性格が悪い」人たちの笑いが、「乾いた笑い」になることがあります。元々の性格に問題があり、態度や言動が否定的で、皮肉を言うことを好みます。そういったタイプの人たちは、しばしば「乾いた笑い」をします。
こういった人たちは他者を見下し、バカにしていることが多いです。相手を侮っている際に、「乾いた笑い」が出てきてしまいます。 この場合の「乾いた笑い」には、否定的な意味が多分に含まれています。笑われた人は気分を害し、「なんて失礼な人だ。」と、強い怒りを感じることでしょう。
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本当は面白いと思っていない
本当は面白くないと思っているとき、笑いに心がこもらず「乾いた笑い」になってしまうことがあります。 それは単純に、誰かが言った冗談が面白くない場合もありますし、性格的な違いにより、笑いのツボが異なる場合もあります。 しかし全く面白いと思っていなくても、笑わなければならないようなシチュエーションを経験された方も多いことでしょう。例えば上司の冗談を、心底面白くないと思っていたとしても、笑わざるを得ませんよね。
また仲間同士の会話中においても、みんな笑っているから合わせて笑う、というような場面があります。そういった場合の作り笑いは、「乾いた笑い」になってしまうことがあります。 こういった状況においては、相手に作り笑いがバレてしまうと、不快な気持ちにさせてしまう可能性もありますので、注意ですね。
乾いた笑い方をする人の心理
「乾いた笑い」をする人たちの特徴を見てきましたが、彼らは内心では一体どんなことを考えているのでしょう?
共感していない
共感していない状況での笑いは、「乾いた笑い」になることがあります。 人はみな、生まれ育った環境や性格が異なります。ですので、いつも他者の言うことに共感することは、難しいことでしょう。家族であっても、親友であっても、恋人であっても、共感できないことがあって当然です。 内心では共感できないと思っている場合、感情を込めて笑うことはなかなか出来ません。その結果、「乾いた笑い」になってしまうことがあります。
かっこいいと思っている
「乾いた笑い」をすることが、実はかっこいいことだと思っている人たちもいるのではないでしょうか? 確かに、映画やドラマのクールな登場人物は、顔をくしゃくしゃにさせて、大きな声で、笑ったりしませんよね。あたたかさがこもっていない、冷たい笑いが逆にとてもかっこ良かったりします。
「乾いた笑い」をする人の中には、そういった映画やドラマの影響を受けて、クールな登場人物に憧れている人もいそうですね。この場合の「乾いた笑い」に関しては、不快な気持ちにさせられることはあまりなさそうです。 シチュエーションによっては、トキメクこともあるかも知れません。
見下している
心の中で人を見下し、バカにしていると「乾いた笑い」をすることがあります。 人を見下したり、バカにしたりする気持ちが強ければ、嘲笑のような「乾いた笑い」が出てきてしまいます。この「乾いた笑い」は、周りの人たちの気分を害してしまうでしょう。 自分の方が上だと感じたとき、人は喜びを感じたり、安心を感じたりするものです。多少は誰にでもある心理ではありますが、それが度を過ぎると、周りの人たちに嫌われてしまうかもしれません。
幼少期のトラウマ
「乾いた笑い」をしてしまう人たちの心の奥には、幼少期に刻まれた、まだ癒えていない心の傷が残っている場合があります。 例えばコミュニケーション能力が低い人たちは、他者とのコミュニケーションに苦手意識があり、「乾いた笑い」をしてしまうとお伝えしました。
そういった人たちは幼少期の体験や親や周りの人たちとの関係が上手くいかなかった人たちもいます。そのことが原因となり、人との関りが上手くいかないのです。 彼らは、意図的に「乾いた笑い」をしているわけではなく、むしろ自然な笑いができないことに悩んでいるのかもしれません。
その笑いは本当に「乾いて」いるのか?
「乾いた笑い」をされて、嫌な思いをした。そんな経験をされた人も多いでしょう。 また、なかなか心のこもった笑いができず、「乾いた笑い」となってしまうことに悩んでいる人もいるでしょう。 「乾いた笑い」は、された人たちにマイナスな気持ちを与えるものです。しかしそういった「乾いた笑い」をする人たちが、いつも悪意を持ってやっているわけではありません。
相手をバカにして、明らかに否定的な意味での「乾いた笑い」をする人はいます。しかし、つい考えごとをしてしまい、「乾いた笑い」になってしまうことがあります。また、共感したいけど共感できず、「乾いた笑い」をしてしまうこともあります。 全ての「乾いた笑い」が本当に「乾いて」いるわけではないでしょう。「乾いた笑い」をしてしまったからといって、必ずしも相手の方が嘲笑された、見下されたと判断しているわけではないでしょう。 また、「乾いた笑い」をされた際には、すぐにバカにされたなどと被害者意識におちいる前に、「考えごとでもしていたのかな?」と、少しゆとりを持って受け止めたいものですね。
乾いた笑い方だと言われてしまう人が笑い方を改善させるには?
「乾いた笑い」は、周りの人たちにあまり良い印象を与えません。ですので、もし頻繁にそのような笑い方をしてしまうのなら、なんとか改善させたいですよね。 ここからは、乾いた笑い方を改善させる方法をご紹介いたします。
癖を自覚する
「乾いた笑い」をすることが、癖になっている場合。まずは自分を客観的に観察し、「乾いた笑い」が癖になってしまっていることをしっかり自覚しましょう。 なかなか自分では自覚しにくい場合、「乾いた笑い」をした際には教えてもらうなど、仲の良い人に協力してもらうのも良いでしょう。 「乾いた笑い」は、された人たちの気分を害してしまう可能性がありますので、そのような笑い方はしないように努めましょう。
笑い方を真似してみる
優しさやあたたかさを感じられるような笑い方は、「乾いた笑い」とは真逆の笑い方です。 あなたの周りの、そのような心のこもった笑いを自然にできる人を観察してみましょう。そして、真似して笑ってみましょう。 何度も真似して笑っていると、その笑い方が癖になり、自然な笑い方が出来るようになっていくでしょう。鏡の前で、毎日練習してみてください。
根本的な原因の追究をする
何が根本的な原因となって「乾いた笑い」をしてしまうのか、原因を追究してみましょう。 「乾いた笑い」をしないように努めることや、気持ちのこもった笑い方の真似をすることは、人によっては対症療法のようなものにしかならないかもしれません。根本的に改善させたいのなら、掘り下げて考えていく必要があるでしょう。 例えば、人間関係が苦手であることが「乾いた笑い」の根本的な原因かも知れません。または、自分に対する自信が全くないので、人を見下すことで自己肯定感を得ている。そのことが原因で「乾いた笑い」をしてしまう人もいるでしょう。
何が原因かを突き止めたら、その原因となるものをどのように克服するか、考えたり、調べてみましょう。そうやって真摯に自分自身に向き合い、どんどん掘り下げていくことがとても大切です。 心理学系のサイトや本などに、克服する際のヒントが見つかることがあります。
カウンセラーに相談する
「乾いた笑い」の原因を追究し克服するのは、自力では不可能である場合。 例えば、幼少期の傷や親との関係が原因で、コミュニケーション能力が低くなってしまった場合。そういったケースでは、心の傷が深いことも多く、自分で癒し克服していくのは困難なこともあります。
自力では限界を感じる場合は、思い切ってカウンセラーに相談してみるのも良いでしょう。プロに相談することで、心の癒しがスムーズに進む可能性があります。 カウンセラーのホームページやブログなどを読み、信頼できそうだと感じるカウンセラーに相談すると良いでしょう。
焦らないこと
「乾いた笑い」を今すぐやめたい。その気持ちはとてもよく分かります。 しかし、自分自身を変えることは、簡単なようでとても難しいことです。特に、迅速な変化を望むと、失敗に終わることも多々あります。例えばダイエット。すぐに体重を落としてしまうと、しばしばリバウンドしてしまいますよね。 人には潜在意識の抵抗というものがあり、現状維持しようとしてしまう力が自然に働いてしまうのです。自然な笑顔を取り戻すために、ぜひ頑張っていただきたいです。しかし、焦らず無理せず、取り組んでみてください。
さまざまな種類の「乾いた笑い」
「乾いた笑い」とは、されると嫌な気持ちになる笑い方です。いつも人を見下し、バカにするような、明らかに性格的に問題がある人の「乾いた笑い」は、有害です。 しかし、これまで解説してきたとおり、「乾いた笑い」にも色々な種類のものがあります。 人間関係が苦手であったり、深刻な悩みを抱えていたり、そういったさまざまな原因により、仕方なくそのような笑いになることがあります。また、「乾いた笑い」をせざるを得ない場面もあります。
うっかり「乾いた笑い」をしてしまい、指摘などされたとしても、あまり気にしないようにしましょう。人はみな、「乾いた笑い」をどこかでしてしまっているものです。 また「乾いた笑い」が癖になっている場合は、無理せず自分のペースで、ゆっくり改善させていってください。