いじめ後遺症は克服できる?症状診断チェック・治し方のポイントは? 

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子供の頃に受けたいじめが原因で大人になっても残る後遺症をいじめ後遺症といい、さまざまな症状に苦しんでいる方も多くいます。

また自分の抱えている悩みがいじめの後遺症と気づいていない方も含めると、非常に多くの方が苦しんでいるようです。

目次

いじめの後遺症とは

いじめ後遺症という言葉を聞いたことはありますか?最近話題になっている言葉ですが、子供の頃に受けたいじめが原因となって、さまざまな精神的な問題が引き起されることをいいます。以前から社会問題になっているいじめですが、いじめられているときだけではなく、その後、何十年と経ってもいじめによる後遺症から抜け出すことができず苦しんでいる方が大勢いるのです。

いじめというと、いじめを受けているそのときだけが辛いと思われがちです。例えば小学校のときにいじめを受けていた場合は、1年間我慢してクラス替えがあればいじめがなくなることもあります。この1年我慢すればいじめから解放される、卒業まで我慢すればいじめられなくなるとぐっとこらえている方も多いでしょう。でも、いじめによる苦しみはその期間だけで終わらない場合も。

いじめ後遺症の症状はさまざまですが、パニック障害やうつ病、不安障害、摂食障害など日常生活にも支障がでることも少なくありません。ここでは、子供の頃に受けたいじめが原因による大人になってからも苦しいいじめ後遺症の症状やいじめ後遺症のチェック方法や診断、いじめ後遺症の治し方についてご紹介します。

いじめの原因は?

大人になってからもさまざまな症状の後遺症に苦しむいじめですが、子供の頃にいじめられる原因とは何なのでしょうか?いじめは昔から耐えることがありませんが、いじめが始まるきっかけというものがあります。子供のいじめの原因は、他の人と何か違うこと、悪口や変なあだ名、コミュニケーション能力の未熟さ、人の気持ちを察する想像力に欠けるなどが考えられます。

またいじめの加害者の家庭環境のストレス発散のためにいじめが起こることもあります。いじめのターゲットになるのは、大人しい子供が圧倒的に多く、大人しいためにいじめを受けてもいい返すことができないので、さらに悪化していくのでしょう。

いじめ後遺症は大人の対応が問題なことも

子供の頃、いじめを受けた経験が後々大人になっても後遺症として残るいじめ後遺症ですが、いじめ後遺症はいじめを受けたときの周囲の大人の対応が問題になっていることもあります。いじめを受けていることが明らかにも関わらず、親や教師といった大人が見て見ぬふりをした、相談しても何も解決してくれなかったなど、大人に見捨てられたような体験も問題です。

また見て見ぬふりをして助けてくれない、相談に乗ってくれないだけではなく、いじめの加害者と一緒になって暴言を吐いたり、暴力を振るったりするケースもあります。大人がいじめの加害者と一緒になっていじめを行うことはあってはいけないことですし、一般的な考えからはありえないことではありますが、実際に教師がそのようなことをしているケースも少なからずあります。

学校など外でいじめを受けている子供は、守ってくれる親がいる家が唯一ホッとできる場所です。でも、子供を守るはずの親が、いじめの加害者同様に子供の心を大きく傷つけるケースもあります。大人に助けてほしくて親にいじめの相談をしたときに、「自分に非があるからいじめられるんだ」と、子供の人格を否定する暴言を発するケースもあります。

唯一自分の味方であるはずの親からもいじめられていることを責められたり、自分の人格を否定されることをいわれたりすると、子供には逃げ込む場所がありません。唯一信頼出来て頼れる大人である親からも突き放されてしまうと、孤独感は大きくなり、精神的に不安定になってしまいます。

いじめ後遺症の症状

いじめ後遺症には実にさまざまな症状があり、大人になってからもずっとその症状に苦しめられます。ここではいじめ後遺症の主な症状をご紹介します。

人間不信

人が信用できなくなるのはいじめ後遺症の主な症状のひとつです。いじめはクラスメイトや近所の友達など身近な人から受けることが多いですね。しかも、今まで仲の良かった親友だといえる友達も雰囲気にのまれてか、いじめの加害者になることもあります。そのためにいじめを受けると他人が信用できずに恐怖感を覚えてしまいます。

いじめ後遺症による人間不信は、いじめを受けている間だけではなく、大人になっても続くことが多く、いろいろな人と付き合うようになり人間関係が広がっても、他人に対してどこか恐怖心と不信感を持っていて、心底信用することができないことが多いです。この人は良い人だから信用しても大丈夫と思っていても、心のどこかで疑う気持ちが消えません。

いつか自分を裏切るのではないか、良い人のふりをして自分を騙しているのではないか、陰では馬鹿にしているのではないかなどの不信感が消えず、相手の言動を知らず知らずのうちにチェックすることもあります。他人を信用しきれず疑ったり不安に感じたりすることで、もし裏切られたときの精神的ダメージを軽減しようともしているのです。

自信が持てない

自分に自信が持てないというのもいじめ後遺症の主な症状のひとつです。いじめの加害者は、いじめの被害者の言動を馬鹿にして嘲りますし、何かしようとすると文句をいったりしますから、いじめの被害者はどうしたら良いのかわからなくなります。そのため大人になってから自分自身に自信が持てず、何をするにも周りの目を気にしておどおどした対応になってしまうことが多いのです。

自分の発言や行動だけではなく、容姿についてもいじめの加害者に馬鹿にされることが多いので、内面だけでなく容姿にも自信が持てなくなり、顔を隠す、常に下を向いて人と顔を合わせることができなくなることもあります。自分という存在全てをいじめの加害者から否定されるので、自分に自信が持てないまま大人へと成長してしまいます。

自己肯定感が低い

いじめ後遺症の主な症状には、自己肯定感が低いのもあげられます。自己肯定感というのは自分を大切な存在だと感じることをいいます。いじめを受けると、自分の存在全てが否定されるので、どうしても自分が大切な存在だと感じる自己肯定感が低いまま大人へと成長してしまうのです。

自己肯定感が高いと、自分の欠点を素直に受け入れてより良い自分になるために前向きな努力をすることができますが、自己肯定感が低いと、自分はダメな人間だと思い込んで、周囲からの誉め言葉などを素直に受け入れることができなくなります。自分の欠点だけに目を向けて自分はダメな人間だと思い込んでしまうのです。

なぜなら自分がいじめられる原因は、自分の性格や外見が人よりも劣っているからだと考えてしまい、自分を認めることができなくなってしまうのです。

コミュニケーションが取れず仕事にも影響する

いじめ後遺症は仕事にも大きな影響を及ぼします。子供の頃にいじめを受けると、自分に自信が持てず、他人を信用することも怖くてできなくなりますから、コミュニケーションをうまく取ることができません。仕事をしても自分の仕事ぶりに自信が持てませんし、否定されることを恐れて自分の意見をいうことができません。そうなると職場でのコミュニケーションは取れません。

また、コミュニケーションがうまく取れないと、就職すら困難にしてしまいます。筆記テストは問題なくクリアしても、面接では面接官と直接話さなけれいけないので、自信のない態度や発言はどうしてもマイナスになってしまいます。そのため自分が希望する仕事に就けなかったり、就職しても長続きしなかったりすることもあります。

本来能力的に問題のない仕事でも、自信のなさから失敗してしまうなどなかなかスムーズに仕事を進めずに転職を繰り返すこともあります。仕事に失敗すれば上司から怒られたり注意されたりしますが、それに対しても子供の頃のいじめを思い出して、必要以上に怖がってしまうなど、いじめ後遺症は仕事面でも大きな悪影響があります。

恋愛にも億劫になる

いじめは大人になって恋愛にも悪影響を及ぼすことがあります。いじめは加害者から自信を奪われるだけではなく、他人に対する信頼感も奪われます。例え好きな人ができたとしても、自分のような人間が好かれるわけがないと、初めから恋愛を諦めてしまう方も多くいます。

仮に恋人関係にまで発展したとしても、相手のことを信用しきれないので、うまくお付き合いを続けることができずに別れてしまいます。別れることでさらに自分に対する自信を失ってしまうという悪循環になり、ますます恋愛が億劫になってしまうのです。

体への影響も

いじめ後遺症は、自己肯定感やコミュニケーション、人間不信などだけではなく、体への不調としてあらわれることも多いです。子供の頃いじめられていた恐怖感などが抜けきれずに外出することが怖くなってしまうパニック障害を引き起こすこともあります。

他にもうつ病を発症したり、他人と接することへのストレスから胃痛など胃腸障害を起こしたり、頭痛が起こったりすることもあります。十分に睡眠が取れない睡眠障害に苦しんでいる方もいます。これらの原因はほとんどが心因性によるものだと診断されるので、治療が難しいといわれています。

いじめは脳にも影響がある!

いじめは脳にも影響があることがわかっています。暴言や暴力といったいじめを受けると、脳の聴覚野という部分が約14%も増えるというデータがあります。また体罰などの暴力を伴ういじめを受けると、同じく脳の前頭前野が約19%も減少し、扁桃体が変形するというデータもあります。

またいじめは脳だけではなく自律神経にも影響があります。自律神経とは、交感神経と副交感神経の2つがあり、シーソーのようにバランスを取りながら働いているもので、意識してコントロールすることはできません。自律神経は内臓にに関わる重要な神経で、他にも体温調節や血圧のコントロールもになっています。

いじめは自律神経の交感神経に影響を与え、さまざまな不調が起こりやすくなります。人はストレスを受けると脳が感知して自律神経や内分泌機能に影響を与えます。それによって起こる不調としては、胃腸の不調や頭痛、めまいなどがあげられます。

学校へ行く時間になるとお腹が痛くなったり頭が痛くなったり微熱が出たりといった不調は、学校に行きたくないための仮病で片付けられることもありますが、いじめによるストレスによって自律神経が乱れ不調があらわれていることもあります。

いじめ後遺症のチェック診断

いじめ後遺症をチェックしてみよう

いじめ後遺症にはさまざまな症状があります。子供の頃いじめを受けていて、チェック診断の症状に当てはまる場合は、いじめ後遺症である可能性があります。気になる症状がある方は1度チェック診断リストでチェックして診断してみましょう。

【チェック診断】診断①自分に自信が持てない、診断②人を信用できない、診断③自分は他の人のように幸せになれないと思っている、診断④人と関わることが苦手、診断⑤家に引きこもりがち、診断⑥不安に襲われることがある、診断⑦人が多いところは緊張する

診断⑧誰かが笑っていると自分のことを馬鹿にしているように感じる、診断⑨いじめの加害者に復習したいと思う、診断⑩死にたいと思うことがある

10項目のいじめ後遺症チェック診断です。当てはまる数が多くなればなるほど、いじめ後遺症である可能性が高くなります。

いじめ後遺症の治し方

いじめを受けているときだけではなく、大人になって突然いじめ後遺症があらわれるなど、大人になってからも苦しみが続くいじめ後遺症。長い年月苦しめられるいじめ後遺症はどのような治し方があるのでしょうか?

大人になっていじめ後遺症を克服する方法はある?

辛く長期間苦しめられるいじめ後遺症は大人になってからでも克服できる治し方はあるのでしょうか?幸いなことにいじめ後遺症は治し方があり、正しい治し方をすると治ることがほとんどのようです。いじめ後遺症に悩んでいる方は、ぜひ早めに治療を受けることをおすすめします。

いじめ後遺症にはカウンセリングが効果的

いじめ後遺症の治し方には、カウンセリングが効果的だといわれています。まずカウンセリングで話をしっかり聞いてもらうことが大切です。カウンセリングは心療内科などの専門機関を受診することで受けられます。話を聞いてもらい、自分が悪いからいじめられるという認識を、自分は被害者だという認識に変えることが大切です。

いじめを受けると自分が悪いからだと自分自身を否定してしまうことが多く、それが自身のなさや自己肯定感が低いまま大人に成長させてしまいます。でもいじめは100%加害者に非があります。そのためいじめを受けた人は自分が悪いと悩む必要は全くありません。このことをしっかりと理解することが大切いなります。

いじめ後遺症の治し方には、専門家によるカウンセリングが効果的ですが、病院を受診するのに抵抗がある方もいるでしょう。そんな場合は、地域にある精神保健センターや保健センターでも相談することができます。精神保健センターや保健センターにはカウンセラーもいますから、カウンセリングを受けることもできますし、病院を紹介してもらうこともできますよ。

いじめ後遺症の治し方には「いじめ模擬裁判」も

いじめ後遺症の治し方は一般的にはカウンセリングを行いますが、「いじめ模擬裁判」という治し方を行っている専門機関もあるようです。いじめ模擬裁判という治し方は、専門医が裁判官役となって、いじめの加害者の特徴や加害者に対して今思っていることなどを聞いて書き出していきます。

書き出すことによって受けたいじめを客観視し、自分が悪くないことを任しくしていくという治し方です。これもカウンセリング同様にいじめ後遺症い効果的な治し方だといわれています。

いじめ後遺症の治し方にはセルフケアはない?

いじめ後遺症の治し方には自宅で自分でできるセルフケアもあります。いじめ後遺症の治し方にカウンセリングはとても効果的ですが、誰かに話さなくてもひとりでできる治し方があります。治し方としてはいじめ模擬裁判と似ていますが、日記やブログなど文字にして書き出すというものです。それだけでもいじめ後遺症に対して効果が期待できるようです。

病院に行って治療を受けるのに抵抗がある方は、毎日日記などに書くことで気持ちが整理できるので、まずセルフケアから始めるのも良い治し方といえるのではないでしょうか?

いじめを受けていた芸能人のエピソード

テレビなどで活躍している芸能人は、子供の頃から人気者でいじめとは無縁の人生を送っているかのようなイメージがありますが、実はいじめを受けていた方は多いです。いじめを受けていたことを公表している方もいますよ。

中川翔子

ショコタンの愛称で人気の高い中川翔子さんですが、中学生時代に壮絶ないじめを受けていました。修学旅行で絵を描いていたら、それが「キモイ」といわれいじめられるようになり、不登校、引きこもりになったそうです。ちなみに小学生のときのあだ名は「ペリカンババア」、中学生のときのあだ名は「ゲロマシーン」だったそうです。

芦田愛菜

演技力の高い子役として人気のある芦田愛菜さんもいじめを受けていました。学校内でいじめられるだけではなく、私物を勝手に持ち帰られるなどの被害も受けていて、小学校のときには1年間で10個も筆箱を買い直さなければいけなかったそうです。いじめを受けながらも名門私立中学に合格したのは多くの方の知るところですね。

指原莉乃

バラエティ番組でもよく見かける元アイドルの指原莉乃さんですが、彼女は人見知りの性格が裏目に出て、中学生のときに「キモイ」といじめを受けるようになったそうです。中学3年生では完全に孤立して、いつも1人で行動していたそうです。今テレビで見る指原莉乃さんは明るく自分の意見を堂々と発言しているので以外に感じる方も多いのではないでしょうか?

大島美幸

お笑いグループ森三中の大島美幸さんが受けていたいじめはいじめの範疇に収まらないほど壮絶なものです。小中学校でひどいいじめを受けていたのですが、まずあだ名が「うんこ」で、プールで裸で泳がされたり、裸で土に埋められたりしていたそうです。

安達祐実

人気女優の安達祐実さんも子役として活躍していたので、子供の頃いじめを受けていたそうです。体操服を切られたり、上履きを花壇に埋められたりといった陰湿ないじめを受けていたそうですが、いじめを受けていたころは「家なき子」をやっていてほとんど学校へ行けなかったそうです。ほとんど学校へ行かなかったので何とか乗り切れたのかもしれませんね。

戸田恵梨香

人気女優の戸田恵梨香さんですが、中学の頃、友達との関係があまりうまくいっていなかったそうで、女子7人~8人ほどに呼び出され、そのこと自体にもショックを受けましたが、その中心に自分の赤ちゃんの頃からの友達がいたそうです。いじめの加害者は自分の親友であることも珍しいことではありませんが、かなりショックは大きいでしょう。

麻生久美子

演技派女優として人気のある麻生久美子さんがいじめを受けた理由は、家が貧乏だったからだそうです。石を投げられたり、道路に突き飛ばされたりとそのいじめ内容はひどいものがあります。さすがに道路に突き飛ばされたときは命にかかわるので、親御さんがいじめ加害者の家に怒鳴りこんだそうです。

押切もえ

人気モデルの押切もえさんも、いじめを受けていたそうです。美人でスタイルが良く、洋服のセンスも良かった押切もえさんは目立っていたようで、上級生に目をつけられて通学路で待ち伏せされたり、自宅の車のボンネットに傷をつけられたりしたそうです。キレイな人に対するやっかみがいじめにつながったのでしょう。

藤崎彩織

SEKAI NO OWARIのSaoriこと藤崎彩織さんは、小学校のときにランドセルに「死ね」と書かれたり、靴に画びょうを入れられたりといったいじめを受けていたようです。友達になろうと用意したプレゼントを突き返されることもあったそうです。

渡辺えり

女優の渡辺えりさんは、子供の頃からふくよかな体型をしていたため、「デブ」となどの悪口をいわれ続け、登校拒否になったそうです。クラス替えによって担任が変わり、その担任が褒めることが上手だったため、渡辺えりさんは徐々に失った自信を取り戻していったそうです。

悪意に縛られないでいじめ後遺症を克服しよう!

いじめは受けているそのときだけではなく、いじめ後遺症として大人になってからもさまざまな症状で苦しめられている方が多くいます。いじめを受けると自己肯定感が低くなったり、人間不信になったりだけではなく、うつ病やパニック障害など病院での治療が必要な症状や病気を発症することもあります。

いじめ後遺症であらわれるさまざまな症状の治し方は、セルフケアから専門医のカウンセリングまでありますので、いじめ後遺症チェック診断でいじめ後遺症の可能性が高い方は、自分に合った治し方でケアをしましょう。子供の頃のいじめという悪意に縛られず、いじめ後遺症を克服しましょう。

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