人間関係でとても大切で、自分の心を育てる意味でもとても大切な「思いやり」。ここでは、円滑なコミュニケーションのための本当の「思いやり」とは何か、どうしたら「思いやりのある人」になれるのか、をご紹介していきます。思いやりの意識で毎日を変えていきましょう!
思いやりの意味とは?
思いやりとは、相手の状況をよく考え、「自分がその人の立場だったら…」と本当の意味で同情する(同じ思いに立つ)ことです。その上で、必要なところだけ、手を貸したり助けたりすることです。相手と同じ目線でものを考え、相手に温かい気持ちで接することでもあります。 仕事で新人の頃、相談する方法も分からなくて一人で困っているときに、さり気なく先輩や上司がアドバイスをしてくれたり手助けしてくれた、という経験はありませんか?まさにこれが思いやりです。 思いやりとは、人が人と助け合い、優しい気持ちでコミュニケーションするために、とても大切な気持ちです。また、人への思いやりを実践していくことは、自分の心を育て、心を豊かにすることにも繋がります。
思いやりとは何か
思いやりとは、その場その場で相手の気持ちを想像したり、相手の立場に立って考えること、そしてそれに基づいて相手のために行動することです。 パートナーに話しかけてもろくに返事もしてくれないとき、「ちゃんと話してよ!」とついムッとしてしまいがちですよね。でもここで相手をよく見れば、疲れている様子に気づけるでしょう。そうすれば「今は話したくないだろうな」と、そっとしておくこと、これが「思いやり」です。 人に思いやりを持って接するには、普段から相手のことをよく観察する、相手がどんな状態なのか考えてみる、といったちょっとした努力が必要になります。 日頃からそうした気配りができていれば、今、相手が元気なのか、疲れているのか、という変化も分かるようになりますから、相手の状況に応じた対応、つまり「思いやり」ができるわけです。
人間関係を円滑にするために必要な「思いやり」
私たちは、家族、友人、仕事の同僚など、色々な人と関わって生きています。相手の都合を考えず、自分の気持ちを一方的に主張するだけでは、ギスギスして上手くいくものも上手くいかなくなってしまいます。 家庭でも仕事でも、おたがいがおたがいに配慮し、思いやりをもって接することは、円滑でストレスのない人間関係を築くために、とても大事なことです。
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思いやりがある人ってどんな人?
では、そのような「思いやり」がある人とは、どんな人のことなのでしょうか。 たとえば、上司に間違ったところを指摘されたとき、ただ「間違っている!」と言われただけでは困ってしまいますが、「これこれの点が間違っている」「こう考えたら良いのでは?」とさり気なく少しヒントを出してもらえるととても助かりますよね。 このように、相手の立場に立って、さり気なく手を差し伸べてくれる、これが「思いやりのある人」です。
思いやりがある行動の具体例
思いやりのある人とは、普段からまわりや相手の状況をよくみています。そうすることで、相手がそもそもどういう人なのかを知っており、相手の変化や状態に気づくことができます。ですから、「必要なところだけ手を差し伸べる」ことができます。 次に、そうした思いやりを発揮できる人はどういった行動をしているのでしょうか。以下に詳しくみてみましょう。
人に接するときは笑顔で
思いやりのある人は、普段から笑顔で人に接しています。笑顔は相手に安心感を与えますから、相手への思いやりの第一歩です。
自分の周りの人たちやその状況をよく見ている
タイミング良く困ったときに必要な手を差し伸べてくれるのは、まさに思いやりからくる行動といえます。こういう的確な思いやりができるのは、普段から周りに気配りができているからです。 周りをよく見ていて、困った人がいればさりげなく助けに入ってくれる、そんなひとは思いやりのある人といえるでしょう。
小さなことでも「ありがとう」の一言を伝えることができる
相手に「ありがとう」と感謝を言葉で伝えることも、相手への思いやりの現れです。大仰なことをする必要はありません。人に対して思いやりを持っている人は、頼み事を引き受けてくれた同僚や、レジや食事を運んできてくれた店員に一言「ありがとう」と言葉でさらりと伝えることができます。 きちんとお礼ができるのも、思いやりの一つです。
いったん落ち着いて相手の事情を聞くことができる
連絡をしたのに相手からいつまでたっても返事が来ないとき、イライラしますよね。でも、イライラしたとしても、いったん立ち止まって、「相手に何か事情があったのかもしれない」と考えることができるのが相手への思いやりです。 つまり、自分の怒りにまかせて相手を責めるのではなく、いったん落ち着くこと。そして、なぜそうなったかの理由を聞くことができるのが、思いやりのある行動です。
思いやりがある人の特徴・性格・心理
次に、人のことをよく見て、感謝ができる、そして必要な助けを必要なタイミングで必要なだけできる、そうした「思いやりのある人」というのは、どういった性格や心理を持っているのでしょうか。 「思いやりのある人」の特徴を以下に詳しくみてみましょう。
想像力がある
思いやりがある人はまず、相手を普段からよく見ていて、相手の今の心身の状態はどうなのかを察しようとする、察することができる人です。 そして、観察で得た相手の情報を元に、「自分がその人と同じ立場だったらどう感じるか、どうして欲しいか」を考えられる人です。
誰に対しても丁寧な態度で接する
思いやりがある人が配慮する「相手」は、仕事で関わりのある人や親しい人に限りません。お店で店員に乱暴な行動をとる人がいますが、「自分がもし店員の立場だったら」と考えたら、そんな態度をとられるのは嫌ですよね。 周囲の人のことを「自分だったら」と考え、どんな人にも丁寧な態度をとることができるのが、思いやりがある人の特徴です。
いつも周りへの感謝を忘れない
思いやりがある人は、周囲の人に感謝の念を常にもっています。なぜなら、自分が生きていけるのは、自分に配慮してくれている人たちがいてこそ、ということを理解しているからです。 思いやりがある人が、ちょっとしたことでもさらりと「ありがとう」と言えるのは、周りからのサービスや助力を当たり前のことだとは思わず、日頃から周りに感謝して気配りしているからこそです。 ですから、失敗した人にも寛容に接することができます。思いやりがある人は、自分も失敗したり、それで人に迷惑をかけることがあるということを分かっています。ですから、失敗した人にも寛容に接することができます。
相手と自分は「違う人間」ということを理解している
物事に対する感じ方は人それぞれです。賑やかな場所でウィンドウショッピングをすることが大好きな人もいれば、苦手な人もいます。自分にとっては楽しいことが、相手にとっても楽しいとは限りません。 思いやりのある人は、他人は自分とは違う価値観を持っている、物事への感じ方や捉え方も違うということをわかっています。 そうやって、自分とは違う価値観を学ぶことから、常に自分の心を育てている人でもあります。
「あえて行動しない」こともできる人
相手のことを色々考えたとしても、そのすべてを行動に移すのではなく、「控える」ことができる人が思いやりのある人です。他人の気持ちや状況を察するのには限界があります。たとえば仕事の関係で知り合った人などは、そもそもプライベートが全く分からない場合もあるでしょう。 「思いやり」が勝手な押しつけになってしまうこともあることを理解すること。そして相手の状況や心情を今ひとつはかりかねるときには、「あえて何もしない」。こうしたことができることも、思いやりがある人といえます。
思いやりがない人の特徴・性格・心理
世の中には逆に、思いやりのない人たちもいますよね。考えるのは自分のことだけ、周りの迷惑を全く考慮しない自分勝手だったり、「私はこれが良いと思う!」と親切の押し売りをしてきたり。 こういった、周りに迷惑をかけてしまう「思いやりがない人」の特徴や心理はどうなっているのでしょうか。以下に詳しくみてみましょう。
自分のことしか頭になく、他人に無関心な人
自分(の欲求)にしか関心を持っておらず、「自分の周りの他人に興味がない、関心を払わない」性格の人です。自分の利益だけしか考えない人は、自分の要望が通りさえすれば良く、周りの人間はいないも同然。 もちろん、他人に配慮するようなことはしないので、思いやりの心を持つことはできません。そもそも他人に関心がないので、思いやるという気持ちを持つこともできないのです。
他人にしてあげたことに必ず見返りを求める人
「これだけやったのだから、このくらいは返してくれて当然」と思っている人です。こういう人の思いやりは、「自分が望むようなお返しをしてもらうため」、つまりあくまで自分の後の利益のためであって、相手を思いやっているわけではありません。見返りを期待した「思いやり」は、思いやりではありません。 こういう人は、本人は「思いやり」と思い込んでいても、端から見れば「親切の押しつけ」になっていることが多いです。
相手のことをろくに見ず「こうに違いない」と決めつけて」しまう人
思いやりが親切が空回りになったり押し売りになっている人は、相手の人となりや状態をよく見ることもせず「こうに違いない」と思い込んでしまう傾向があります。 たとえば、「あの人はシングルマザーだから何か性格に問題があるに違いない」とか、外から見えたその人の状況などから、その人がどういう人か、勝手に判断して決めつけてしまうのです。 相手の気持ちも考えず行動する人は、実は相手の都合を考えていないので、「思いやりがない」行動に出やすいです。「自分は正しい、相手は間違っている」「自分は相手を思いやっている」と無意識に思い込んでいるのが特徴です。 たとえば、病院等できちんと本人が納得した治療を受けている病人に、「それじゃダメ!」とあれやこれやと別の治療法を押しつけるようなことは、思いやりの押し売りであり、かえって相手に迷惑をかけてしまいます。
人に優しくすることで自己満足したい人
あれこれ親切にしてきたあげくに「あなたのためにやってあげたのに!」と親切にした相手に怒る人は、人のために何かをやってあげることで自分が良い人になりたいだけの人です。 その人の「思いやり」は、相手のためではなく、「自分は優しい人である」という自己満足のためになってしまっています。 行動の目的が、思いやりの本来の目的であるはずの「相手のため」ではなくて、「自分のため」なので、相手に「自分が親切な行為だと思い込んでいること」を押しつけるだけの結果に終わります。 相手の都合も考えているわけではないため、その行動は思いやりになるどころか、かえって相手の負担になってしまうことも多いです。
自分のできる限界を超えてまで、人を思いやる人
自分のできる範囲を超えて人を助けようとする人も実は「隠れ」自己満足タイプの人で、本当の意味での「思いやり」ができない人です。 無理に無理を重ねれば、いつの日か必ず心か体がおかしくなります。ある日突然「どうして私には思いやりを返してくれないの?!」とキレたり、いきなり連絡を絶ったりして周りを戸惑わせるのがこのタイプの人の特徴です。 自分の気持ちを押し殺してまで相手の願いを叶えることは、思いやりではありません。それは実のところ、他人にいい顔をしたいという自己満足の裏返しであって、真の思いやりとはいえません。
思いやりのある人とない人の違いは?
今まで思いやりのある人、ない人の特徴をそれぞれみてきました。では、そもそも思いやりがある人とない人の大きな違いは何でしょうか。 それは、一つには「周りの人に本当に関心を持っているかどうか」、もう一つは「自分と相手は違う(価値観を持つ)人間だということを理解しているか」、ということです。 それは具体的にはどういうことなのでしょうか、以下、みていきます。
周りの人を関心を持って見ているかどうか
思いやりのある人は、自分の周りの人に関心を払っています。あなたは家族は最近何をやっているか知っていますか?同僚はどんな人ですか?あなたの友達はどんなことが好きで、最近悩んでいることは何でしょう?そうしたことにアンテナをいつも張っている人です。 関心を払うのは、身近な人だけでなく、単に道ですれ違う人などについてもそうです。状況を見てお年寄りに席を譲ることなどのさり気ない思いやりは、自分の周りの人たちに関心を持って見ていないと気がつかないことです。
私たちはついつい、自分のストレスや仕事で一杯一杯になってしまいがちです。不満ばかり抱えて、自分の辛さで頭がいっぱいになってしまいます。そうなるとどうしても自己中心的な考えや行動になってしまいます。まさに、「思いやりのない人」になってしまうのです。 まずは「ほんの少し」周りに目を向けることが、人を思いやることの第一歩になります。 また、そうやって周りに目を向けることは、「この人はこういう人だったのか」「こういうときにはこう考えれば良いのか」という発見も多く、自分の心を育てることにも繋がります。
周りの人に感謝をしているかどうか
周りを見るようになってみると、自分と同じように辛い思いをしている人たちがいることや、自分に気を配って思いやりを持って接してくれている人の存在に気がつけるようになります。感謝を持つことは、自分の心を育て、視野を広げてくれるのです。 さり気なくサポートしてもらっているのに気づかなかったり、「私は大変なんだから助けてくれて当たり前!」という気持ちでいると、周りを思いやるどころか、人が離れていってしまい孤立してしまいます。 どんな小さなことにも「ありがとう」という気持ちを持つ。それが周囲の人に対する優しさとなって現れてきます。それこそが「思いやり」です。
自分と違う考えや価値観を認められるかどうか
私たちはそれぞれ全く違う家庭に育ち、それぞれの環境でそれぞれの人生を生きています。長い休日の使い方一つとっても、お盆や正月に親戚一同集まる家もあれば、家族だけで海外旅行に行くのが恒例という家庭もあるでしょう。 自分が思っている「当たり前」は、人にとっての「当たり前」とは限らないのです。ここで「自分が正しい!」と主張しては、他人を思いやることはできず、仕事でも家庭でも人間関係がギスギスしてしまいます。 思いやりをもって、価値観が違う相手の主張にも耳を傾けて理解するようにすれば、「私は正しい、あなたは間違っている!」といった決めつけもせず、相手の立場に立った思いやりを発揮しやすくなります。
思いやりを拒否された時に受け入れられるかどうか
私たちはそれぞれ違う人格をもっています。同じ出来事に出会っても、感じたり考えたりすることも人それぞれ。どうしても考え方が理解出来ない人もいるでしょうし、性格がどうしても合わない人もいるでしょう。 ですから、いくら頑張って相手を思いやったとしても、思いやりが空回りしていまうこともあります。 そうなったとき、「どうしてこちらの思いやりをわかってくれないの!」と腹が立つこともありますが、「人はそれぞれ違うのだから、こういうこともある」と流して、手を引くことが大事です。
思いやりの心で毎日は大きく変わる
人は一人では生きていけません。毎日、あらゆるところで色々な人と関わって生きていきます。みんな違う家庭で育ち、違う人生を送っているのです。習慣やマナー、考え方が全く違う人もいるでしょう。 おたがいに配慮し合い理解し合おうとする「思いやり」は、一人一人異なる考えを持つ私たちがコミュニケーションをとるのに必要で、かつとても大事なものです。 また、違う価値観を学ぶことで、自分の心を育てることにもなりますし、そうやって思いやりを持つことで、何より自分が快適な人間関係を築いていくことができるようになります。 思いやりの心を自分の心の中に育てることは、自分自身と自分の世界を豊かなものに変えていくことに繋がっているのです。
思いやりは人間関係の潤滑油になってくれる
自分と違う考えの人と話すとき、私たちは反発しやすいです。「どうしてそんな風に考えるの?」と。反発をもったまま、おたがいが自分が正しいと主張していては、コミュニケーションが成立しません。 そのときに、「ああ、この人は自分とは違う考えをもっているのだな、私は気にしないけれど、この人はこういうときすごく気にするのだな」と相手をに対する思いやりの心が双方にあれば、おたがいに気持ちよくやりとりができます。 このように、人間関係を円滑にするために、思いやりは欠かすことができません。
思いやりが循環することで、自分も相手も幸せになれる
私たちは特に身近な人間について、毎日のようにみているのに、「わかっているから」「わかってくれるだろうから」とおろそかにしがちです。 身近な人にこそ、思いやりを持って接するようにすれば、家族の悩みを見過ごしてしまう、などということもありません。 また、思いやりのある行動をすることは、思いやりのある行動がかえってくることでもあります。そうした思いやりの循環が、自分も周りも幸せにします。
自分とはまったく違う価値観を学ぶことができるようになる
他者を理解し、思いやりをもって接していくことで、自分の心が成長します。 自分と自分と似たような人たちだけの世界に閉じこもるのでは、視野が狭くなってしまいます。自分とは違う価値観を持つ他人を理解していくことは、自分の中にはないものを取り込むことができます。 特に価値観が異なる人たちが集まる仕事の上で、相手を理解しようと努力することは、物事に対する色々な見方を学ぶことになり、自分の心の成長に繋がります。 思いやりは、自分を育てていくのにも大事なのです。
思いやりと恩着せがましい親切の違いは?
「あの人に親切にして上げたのに嫌な顔をされた!」という愚痴を聞いたことはありませんか。思いやったつもりが、逆に相手を怒らせてしまって気まずくなった…ということもあると思います。 相手を思いやっているはずなのに、何故相手に迷惑をかけたり、恩着せがましい親切になってしまったりするのでしょうか?その違いは何でしょうか? 以下、その違いを見ていきましょう。
思いやりは最初から最後まで「相手のため」にすることが必要
本当に相手を思いやっての行動であるかどうかは「自分の思いやりが間違いや迷惑だと分かったらやめることができる」かどうかでわかります。 人間ですから、家族同士ですら分からないことはたくさんあります。相手を思いやっての行動であっても、思わぬ理由で相手にとっては迷惑になることもあります。 そんなときに、まさに「相手の立場や考えを思いやって」、謝罪して手を引く、そこまでできることが相手への「思いやり」なのです。 思いやりを受け取ってもらえなかったときに、「私はあなたを思ってやったのに!」と怒るのであれば、それは「思いやり」と称して、自分が「良い」と思っていることを押しつけてしまうことになります。 最後まで、「思いやり」はあくまで「相手のため」ということを忘れないことが必要です。
見返りを求めるのは「思いやり」ではない
思いやりは相手のための行動なので、相手の満足が目的です。ですから、あえてお礼や見返りを必要とはしません。 何かにつけて「あのとき親切にして上げたのに」などといってくるのであれば、その「親切」は相手のためではなく、まさに相手に恩を着せるための行為であって「相手から見返りを得ること」が目的の行為です。それは思いやりとはいえません。
本当の思いやりの心を持つための方法は?
自分ではなく、相手のためを考えることが「思いやり」。 では、相手にとって押しつけがましくなったり、空回りしないような、相手のためになるような「本当の」思いやりの心を持つためには、どうしたらいいのでしょう。どのような心構えや習慣を持って、自分の心を育てていけばよいのでしょうか。 以下に、いくつかポイントを上げてみました。
周りの人に少しずつ関心を持つ
まず、相手のことを「このひとはどういうひとかな?」と興味を持っていないと、相手を理解することもできません。 家族、友達、同僚、上司……自分の周りの人を「ああいう人だ」と分かったつもりになって、その変化に気づかない、ということはよくあります。この人はどういう人なのか、今どういう状態なのだろう、と改めて関心を持ってみてみましょう。
相手の立場に立って考える癖をつける
相手に関心を持ってみていれば、相手の状況がよく分かるようになります。その状況に基づいて、相手の立場を考えてみることが必要になります。とはいえ、「相手の立場に立って」といわれますが、どうやればいいのかわからないですよね。 そんなときは、「自分が相手と全く同じ状況に置かれたら、自分はどう思うか」と想像してみましょう。そうすれば相手の立場を理解しやすくなり、ひいてはそれが思いやりに繋がります。 そうやって、自分にない考えを学ぶことは、自分の心の成長にも非常に有益です。
ひとりよがりにならない
「相手は自分とは違う人間なのだ」ということを頭の隅にいつも置いておくことが大事です。 自分が良いと思うことが、他人にとっても良いとは限りません。思いやりを実際に行動に移すときには、相手の反応を確認しながらしましょう。 落ち込んでいる友人を励ますつもりで賑やかに過ごしたところ、かえって迷惑がられたなんて経験はありませんか。 人は「自分が良いと思うことは、相手にとっても良いはず」と思い込んでしまいがち。でも、落ち込んでいるときにぱっと気晴らししたい人もいれば、一人静かに過ごしたい人もいます。自分が楽しめることが、相手にとっては負担でしかないこともあります。 「相手は自分とは違う人間」ここから始めてみましょう。
時には自分から手を差し伸べてみる
それでも、相手の状況がどうしても分からないときなどは、思いきって「何か私にできることはありますか?」などと、自分から相手に落ち着いて切り出してみましょう。 どうしたら良いか分からないときは、自分から相手に積極的に手を差し伸べるのも思いやりの一つの形です。 そうやって、相手に手を差し伸べて良いとき、悪い時を一つ一つ学ぶことも大事なのです。
相手のために無理をしない
特にパートナーとの関係では、「私が我慢すれば…」「私がやってしまえば…」と無理をしがちです。自分の限界を超えた思いやりは、相手にかえって気を遣わせたり、あるいは相手が増長したりと、良い結果をもたらしません。 相手への思いやりは、「自分のできる範囲でやる」ことを心がけることが大切です。自分に余裕がないなと感じたときには、まず自分を思いやってあげてください。自分を思いやることで自分の心を育てることも、思いやりを持つために大事なことです。
断られても気にしない
人には思わぬ面があったり、見えない事情があったりします。そのために、思いやりがかえって相手の負担になってしまう場合もあるでしょう。そうやって拒絶されても、「ああ今回は失敗したな、この人はこういう事情があったのだな」と思うに止めて流しましょう。 もし迷惑をかけた場合には謝って手を引きましょう。引くタイミングを見極め、「引き際」をきちんとするのも、相手に対する思いやりです。
思いやりは、笑顔と感謝から始めましょう
思いやりは周囲の観察と配慮が基本ですが、「相手の立場に立ってモノを考える」ということも、普段からの積み重ねが大事です。色々な人に接して、失敗と反省を繰り返すこともあるでしょう。 自分とは全然違うタイプの人に出会えば、戸惑うことも多いですし、「立場に立って考える」ことが難しいこともあります。 では、「思いやりのある人」になるためには何から始めていけばいいのでしょうか?
まずは「笑顔で」人と接してみる
まずは周りに笑顔で接することから始めてみましょう。はい!と明るく返事をしてにっこり笑う。そこまでは…と思うならば、普段から口角を意識して少しだけ上げるように気をつけてみるだけでも良いのです。 笑顔で人に接することは、自分のストレスを下げることにも繋がりますし、周りの印象も良くなります。そうして周りとのコミュニケーションも増えていけば、周囲の人のことも分かるようになってきます。
相手への感謝を言葉して伝える
そして次に、身近な人に「ありがとう」「ごちそうさま」と思いきって一言伝えてみる。周りの人に感謝すること、そして感謝を言葉に出すことは、自分も相手も気持ちよく過ごすことができる第一歩です。それも大切な思いやりです。 そうして、感謝ができる人になれば、相手も心を開いてくれやすくなります。最初は理解出来ないと思った人でも、笑顔で接し、話してみたら悪い人ではなかった…ということもよくあることです。 そうやって「全く違う」相手とちゃんと向かい合い、おたがいに理解することは、思いやりに必要な想像力も養えますし、なにより自分自身の成長にも繋がります。
良い人になろうと無理をしない
そして、無理をしないことが大事です。人にいい顔をしようとしたり、自分の限界を超えた無理な思いやりは、自分に負担です。結局自分のストレスをためてしまい、自分が辛くなってしまいます。 笑顔で、軽やかに「思いやりのある人」を目指しましょう!